
この愛は、異端17話18話
ネタバレ感想
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べリアルへの愛を自覚し、人としての生を全うしてから魂を捧げることに決めたよしの。
べリアルは契約抜きでよしのと共に生きると決め、その準備を進め始める。
その裏で、かつての部下を粛清するために天使ラファエルが動き出していた。
17話
よしのが契約を決め、べリアルが一時保留してアスモデウスに話を聞きに行ってから数日、クリスマス・イヴを迎えていた。
彼は朝早くからスーツを着込み、髪型をビシッときめて改まっていた。
起きたばかりの彼女に、学校が終わればメールをくれるよう伝え、午前中は役所に書類を提出したりと諸々の用事があるという。
そのためか、本名での呼び出しはできる限り控えるよう頼まれた。
出がけに後ろから抱きしめてくる彼。
クリスマス・イヴの朝から作る甘い雰囲気と特別感は、企みを成功させる布石だと彼女は思い、嬉しさを感じながらも籠絡されないように気を引き締めた。
彼が出かけた後によしのも部屋を出ると、最近よく見かける不吉だが懐いてくれる黒猫を見つけ、頭を撫でて癒されてから学校に向かった。
彼は役所でもらった書類を持ち、よしのの害を為さなかった親戚に署名を頼み、着々と準備を進めていた。
やがて陽が落ちて暗くなってきた頃、よしのは言われた通りに学校が終わったことを彼にメールしようとしていたその時、彼に勝るとも劣らない端正な顔立ちの外国人に目を奪われた。
そして名前を呼ばれて日本語で話しかけられたことから、彼の仲間なのだと気づいた。
べリアルと同じく、よしのの魂を美しいと評したこの男はラファエルと名乗り、べリアルの代理で来たからメールをする前について来て欲しいと口早に話し、よしのがベリアルの考えを読めぬまま、停められたタクシーに乗り込んだ。
着いた場所は、心霊スポットで取り壊し予定のホテルだった。
ラファエルに促されるまま建物の中に入るよしの。
暗く不気味な雰囲気に怖がっていると、ラファエルはパッと灯りを点けてくれて、さすが人ならざる者の聖夜の魔法のようだった。
そして彼の名を呼び召喚して欲しいと言われ、何の疑いも持たずに「ベリアル」と口にした。
直後、ベリアルが目の前に現れラファエルと対峙し、明らかに戸惑いの表情を見せた。
そこでようやくよしのも、何か騙されたのかも知れないと思い至った。
ラファエルが出て来たことにベリアルは緊張を隠せないまま意を決し、本来の白い美しい姿に戻り、天使のラファエルから離れるようよしのに言い含めた。
瞬間、よしのはラファエルに敵意を向けて距離を取った。
その行動に、ラファエルは信じられない気持ちになる。
よしのはベリアルの元に行こうとしたが、ラファエルが腕を掴んで引きとめ、この状況は両親から頼まれたものだと打ち明けた。
両親の名を出されたよしのは、明らかに動揺する。
死して魂だけとなってなお、娘を悪魔から助けるためにラファエルに会いに行き、全てを語った両親。二人は、毎年お盆になるとよしのを陰ながら見守ろうと会いに行っていたが、全てベリアルに追い返されていた。