
路傍のフジイ1巻2巻3巻4巻
ネタバレ感想
路傍のフジイのネタバレ最新エロ画像(raw/pdf)、感想、配信サイトを紹介。
何が楽しくて生きているのか、周りからそう思われている人ほど、実は毎日が充実しているかも知れない…
紹介作品の目次
路傍のフジイ1巻
友人知人の結婚式に出席して笑顔で祝福し、帰りは同世代で飲みながら、その世代らしく、家を買うだの車を買うだの子供が生まれるだのゴルフを始めるだの、おっさんに差し掛かった年齢らしい話題ばかり。
田中はほぼほぼ共感できず、独身を羨ましがられても嬉しくない愛想笑いで返すばかり。
経済的に余裕などない生活では、社会の全てが不安を煽って来るようで楽しさを感じられなかった。

そんな田中でも軽く見下しているのに妙に気になってしまうのが、40過ぎて非正規でうだつの上がらない人生で終わりそうな藤井だった。
仕事はきっちりこなすが空気が読めないというか、年下同僚からも舐められてこき使われているタイプ。
年下から舐められ、友達がいそうな気配もない孤独な人生。

田中はそう決めつけて見下し、まだマシだと思うことで自分を誤魔化そうとするが、そんなメンタルで何か好転したり楽しくなるはずがない。
たまに理由のない鬱に襲われていた田中はダウナーな休日、商店街でフジイで見かけて思わず尾行を始めた。
うだるような暑い日、公園に寄ったフジイは池の亀が甲羅に下らない落書きをされているのを見つけると、一生懸命に拭い取ってあげようとし、自然と小さな人だかりができていく。

親子向けの施設で一心不乱に見学したり、そのうち轢かれそうな酔っ払い爺に声をかけてノールックで殴られたり。
そこで堪らず田中は声をかけ、休日に鼻血ブーしたフジイの家にお邪魔することになった。
そこそこ物があるだけでいたって普通の部屋、途中で買っていたのは自分用の誕生日ケーキ。
それでも田中と会えたしいい日だったとはっきり答えるフジイを、まだ下に見ようと踏ん張る田中。
色んな本があるのはその分だけ趣味があって実践しているからで、これまたはっきり楽しい人生だと言い切り、知りたいことやりたいことが多くて不老不死になりたいと語るフジイ。

頼めば趣味程度でやっている下手くそな弾き語りも披露してくれ、田中はようやく自分のつまらない人生を否定したくてフジイを否定したかっただけだと自覚した。
下手くそな弾き語りでもフジイが奏でるからこそ涙が出るほど心を打たれた田中は、損も得もない友達付き合いがしたくなった。

そして田中は職場でのフジイへの印象が変わって見えると、会社一の美人でも間違いなく壁を作っているタイプの石川もフジイをチラチラ見ていて、しかも恋する乙女らしき表情なのに気づいたのだった。
パパ活美女
石川がパパ活をやっているのは元風俗嬢で、その時の客を引いているからでもあった。
美人で多くに恵まれているように見えるが、本人にしか分からない本人レベルの悩みもあり、職場では心を開いていない。

どこにもいないタイプのフジイに興味を持ったのは、雨の日の帰りに仕方なく相合傘をしながら、同じアニメキャラが好きで理由も同じで盛り上がったのはあくまできっかけ。
その後に雨の日あるあるで車に水をぶっかけられそうになったのを守ってもらい、更にハッとするような一言をくれたからだった。

誰かを好きになることがなくなった最近において、久しぶりに興味が湧いた相手。
そして外山がまた当たり前にフジイをハブって数人を飲みに誘い出したので、石川がフジイを誘ったのだった。
外山は相変わらず孤独でつまらなくて寂しい中年男だと決めつけ、自分の価値観を押し付けようとするが、フジイは取り合わず楽しいものは楽しいと答えるのみ。
田中だけはフジイがいることで明らかに石川が楽しそうにしているのに気づいた矢先、フジイがお先に切り上げるのを追いかけるように彼女もお暇を告げた。

石川と矢部
帰り道がホテル街だったせいで、石川はフジイを試すようなことをした。
それで自分の薄汚さを自覚すると、どんな女なのかも不思議とペラペラ暴露してしまっていた。
パパ活美女とジグソーパズルにハマり中のフジイが、懇ろな関係になる日は来るのか…
ムードメーカータイプの矢部と取引先に伺うことになったフジイ。
大して関わり合ってこなかった二人だから、表面的に趣味の話なんかしながらの道中、頼られやすい陽キャらしく、矢部は自分の趣味に誘おうとするが、それは一人でもできるが彼のは仲間内でワイワイ楽しむパターン。
その遊び自体に興味はあってもグループでワイワイしたい訳じゃないフジイは、無理に周りに合わせないマイペースを自覚しているので断った。

誰かと何かを共有しないと価値を見出せないのか、単に複数人のグループで騒ぎたいだけなのか、人の輪の中にいること自体が楽しいのか。
矢部は頼られやすく好かれやすいムードメーカーだが、フジイの本質は察せられず決めつけてしまうのは外山辺りと変わらない。
だから自分の知り合いばかりの店に連れていけば相手も楽しいだろうと思い込み、人がいるからこそ感じる孤独を理解できない。

悪い人間ではなく、フジイとは優先順位が決定的に違っているタイプだった。
多田
多田は子供の頃から人との距離の詰め方を間違えてきた。
だから大人になった今、友達がいなくて焦りばかり募らせ、とにかく友達を作る目的で特に興味もないのに陶芸教室に申し込んだ。
そこにいて目を付けたのが、如何にも他の生徒と打ち解けられていなさそうなフジイで、同じ匂いを感じ取って一気に距離を詰めていった。

気が合う、馬が合う、楽でいられる、そんな理由じゃなくこのチャンスを逃すまいと気負い、とにかく好かれようとフジイの気持ちは無視して物を差し出してしまう。
それをきっぱり断って気を遣わないでいいと言えるのがフジイで、迷惑ではないと気遣えるのもまたフジイ。
しかし何度も距離の詰め方を失敗してきた多田は、とにかく一緒にいれる友達が欲しい、一人が寂しい。

自分が自然と好きになったり楽しかったりする相手と関係を築こうとするのではなく、とにかく誰かから好かれたいだけだった多田もまた、フジイの考え方に触れて少しずつ変わっていく…
相馬
整骨院で働いている相馬は、お客さんが世間話を振ってきても興味が無ければ一切広げようとしない、客商売には向いていないタイプ。
院長からも注意されるが特に気にもせず、代わりに近所の迷子鳥情報には興味を持つ。

同じく迷子鳥が気になって休日返上で探すのがフジイで、一緒に入っていた整骨院のチラシにも誘われて相馬と出会った。
同じ迷子鳥が気になって探しもした者同士、相馬はやっとお客さんとまともな会話を繰り広げることができた。
0か100かみたいな思考回路と行動原理だから、冷たいだの人の気持ちが分らないだの人間関係を壊してきた相馬は珍しく、鳥捜索で本気で走り楽しみ、笑った。
オレンジ色の空に緑の鳥、腕に可愛いタトゥーを彫っている相馬は、かなりフジイと似ているかも知れない。

田中と石川
田中はフジイの家にお邪魔できる仲になり、飲んだり映画を観たり料理を振舞ってもらえたり。
フジイを気になっているだろう石川も誘って、また手料理を振舞ってもらって。

このフジイに育てた両親はどんな人たちなのだろうと気になり、フジイの魅力を知っている職場でのたった二人という秘密の共有で、田中の心は弾む。
フジイといる石川はとても可愛く明るく、それで田中は更に惹かれていく。
その矢先、石川のパパ活情報が会社内に広まり始めるが、彼女がそれを打ち明けたのはフジイのみでどうしたって疑ってしまうと同時に、そんなゲスいことから最も遠い人だとも理解している。

それは田中の耳にも入って更に彼女のことを知れる機会であると同時に、そうあって欲しくない一面でもあり…