監禁嬢4巻ネタバレ感想
カコは柴田にも近づき、心の隙間に入り込んで利用していた。
彼女は既婚者の皮谷と不倫して欲望の捌け口にしていて、それもカコに目を付けられる。
そして彼を気絶させて、人気のない場所に拉致した。
26話
幼い時に母が亡くなり、直後に父親に失踪された柴田は、それ以来絵の中に幸せな家族を描いて傷ついた心を慰めていた。
そして美術教師になり、同僚と不倫をして日々を過ごし、やがて訳の分からない女の術中に嵌ってそいつに殴られ、鼻血を吹き出していた。
皮谷を積んだ車はどこか山の中に到着し、これから彼を殺すのだと柴田は理解していたが、やはり人殺しの恐怖はすさまじく、吐きそうになっていた。
木に縛られた状態で目を覚ました皮谷は、なぜこんなところにいるのか、目の前の女は誰なのか、どうして柴田もいるのか全く分からなかったが、ここで死ぬと言われて、とてもヤバイ状況なのは理解できた。
カコは混乱する彼に何の説明もなしに、いきなり鍵で胸を突き刺した。
ギザギザの鍵で肉を抉られて絶叫する彼の声を聞いていると、柴田はまた過去を思い出した。
そして覚悟を決め、カコに代わって自分が始末をつけようと思った。
27話
柴田がこの男を殺すと告げると、カコはニヤリと笑い血塗れの鍵を手渡した。
皮谷は不倫相手だとしても自分を好きでいてくれていると思っていた彼女から恐ろしい言葉を聞き、覚悟もできないうちに容赦なく腹を突き刺されてしまった。
続けて同じ場所を二度三度と抉ろうとしたが、血で手を滑らせてしまい、後ろに振りかぶった反動ですっぽ抜けていった。
木にもたれて見ていたカコの傍まで飛んでいったそれを拾うのと同時に、柴田はもう片方の手をポケットに突っ込んだ。
そこには、万が一に備えてカコから渡されていた物が入っていた。
漫画を描く時に使う専用のペンを右手に握った柴田は、皮谷ではなくカコに襲い掛かった。
しかしギリギリで躱され、頬をわずかに傷つけただけだった。
だがすぐに体当たりで押し倒して馬乗りになって鍵で肩の辺りを突き刺し、あんなクズでも待っている家族がいるんだと叫んだ。
カコは痛みに顔を歪める代わりに、嬉しそうに笑った。
柴田の気持ちは分かったと言いながら、伸ばした右手の先にペンが落ちていた。
28話
カコが手を伸ばしてペンを握ったのに気づいたがもう遅く、鋭いペン先が柴田の首に刺さっていた。
ナイフのように横に薙ぎながらペンが動かされ、柴田の首から鮮血が迸った。
慌てふためいて首を押さえる柴田を蹴り上げ逆に馬乗りになったカコは、鍵を拾ってペンの刺し傷に寸分違わず抉りこませて傷口を広げた。
口から血を吐き、どう見ても虫の息の柴田だが、皮谷に近づこうとするカコにしがみついた。
優しかった母親の思い出が走馬灯のように蘇ったところで、彼女は呼吸を止めて倒れた。
皮谷は涙ながらに命乞いをしたが、当然受け入れられなかった。
そして後日、文化祭の会場にカコはやって来た。
29話
文化祭が始まり、教職員たちに注意事項が伝えられていたが、級に連絡の取れなくなった柴田と皮谷の行方はもちろん誰も知らず、不穏な空気が漂っていた。
冨山葵は、裕行への伝言を藤森が聞いてくれなったので、結局文化祭を訪れていた。
マスクで顔を隠して密かに彼と会おうとしていたが、すぐに藤森に見つかってしまう。
藤森は二人が別れて5年も経っているのに文化祭にかこつけて会いにきたのを嘲り、冨山を不機嫌にさせるが、自分は友達もいないしやることもないから一緒に見て回ろうと誘った。
すると冨山はあっさり同情してしまう。
そうして二人が一緒にいるところを、カコに目撃されていた。
田原は強引に生徒会の仕事を他のメンバーに押し付けられて、一人で放送室に篭っていた。
その彼女にカコは、柴田を装って美術準備室に来るようメールを送った。
30話
田原は準備室に向かう途中で裕行と鉢合わせてしまったが、変な噂が流れたせいもあって気まずく、柴田に呼ばれたからと、避けるように行こうとした。
無断欠勤している柴田からついさっき連絡が来たと聞いた彼は、柴田が何を考えているのか分からず戸惑うが、そこに藤森と冨山も現れて、田原は逃げるように行ってしまった。
一先ず二人になって話を始める裕行と冨山。
彼女が訊きたかったのは至極シンプルなことだった。
どうして自分じゃなくて美沙子を選んだのか?美沙子のどこが良かったのか?だった。
田原が準備室に入ってきて頼まれたプリントを探しに奥に進んだ直後、カコは背後から忍び寄って何かを嗅がせて気絶させた。
黒のロングのカツラとパンツスーツに着替えて変装し、冨山から奪った鍵を使って放送室に忍びこんだ。