
パラレルパラダイス22話23話
ネタバレ感想
無事に火燐石採集から戻ってきたさっそく、リリアとの交尾を済ませたが、なぜか首にアザが現れず。
情事を盗み聞きしていたクインテットたちは濡れまくっていて、ハルも僅かに興奮していた。
そんな彼女に、早過ぎる死が訪れようとしていた。
22話
ハルの崩月は半年後のはずだった。
なのに、ヨータが現れたストレスのせいか分からないが、彼と話した直後に突然頭の片方の月が真っ二つに割れたのだ。
驚きのあまりにそれを凝視していると、程なくカルが天に召される時と同じように、彼女の身体からもサラサラと光を放ち始めた。
すると、もう一つの頭の月と胸の月も割れてしまい、彼女はその場に倒れてしまった。
だが倒れながらも最後の役目を全うしようと考え、既に力ない声でヨータを呼んだ。
まだ近くにいた彼に声は届き、怪訝に思いながら戻った。
そして倒れている彼女を見つけて声をかけるが、どうも尋常ではない様子に慌てる。
崩月が来たと答える彼女の傍に、いつも着けている丸い飾りが割れて落ちているのを見つけてしまうし、サラサラ身体が消えているので、ああそういうことなのかと察した。
なぜこんなに前倒しで崩月が来たのか分からないが、それより肉がドロドロと溶けて指の骨が見えているのには声を無くしてしまう。
サラサラとジュワアアの反するような音が事の異常さを助長させているが、彼女はどこまでも落ち着いて自分の死と向き合おうとしていた。
彼は急いで他のクインテットを呼んだ。
4人は取り乱すことなく、ハルがサラサラジュワアアと消えていくのを見つめていた。
崩月が早まったり遅れたりすることは珍しくないと言うが、半年の誤差は異例らしい。
こうなってしまってはもうできることはなく、見送るだけだと言われる。
彼は交尾すればまだ助かるかもしれないと考えたが、身体中がジュワジュワ溶け出している。
そんな彼の葛藤を見抜き、ハルは言った。
いやらしい顔を見せてまで生にしがみつきたくはないのだと。
彼は助けてあげたい気持ちと、拒絶する相手に無理やりする卑劣さの間で苛まれた。
その時ミサキが、祝福しよう祝福しようと繰り返してハルの最期を看取ろうとし始めたので、まだ生きているのにあんまりだと思って、彼は声を荒げた。
しかし、誰も彼に賛同しなかった。
今まで数え切れないほどの崩月を見送ってきた彼女たちにとって、その送る言葉はいつものことで、弔いの言葉でもあった。
平均で週に一人、多ければ一日数人は崩月を迎えるらしい。
平均80歳まで生きる彼の世界の常識を持ち出して来て欲しくない、カルに犯されるのとは違って崩月での死は生まれ変わりを意味するのだからと。
そしてハル本人も、20歳まで生きられたのは幸せなことで悲しむ必要はないと言った。
それでも彼は、地球の常識を持ち出し、そんなのは怪しい宗教の考え方だと思った。
だから、モモは慌てて夜這いを仕掛けて来たんじゃないかとも思った。
でも、それを口に出すほど空気を読めないわけじゃなかったが、やっぱり死を享受しているこの世界はどうかしてるぜ!と思わずにはいられなかった。
ハルはまた彼の考えを見透かしたように、この世界は狂っているように見えるだろう?と言い、だからこそお前だけがこの世界の理を正せるんだと続けた。
自分の死を持って世界の異常さを理解させた彼女の願いを、彼は受け止めた。
そして、最後の願いに触れて欲しいと頼まれた。
彼は悔しさと悲しさに襲われながら、そっと彼女の頬に触れた。
すると、彼女はハッとしたように目を開き、すぐに笑顔になって男に触れられる気持ちよさを素直に言葉にした。
それが最後の言葉だった。
彼女の全ては消えてなくなり、服と月だけが残っていた。
他のクインテットたちは、淡々とそれらを拾い出した。
最早人の死が多すぎて悲しみが麻痺しているんじゃないかと彼は思ったが、そう考えた自分をすぐに恥じた。
彼女たちはハルの誇りある死に報いるため、気丈に振舞おうとしていただけだったのだから。
23話
ヨータがせっせと旅支度を整えている所に、正妻然としたルーミが風呂敷に包んだ弁当箱を持ってきてくれた。
これから2~3日の旅程に出発する彼のため、日持ちするものも入れておいたと気を利かせる味覚オンチのルーミ。
嫉妬深い神を殺すため、ジーニアスから聞いたリールという街で情報を集めに行くのだ。
危険も顧みず、いくらカルが彼だけは襲ってこないとは言え、それ以外にもバカみたいなモンスターがいるのに、一人で行く彼を思いしんみりするルーミ。
彼女たちには街の防衛があるし、危険な目に遭わせたくないという彼の言葉を受け入れるしかないのだが、束の間の別れとは思ってもしんみりするルーミ。
その時、暗い雰囲気をぶち壊すかのようにバカみたいに明るいリリアが飛び込んできて、これから壮行会をすると騒ぎ立てた。
ミサキの部屋には眺めのいいテラスがあり、そこに油鮎その他のご馳走が用意されていた。
ルーミはやはり、あの味気ない果物を推してきた。
ミサキも彼にはこの街で自分の性欲解消と他の女の子との交尾に務めて欲しいのだが、この世界の女たちを救おうとしている彼を止めるつもりはなかった。
彼は男に都合が良すぎるこの世界だからこそ、自分にしか救えないのだと考えていた。
カルは逃げるし、女は性奴隷にし放題だし、3千年の男がいなかった歴史なら、多分男というだけでサクッと神も殺せるだろうと楽観視していたのだ。
細かい話はここまでにして、ミサキは一本のボトルを出してきた。
ミードと呼ばれる飲み物が入っているらしく、それを飲めば必ず帰って来れる願掛けになるらしい。
と言うことで、乾杯。
彼女たちは明らかにワイングラスでグイグイ煽り、まるで一口目のビールのようないい顔で感想を漏らした。
どう見ても酒だろうと彼は思い、未成年として躊躇したが、パラダイス異世界でそんな法律を守っても仕方ないと思い直し、一気に流し込んだ。
彼もビールのように息を吐いた。
とてつもなく旨く、注がれるままどんどんグラスを空けていった。
油鮎を放り込み、ミードを流し込めばいつの間にか数本のボトルが空になっていた。
ヨータはいい感じにいい気持ちになってくつろいでいたのだが、絡み酒のリリアが瓶を頭に叩きつけて絡んできたかと思えば、泣き上戸のミサキはどんどん可愛いキャラをアピールするかのように、泣きながら彼の旅立ちを悲しがり始めた。
続いてルーミが剣を抜き、正妻になりたい欲求を一切隠さずに脅してきた。
泣くわ絡むわ脅すわでめんどくさくなってくると、誰が一番なんだと迫り出し、泣いていたミサキがサッと彼の唇を奪った。
そして愛はいらないから、ただこれからも性奴隷にしてくれればいいと懇願してきた。
モモだけが酒に飲まれずに変わらず性欲解消の道具として彼を見続けていた。
すると今度は、いつの間にかテーブルの下に潜り込んでいたリリアが彼の股間から取り出してむしゃぶりついていた。
散々ミードを飲んだだろうに、精子が飲みたかったんだもんと甘えるリリア。
しかもフェラはリリアの得意技だったので、あっという間に気持ちよくさせられてこれまたあっという間に射精させられて一滴も残さず飲まれるのだった。
ちっぱい美少女に負けたような悔しさにゆっくり浸る暇もなく、今度は人の性行為を見て興奮したルーミがパンツを脱ぎ出した。
彼がこれから旅に出ようとしていることなど、性欲の前ではどうでもいいようだった。
感想
パラレルパラダイス22話と23話でした。
まさかパラパレに泣かされる日が来ようとは思いませんでした。
潔すぎる死に様がカッコよすぎたので、思わず感動してしまいましたね。
バカみたいな交尾を連発してなかったら、もっと感動できたことでしょう。