
ドメスティックな彼女11巻ネタバレ感想100話~104話
桃源に弟子入りした夏生。
執筆するための基礎中の基礎を今更ながらに教えられ、何かを掴めそうな予感がしていた。
第100話
いそいそとお洒落をして出かけていった瑠衣。その後ろ姿を複雑な思いで見送った夏生も、桃源の下へ行った。
しかし、特にやることはなく取材でもしてみろと言われ、知り合ったばかりのキャバ嬢・樹里のところへ。随分さっぱりしたすっぴんに驚きつつも頼んでみると、あっさりO.K。
代わりに買い物につき合わされたが、服を買ってもらったりと貢ぎ癖を発揮してくれる。ブラブラしていると、デートしていた瑠衣とアルに出くわし、樹里が強引に誘って一緒に休憩することになった。
瑠衣に見せつけるように夏生とイチャイチャし出す樹里。それに思いのほかキレられる。
しかしそれは、瑠衣の気持ちを焚きつけるお遊びだった。
夏生はそのままキャバクラでボーイとして取材させてもらうことに。仕事モードになった樹里は見違えるほど綺麗だった。
そんな日に限って、絡んでくる客に当たってしまう。頭から酒をぶっ掛けられても笑って応対する樹里を見て、女優顔負けのプロ意識ですねと、賞賛する夏生。
しかし、それが樹里の逆鱗に触れてしまう。
第101話
みっともないとこ見せて恥ずかしくなったから取材の話はなかったことにして欲しいと、申し訳なさそうに笑う樹里。
それが本心なのかどうか分からずに、夏生は何も言えずにいた。
次の日に桃源に話すと、急に心の扉を閉ざしたなら、その先に深い人間ドラマがある可能性が高いと言う。
その日は一年ぶりの神社の祭りの日だった。両親が行くと言うので、夏生と瑠衣も一緒に行くことに。
一年前の今日、陽菜と思いを確かめ合ったのを思い出すと、寂しさを抑え切れない。少し前に陽菜と完全に別れ、瑠衣の気持ちも振り切った。
そのことを、今ここで謝ってみても、瑠衣も辛さが込み上げるだけだった。
その時、大粒の通り雨が振り出した。ほとんど濡れ鼠になりながら屋根の下に潜り込んで、止むのを待った。
瑠衣が鼻を啜っているのを見て、シャツをかける夏生。その悪戯な優しさが辛くて、アルとどんなデートをしたか細かく話していくと、夏生も樹里との関係と取材拒否された時のことを話した。
すると、きっとそれは自分の繊細な部分に踏み込まれそうになったから、防衛本能で断ったんじゃないかなと瑠衣は言う。
その意見に素直にお礼を言う夏生。その無邪気な態度に、また複雑な嬉しさを瑠衣は感じていた。
善は急げとすぐに会いに行った夏生は、いきなり変態発言をする。
第102話
警察を呼ばれそうになるが、「心の」を付け忘れていたと言い訳し、前科は付かずに済んだ。
あの時の言葉を繰り返すように説得していくと、「女優」の言葉に反応したのを見逃さず、過去にAVに出たんですねと指摘。
しかしとんだ勘違いだった。
しつこくAV押ししてくる夏生に根負けし、普通の女優を目指していたことを打ち明けてくれた。高校演劇に魅了され、短大を中退して秋田から上京。それからは、バイト・レッスン・オーディションを繰り返す日々だった。
だがチャンスは掴めず、故郷の父は入院。仕送りにも頼れなくなりキャバ嬢として働き出し、夢半ばで諦めたのだった。
女優に拒絶反応を起こすきっかけになったのは、遠距離恋愛していた彼氏の基樹が原因だった。ずっと励まし続けてくれていたが、夢を諦めたのを言い出せず、申し訳なくなって自分から別れを切り出した。
その時の悲しそうな声が、今でも忘れられずに心の中に留まっていた。
彼女の思いに共感した夏生は、これから基樹に会いに行こうと言い出した。そこに偶然、マスターの仲間のエリカが現れて、顔を突っ込んできた。
水商売と桃源繋がりで樹里と面識があるらしく、渋る彼女を抱え上げて拉致してしまう。
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第103話
新幹線に乗ってあっという間に秋田に着いた。
ここまで来てもどの面下げて会えばいいんだと尻込みする樹里。すると、中学の同級生に再会してはしゃぎ出す。だが、相手がもう二児の母になっているのを見て、基樹にも誰かと人生を歩んでいる可能性に思い至り、尚更尻込みしていく。
会った時の練習を駅前でさんざんして決意を固めていると、一人のおばさんが声をかけてきた。それは基樹の母親だった。
一方的に別れを切り出したことを謝る樹里。母親はそんなことには頓着せずに、息子も喜ぶと思うから久しぶりに会うかい?と優しく気遣ってくれた。
願ってもなく会いに行く樹里。しかし、連れて行かれた場所は見慣れた彼の家ではなく、墓地だった。
2年前に白血病になり、去年あっけなく亡くなっていた。樹里には教えないように言っていたらしい。良かれと思ってしていた応援が、彼女を追い詰めていたかも知れないと、彼も後悔していたのだ。
練習通りに再会の言葉を紡いでいく。何でもないように明るく近況を話そうとしていくが、やっぱりうまい演技はできなかった。
日帰りの新幹線の中。彼女はもう一度女優を目指すと宣言した。だから、いつか夏生の小説の主演に選んでよねと、晴れ晴れした笑顔を見せた。
第104話
樹里の人生に踏み込んだおかげで筆が進み始めたものの、余計なお世話だったんじゃないかとも思っていた。元彼は思い出のままに元気で生きていた方が幸せだったのかも知れない。
そう過ぎたことを愚痴愚痴後悔する夏生に、それは本人にしか決められないし今すぐ判断できることでもない。私が大島に行ったから今の状況があるのと同じように。瑠衣はそう考えを明かした。
翌日から両親が法事で3日間家を空けることになり、その間は二人きりで生活することになった。
いつものようにバイトに出かけた瑠衣。その後すぐに空が荒れ始め暴風雨になりだした。瑠衣は早めに帰ってきたが、傘は役に立たずびしょ濡れですぐにお風呂場へ。
着替えを持ってくるよう頼まれた夏生。下着を取り出すのに躊躇いながら手を伸ばした直後、いきなり真っ暗闇になった。
周囲一帯が停電したらしく、手探りで風呂場へと向かっていると、瑠衣も外に出てきたようだ。お互いに相手の方へと進み、夏生が前に手を出すと柔らかい感触が。
直後に雷光で柔らかいものの正体が照らされた。
またすぐに雷が鳴ると、今度は瑠衣から抱きついてきた。
近くで鳴る雷に怯えた瑠衣。今夜は同じ布団で寝ることにした。不安を取り除こうと手を握る夏生。それは、アルでは感じなかったドキドキを与えてくれた。
彼がトイレに部屋を出て行くと、瑠衣は鼓動を確かめるように胸を露にした。
感想
ドメスティックな彼女11巻後半でした。
樹里はなかなかハードな20代を送っていて、同情を禁じ得ません。オカマに恥ずかしい格好で抱え上げられた時なんて、AV女優の仕事かと思いました。
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