
生贄投票36話~39話
ネタバレ感想
慕っていた先生の無念を晴らすため、クラスに社会的死を与えていたのは毛利だった。
燃え上がる屋上で彼女は捕えられ、警察に引き渡された。
しかし、最後の最後にまだ生贄投票が終わっていないことを突きつけるのだった。
36話
朝の7時半過ぎ。
パンツ一枚で歯を磨いていると、携帯のアラームが鳴り出して焦って準備を急いだ。
「やばっ!のんびりしすぎた」
髪を整え、服を着て、リップクリームをつけて準備終了。
問題なく仕上がった自分を見て
「よしっ」
あれから6年。
今治は教師になっていた。
彼女が勤めるのは、私立夢ノ台高等学校。
職場である学校に着くと、他の先生たちの好みに合わせてお茶やコーヒーを一人で準備しようとしていた。
まだ新人の彼女に自然と回ってきた役目だった。
一度に運びきれないカップの数になった時、同僚の瀬戸淳子が手伝いに来てくれて、お言葉に甘えることにした。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
会議室の中に入ると、他の先輩教師たちが悩みながらも、どこか少し楽しそうに生徒をどのクラスに割り振るか話し合っていた。
数学教師の田畑正雄に学年主任の永田秀之。
体育教師の井手正和に国語教師の坂本雄三。
そして今治が副担任を務めるクラスの担任、理科教師の神庭雄一。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
緒川という生徒について訊かれて、授業は真面目に聞いてる印象ですねと答えた。
すると「節穴め」と睨まれ、お前の授業中にゲームやってたぞ。
何事も注意深く見て、生徒に舐められないようにしろ、と説教されてしまった。
そんなこんなで話し合いは順調に進み、新学期がスタートした。
例の緒川は、今治を見つけると「今治センセ~、また一緒のクラスじゃん!よろしく~」と、確かに舐めた態度を取ってくる。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
彼女はそれを注意しつつも、彼が見せた悪戯な笑顔にハッとする。
声も背の高さも性格も全然違うのに、笑った顔だけ、彼に似ている気がしたからだ。
神庭と今治は2-Cを受け持つことになった。
最初の挨拶の時、彼女は普通によろしくと挨拶をして頭を下げた。
しかし、職員室に戻るとさっそく、生徒の前で頭なんか下げたら舐められるだろ。生徒が自分より下だと錯覚するだろと説教されてしまう。
それに反論しようとすると、2年目の癖に口答えすんなとシャットアウトされるのだった。
上から目線の指導方法に納得できずにもやもやしていると、井手が「あの人は常に俺様ですから気にしない気にしない」と言いながら、連絡先を交換しようとしてくるので、ガラケーだからアプリはないと答えて、なんとか怯ませた。
その時、クラスの中村裕子が自分の机に今治宛の荷物が入っていたと言って、届けにきてくれた。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
身に覚えがないまま開けて見ると、中に入っていたのはスマホだった。
しかも手に取った途端、あの生贄投票のアプリが起動したのだ。
さらにそれは、教職員全員のスマホにも同じことが起きていた。
社会的死が待っている地獄の生贄投票。
今度のそれは、教師が対象にされたようだ。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻