
ドメスティックな彼女9巻ネタバレ感想80話~84話
昴との諍いは解決し、瑠衣への思いが強くなり始めていた夏生。
そして陽菜も少しずつ前を向き始めていた。
第80話
モモは新入生の間で既に噂になっていた。頼めばやらしてくれるヤリマンビッチだと。
相変わらず多くの女子に嫌われていた彼女は、わざと水をぶっかけられてびしょびしょにされていた。下着まで濡れて、仕方なく部室でジャージに着替えることにした。
そこに図書室から本を借りてきた律が入ってきて、先輩の刺激的な格好を目撃する。
すぐに扉を閉めたものの、瞼に焼き付いていた。着替え終わったモモはすぐ出てきたが、ノーブラにジャージはかなりヤバかったし、紐パンを置き忘れていた。
その日の放課後は、偶然モモと二人きりの帰り道だった。ドギマギしながら紐パンを出して、誰にも見せてないし言ってもいませんと、正直に言って手渡した。
顔を赤らめる後輩の優しさに、心からお礼を言うモモ。その時、覚悟を決めた律は噂の真相を確かめようと訊いてみた。
少し悲しそうな顔をしたモモ。その噂は本当だと思う?と言い、律を自宅に連れ込んだ。
第81話
汚れた髪を洗ってから出てきたモモ。無防備な部屋着姿に、律の鼓動の高鳴りは止まらない。
お礼に持ってきてくれたアイスには目もくれず、モモのいやらしい口元に目が釘付けになる。
アイスを食べ終えベッドに寝転ぶモモの胸元には、小さな突起が二つ見えて目が離せない。そんな邪な気持ちは露知らず、モモは律に好きな人のことを想像してみてと言う。
それから自分を見てと言い、私がその子だと思える?と訊く。
思えないと答える律。それが答えだった。付き合った人数は多いが、その時々で好きになった人としかしたことがない、ただの恋愛脳な女子高生なのだ。
いつもへらへら明るく振舞っているが、悪意のある噂に傷ついていた。
悪意なくモモを傷つけてしまったことをとても後悔していた律は、翌日から部活に行く勇気が出ないでいた。
そんな日が数日続いた時、昴がモモからの手紙を預かってきた。そこには、この前のことは気にしなくていいから、部活に来て欲しいと書いてあった。
噂を気にして昴に頼んだ顔を思い浮かべると、居ても立ってもいられなくなった。外に駆け出して校舎のどこかにいるモモに向けて叫んだ。傷つけたことを謝り、悪意のある噂が誤解なのを生徒全員に知らせるように声を張り上げた。
夏生や瑠衣のように理解してくれる相手が一人増え、モモは嬉し涙を流した。
第82話
書いては担当の蔦谷に見せていたが、器用さばかりが目立ちありふれた作品になって受賞作を超えるようなものではないと、ばっさり切り捨てられていた。
桐谷に見せても同じような批評をされ、夏生は伸び悩んでしまう。
見かねた瑠衣は、どうして小説家を目指そうと思ったのか訊ねた。夏生は母が死んでから、家に引きこもって、母の本棚にあった本を読んで過ごすことが多くなった。読めるものから少しずつ読んでいくと、あっという間に本の中の世界に惹き込まれ、母がいなくなった悲しみをその間だけは忘れることができた。
そんな風に本に救われた経験を、どこかの誰かにも体験させてあげたくなったのだ。
翌早朝。いきなり起こされた夏生は、流されるままどこかの山に登らされていた。テレビで紹介されたかき氷を食べに行きたい瑠衣はずんずん進んでいくが、彼は筆を取りたくて仕方なかった。
苦労してから食べたかき氷は、とてもおいしかった。その後も山頂に向かい登っていく瑠衣について行くと、見晴らしのいい場所から綺麗な夕焼けが見えた。
思い悩む夏生をリフレッシュさせたくて、この景色を見せたかった瑠衣。机に向かうばかりでなく、何かを生み出すならいろいろな経験が必要だと実体験で教えたかったのだ。
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第83話
進路希望調査票を渡され、進路について話していた文芸部員達。美羽は夏生や昴の才能に触れて、作家の手伝いをする編集者を視野に入れていた。
夏生は進学しながら小説を書き続けるつもりだが、瑠衣はまだどうするか具体的なビジョンを描けないでいた。
そしてまた避けて通れない中間テストが近づいてきて、英語以外ボロボロのアルは夏生に泣きついて勉強を教えてもらうことに。
半ば瑠衣に会うのを目的に、夏生の家でテスト勉強に励んでいたが、彼女を見つめるばかりで身が入らない。
おまけに腹も鳴り、瑠衣が腕を振るってオムライスを作ればアルは絶賛。でも、夏生はそれがどこか気に入らなくて、もっと上手い料理があると子供のような態度を取る。
アルは勉強・手料理と収穫多い帰り道、送ってくれた夏生に訊いてみた。もしかしたら、ライバルになるのかと。
もちろん否定する夏生。でも、嘘をついている自分に気付かないフリをしているだけなのは、理解していた。
第84話
リフレッシュのおかげか、最新作は今までにない高評価をもらった。身近に想い人がいるような実感がこもった青春小説。実体験をベースにすると、夏生の真価は発揮されるようだった。
いい感触だったのを、瑠衣は自分のことのように喜んでくれた。
その笑顔を見ると、どうしようもなく惹かれている自分に気付いていた。陽菜が消えた悲しみをずっと傍にいて支えてくれた瑠衣は、いつのまにかかけがえのない存在になっていた。しかし、瑠衣と付き合うには障壁が多過ぎた。
とにかく気持ちを押し殺そう。そう決意した夏生は何かと理由をつけて、家でも学校でも瑠衣を避けるようになった。もちろん異変に気付かない瑠衣ではない。何か怒らせることをしたなら言って欲しいと頼んでもごまかすばかりの夏生に、逆に怒ってしまう。
その日は、夜遅くなってもなかなか帰ってこなかった瑠衣。心配して夏生が探しに行くと、河川敷の土手にいるところを見つける。
夏生にもらった髪留めを探しているようだった。それは彼から初めて可愛いと言ってもらえた宝物だから、諦めることなんかできなかった。
そんな切ない表情で好意を示されて、ついに本音を漏らしてしまった夏生。
遠くに街の明かりがたゆたう中、二人は久しぶりのキスをした。
感想
ドメスティックな彼女9巻後半でした。
家族ってのは親の都合だから、無視してまえって思いますし、友達の好きな人ってのも、まあ致し方なしと思えます。しかし、姉がだめなら妹だ。これはなかなかお天道様が許しても世間は昼ドラのように見てくるでしょうね。
でも、一話目でヤッてるんで今更ですね。
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