
ドメスティックな彼女9巻ネタバレ感想75話~79話
新入部員が入って来たのは嬉しいが、一人は夏生に敵意剥き出しの癖が凄い奴だった。
しかも、陽菜との関係を盗み聞きされていて、万事休す。
第75話
すぐに部室から連れ出し、自分の迂闊さを後悔する夏生。昴の目的は小説で勝負することだった。そして負けたほうが筆を折る。大賞を取った夏生の作品や過去の部誌を読んで、どうしてこれに負けたのか納得できないでいた彼は、とにかく夏生を貶めてやりたかったのだ。
そこに桐谷が現れ勝負の話を伝えると、部員に読んでもらって選んだ方が、同じ賞を取る心配もなくて公平になると提案し、勝負は部員の判断に委ねられることになった。
思わぬ伏兵に頭を抱えていると、史乃がわざと負けてくれないかと頭を下げてきた。
昴と同じ小学校だった彼女に因ると、彼は明るく家も金持ちで頭も良くて、将来を嘱望されていた。しかし、私立中学に進学してしばらく、親の会社が倒産し公立に転校してきた彼は、人が変わったようだった。
金持ちというステータスがなくなるや否や、私立の同級生たちは一気に遠ざかっていったらしく、それから彼は小説だけを心の拠り所にしていたのだ。
そう言われても、はいそうですかと引き下がれない理由がある。注げる全力を筆に乗せ、ついに審判の日がやって来た。
第76話
3万字以内のSFをテーマにした二人の小説。おもしろかった方のタイトルを書いた投票用紙が次々と開票されていく。
一票目は昴だったが、その後の票は全て夏生だった。その結果に怒りを露にしていちゃもんをつける昴。大人しく喋らせた後、桐谷はこの結果の妥当性を丁寧に説明し始めた。
夏生の作品はスケールが小さいながらも、人物描写がしっかりされていて内面が描けている。だから共感を与えやすく、物語に深みが出る。
昴の作品は、設定や世界観の作りこみは優れているが、それだけに拘っていて読む側に残るものがなかった。
尚もいちゃもんをつけようとするので、桐谷は小説家のペンネームを教えて黙らせた。それは昴が敬愛している作家だったので、ぐうの音も出なくなる。
夏生が努力の人だとも教えられ、負けを認めようとした時、悔し紛れに教師と付き合っていたことを暴露してしまう。
そのタイミングでギャルゲーを取り出した桐谷。ゲームの女教師キャラと付き合っていて、授業中にやっていたので取り上げたと言うと、全員素直に納得させられた。
勝者の夏生は、筆を折らせることを良しとせず、文芸部に入ることを敗者の罰にした。自分だけが不幸だと嘆いて周りを敵視するのは簡単だが、誰しも悩みを抱えている。だから、一人でいるより、誰かといれば言い作品が書けるかもしれないと。
史乃が潤んだ目で昴をしっかり立たせると、彼は憎らしい言葉のまま頷いた。
第77話
陽菜は海に囲まれた島の学校で教師をしていた。髪を短くして新たな生活に馴染み始めた頃、萩原が訪ねてきた。
桐谷から異動になったのを聞いて探し回り、ようやく見つけたのだった。理由は予想通り、夏生との関係がバレたから。あの時の萩原と違って、自制できなかった結果だったと笑って答えるが、どこか無理しているのは明らかだった。
別れ際になり、気持ちが抑えられなくなった萩原は強く抱きしめた。それをやんわりと拒絶する陽菜。まだ心には夏生がいた。
昴はあれからちゃんと部室に顔を出していた。モモは史乃と律には独自のあだ名をつけていたが、昴にはまだだったので何かないかと考えるが、昴は拒否し続ける。
そしてモモの色仕掛け作戦が開始。
スカートをひらひらさせ身体をすり寄せていく。止めは傍に立っていた美羽の純白パンチラだった。
一騒動あった帰り道、夏生が一人本屋に寄ろうとしたとき、萩原と出会った。
[ad#co-1]
第78話
逃げようとする夏生を引きとめ、ラマンに誘う萩原。気まずい空気も何のその、陽菜に会ってきたと話し出した。
今でも陽菜のことを考えない日はないという夏生に対し、もう君のことを忘れて楽しくやってるみたいだと嘘をついて諦めさせようとする。
思いのほかダメージを食らった夏生は、夕飯も食べずに部屋に引きこもってしまった。うじうじ分からないことを考えていると、瑠衣が夕飯を持ってやって来た。
ベッドに寝たまま食べさせてもらう夏生。陽菜と会うためにも書き続けてきたのに、萩原の言葉で気持ちの温度差があるのを思うと、気力が急に薄れてしまったと打ち明けた。
もし頑張る目標がなくなったのなら私を思って書いてよ。そう瑠衣は思いをぶつけた。
第79話
言った後で急に恥ずかしくなってきた瑠衣は、無理矢理ごまかしてそそくさと部屋から出て行った。
お腹が満たされた夏生はウトウトしてきた。少しずつ瞼が重くなってきた時、ベルトがかちゃかちゃと外される音が聞こえてきた。
顔を上げると、裸になった瑠衣がベルトを外そうとしているところだった。
胸に手を導き、舌を絡ませ、固くなった部分を優しく擦りあげてくる。
もう出そうになった時、目を覚ました。
その日は商店街の春祭りで、二人はラマンの手伝いに駆り出された。マスターは組合の人たちのコンテストに出場するので、人手が足りないようだ。
瑠衣は落ちてくる髪が邪魔で、輪ゴムで束ねた。その様子に妙にドキドキする夏生。
休憩に入った夏生は、いつもと違う装いの商店街をぶらぶら歩いて、目当てのものを見つけた。出店に戻り、交代で休憩に入ろうとする瑠衣に、少し恥ずかしそうにさっき買ったばかりの髪留めを渡す。
思わぬプレゼントに、はじけるような笑顔を見せてくれる瑠衣。大好きな人の妹も、大好きになり始めていた。
感想
ドメスティックな彼女9巻前半でした。
昴がかなりのクズ野郎だったのは残念ですが、史乃に免じて許してやりましょう。史乃のサービスシーンが早めにくることを願いつつ、後半に続きます。
[ad#co-4]