ハイポジ1巻ネタバレ感想

「赤灯えれじい」や「ケッチン」が代表作のきらたかし最新作。

平々凡々な毎日を送っていた妻と娘が一人いる中年男の天野光彦。

ある日突然、妻に離婚して欲しいと言われてしまう。

 

 

翼の折れたエンジェル

妻の幸子に離婚して欲しいと言われた翌日、22年ぶりに風俗に来た。

 

ぬるぬるのマットの上で寝そべった光彦は、大して可愛くもない嬢と69をしてから素股をしてもらって抜いてもらおうとしていた。

 

16歳の娘の美憂がこんな仕事をしたら悲しいな。

なんて他人事のように考えた直後、非常ベルが鳴り響き、そのショックで発射してしまった。

 

 

部屋の外から火事だと叫んでいる声が聴こえてくる。

 

タオルだけを引っつかんで廊下に出たが、ローションで滑って転んで頭を強打し、煙との相乗効果で意識が朦朧として来る。

 

嬢に先に逃げるよう伝えて程なく、こんなところで死んだら妻と娘が笑い者になるなと考えながら意識が途絶えた。

 

 

 

気がつくと、なぜか高校時代に好きだった小沢さつきが当時の姿のままで横に座っていた。

ハイポジ

著者名:きらたかし 引用元:ハイポジ1巻

 

 

場所もなぜか、高校の教室だった。

 

火事で死んだと思ったが、これがいわゆる走馬灯なのかも知れない。

現実では生死の境を彷徨っていて、夢の中にいるだけなのか。

 

それにしては五感がはっきりしているし、自分の姿も当時の高校生に戻っている

ハイポジ

著者名:きらたかし 引用元:ハイポジ1巻

 

 

 

さらに、この先就職先で再会することになる妻の幸子の若い姿も見てしまった。

 

この頃はまだ話したこともなかったので、変な感覚だった。

ハイポジ

著者名:きらたかし 引用元:ハイポジ1巻

 

 

 

そして当時の記憶を辿り、小沢さつきをよく覗き見ていたあの場所へ行ってみると、やっぱり彼女は一人カセットで何かを聴いていた。

 

高校入学直前に引っ越してきた彼女はいつも一人で、それが自分と重なって見えていたが、当時は話しかける勇気がなかった。

 

でも、今は違う。

この先の人生がどうなっていくのかもう知ってしまった今なら、あの時できなかったことをしてやろうと思った。

 

 

何を聴いてるの?と話しかけると、彼女は微笑んで片方を外し、耳にはめてくれた。

ハイポジ

著者名:きらたかし 引用元:ハイポジ1巻

 

 

それは中村あゆみの「翼の折れたエンジェル」だった。

 

 

聴き終ると彼女はカセットをくれた。

 

もしかしたら、このまま仲良くなって小沢と付き合うことになって、初キスも童貞も彼女で卒業できるかも知れないと淡い期待を募らせたが、中身は46歳のおっさんなので、そんなことをすれば淫行だし、この時代の自分と46歳の自分がどうなっているか気になって仕方なかった。

 

 

この時はまだ話したこともない幸子はテニス部で、やっぱり気になって目で追ってしまう。

ハイポジ

著者名:きらたかし 引用元:ハイポジ1巻

 

 

帰り道の商店街では、今はもう閉店したいくつかの店を見ると懐かしさが込み上げる。

 

 

そうしてノスタルジックな気分に浸っていたのに、この辺りじゃ有名な不良学校のヤンキーに絡まれて、カツアゲされそうになってしまう。

 

実際は30歳年下のガキだとしても、昭和のヤンキーの迫力はかなりのものだ。

 

でも、蹴られ殴られて感じた痛みは確かなもので、やっぱりこの時代から神様がやり直すチャンスをくれたんだと思った。

ハイポジ

著者名:きらたかし 引用元:ハイポジ1巻

 

[ad#co-1]