
インフェクション98話99話
ネタバレ感想
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きららとのデートは、結果的にラブラブエッチで満足できた。
紗月とのデートは、目的を果たせずに癒されてから逃げ出した。
らぎ姉とのデートは、いつになるか分からなかった。
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98話
深夜の市街地。
元気に動いているのは蛆虫にまみれた保菌者だけのはずだが、走行音が限りなく静かな電気自動車が一台動いており、乗車している中の一人は堂々と動く自分たちに反応できない保菌者たちをバカにする言葉を吐きつけた。
後部座席の窓が開けられると、サイレンサー付きの銃口が彷徨するだけの保菌者に向けられ、いともあっさり頭を撃ち抜いた。
暗い中では大きな音がなければ自動車でさえ注意を払えない保菌者の残念な特性をバカにし、電気自動車の静謐さを緊張感なく持ち上げていたのは、蘇った天才の香里だった。
自衛隊員と天宮教授に鮫島、それに香里が乗った電気自動車は一台しかなく、平岡大学から必要物資を取りに行くこの作戦は失敗が許されない状況だった。
だからはしゃぐ娘を叱る天宮だが、香里に服従を誓った鮫島が邪魔をする。
平岡大学の敷地内に入ると、夥しい数の死体が倒れていた。
香里はさすがに神妙な面持ちになり、川内の壊滅と同時に圧倒的な数で襲撃されたここはどうしようもなく全滅したのだと説明され、せめてもの鎮魂に車内から頭を下げた。
しかし、下を向きにここに来たのではない。
ここにあるスーパーコンピューターと電子顕微鏡を使い、対保菌者装置の設計を完成させるために来たのだと改めて宣言し、負けられない戦いに向けて自分を含め鼓舞した。
ただ香里の中では、兄の蛍が考えている作戦よりも早く自分の手で解決したいと考えていた。
それは長兄がクズ以外の何者でもないことを知っているからで、例えもう何年も顔を見ていないとしてもそのまま一生顔も見たくないほど嫌っていたのだった。
そうして緊張感なく兄への怒りを表していたせいで保菌者を引き寄せ、発見に遅れてしまい、どこにでもいる少女のように悲鳴をあげてさらに引き寄せた。
香里は他の潜入犯を先に建物内に入らせると、外に止まり保菌者の群れに向き直り、迎え討つ体勢を取った。
どこにも武器らしいもを持っておらず、それでも問題ないと笑みさえ零し、手の平を振り下ろした。
なんてことはない少女の柔らかい手が、地面に下ろされただけだった。
なのに、地面からとんでもない風速の突風でも吹いたかのように保菌者が空高く舞い上がった。
上空に舞い上がった保菌者は為すすべなく地面に叩きつけられ、嫌な音が静かな夜空に響き渡った。
香里はそのまま保菌者を引き付ける役目を担い、天宮たちは物資を取りに走った。
自衛隊員は一体何が起こったのか理解できなかったので、天宮が丁寧に説明し始めてくれたが、一般人にはとうてい理解できない未来技術の話をしているようにしか聞こえなかった。
その頃、秋保の会議室内では不穏な空気が流れていた。
小早川に連絡された蛍の作戦を聞いた神城は、怒りを露にして声を荒げた。
遅れて来て状況が飲み込めず、戸惑う晴輝のためにもう一度作戦の概要が説明され始めた。
一言で言えば、隔離地域内にいる生存者を秋保に集める。それだけだった。
その居場所と探索ルートは蛍から提示されていて、晴輝たちがするのは助けに行くだけ。
今も生き残っている生存者なら秋保の守りを固める戦闘員としても十分計算できるので、内容自体は何も問題ないように思えた。
しかし、助けに行く生存者の中に受け入れたくない部類の人間がいるのが、神城の怒りの原因だった。
まず悪名高い暴力団事務所が救助リストの中に入っていて、受け入れればどう考えても秋保が混乱するのは目に見えていた。
それだけじゃなく、自衛隊駐屯地に潜伏しているアメリカ海兵隊も救助しろと指示してきているのだ。
元々仙台にいない米軍がいるということは、保菌者騒動の混乱に紛れて侵入し、保菌者や蛆虫のサンプルを自分たちの国に持ち帰ることが目的としか考えられず、それを最優先事項とする彼らと協力関係が築ける可能性がないのは明らかだった。
蛍の真意が読めず、敵として日本にいる海兵隊を受け入れれば秋保に何が起こるか分からない。
神城は助ける人間は選ぼうと提案するが、蛍のことを盲目的に信頼している小早川がすぐに否定し、蛍を疑うのは恥だと非難した。
仕方なく晴輝が、家族としても蛍はクズだと説明しようとするが小早川は聞く耳持たず、家族は理解し合えるものだという視野の狭い考えを押し付けて来た。
話は平行線になりそうだったが、ここを取り仕切っているテツは、ヤクザと米兵の持ち物と生活場所を管理することで救助することに決め、神城はそれ以上異論を挟まなかった。
そして、ここで晴輝も呼ばれたもう一つの理由があった。
蛍に連絡を取りたくても今は小早川に電話が来るのを待つしかなく、家族の晴輝から連絡を取って欲しかったのだ。
しかし晴輝は、家族でも嫌いな人間の番号は登録しないタイプだった。
だから、母親経由で訊こうとしたが話し中なのか繋がらなかった。
そこで、一緒にいるはずの紗月の母にもかけたが、そっちも話し中のようだった。
何回かけても繋がらず、埒が明かないので蓮華に番号を教え、救助隊の晴輝たちは明日に備えて休むことにした。
明朝、救助隊の準備が整い出発直前になっても、晴輝と紗月、二人の母親と連絡は取れなかった。
何か起こった可能性もあり、蓮華は外にいる協力者にも連絡を取ろうとしたが、その人物とも連絡が取れなくなっていて、蓮華にも意味が分からなかった。
晴輝は不安を残したまま、蓮華に後を託して車に乗り込むしかなかった。
その頃平岡大学では作戦が完了し、後は帰還するだけになっていた。
99話
救出作戦が始まった。
晴輝ら精鋭部隊と自衛隊、4台のバスで向かう今作戦。
まずヤクザ事務所を皮切りに各地で生存者を拾い、最後にアメリカ海兵隊を救出するシンプルな作戦だった。
戦力を鑑み、ルートを決めたのは蛍で、彼に心酔している小早川は盲目的に褒めちぎり、弟である晴輝にも素晴らしさを分からせようと笑顔をゴリ押ししてくる。
晴輝はただうっとうしくて完全無視を決め込み、連絡用のイヤホンを差し込んで雑音を遮断した。
消防隊の一人、精鋭部隊の隊長として彼は自覚を持ち、今作戦の役割はバスを護衛することであり、余計な敵を集めないよう槍で戦うことを伝える。
中には恐怖と緊張感で震えている者もいたが、隊長の彼はそんな相手の肩に手を置き、どこまでも落ち着いている様子で、戦う準備は十分にできていると励ました。
それらはこれまでの訓練で手に入れたものだった。
模擬戦で得た勇気。
訓練で得た力。
同じ悲しみと目的を持つ仲間たちがいれば、何も臆する必要はなかった。
それに、人類最強の神城がいるから、いざとなれば彼に任せればよかった。
そうこうしているうちに、最初の目的地であるヤクザ事務所に到着した。
淀川がドアを叩くが誰も出てこず、どうも様子がおかしい。
まどろっこしく時間を取られるのは愚策で、神城が勢いよくドアを蹴破って踏み込んだ。
すると、玄関には組員の死体が転がっていたのだ。
だが、保菌者に殺されたにしては違和感があり、まだ死んでそう時間が経っていないようだった。
その時、他の組員が奥から現れ、保菌者になっているわけでもなさそうなのにいきなり襲い掛かってきた。
もちろん、神城があっさり行動不能にした。
ヤクザたちは、あまりの恐怖から逃げるため、麻薬を使っていたのだった。
我を忘れ、快楽に溺れ、逸脱しすぎた者は殺すルールを勝手に決め、彼らなりの破滅に向かうしかない方法で生き残ろうとしていた。
テーブルに広げられた憎むべき白い粉。
晴輝は神城が猛反対していた意味を理解し、自分を好いてくれている女子3人がこのヤク中たちの毒牙にかけられるかも知れないと思うと、恐怖と苛立ちを感じ、改めて兄である蛍の真意を問い質したくなった。
その時、妙に冷静な口調を保っている人間が一人現れた。
麻薬に逃げたヤクザたちを擁護する穏やかな口調に、縋るヤクザたち。
神、人は弱い、創造、あるがままに・・・
宗教の教えを語る神父のフランシス・シャヴィウェルは、人類皆兄弟で救済されるべきみたいなことを言うが、彼の腕にもガッツリ注射痕があった。
そして、アーメンが木霊した。
気分が悪くなっただけの幸先悪さだったが、次の救出地に行くのを神城は楽しみにしているようだった。
それもそのはず、彼の空手の師匠が守っている場所で、自分の方が強いと自信を漲らせるが、その顔からは信頼感が溢れ出ていた。
馬活寺という寺だった。
超人級に強い感染者を相手にして笑いながら屠っていく彼は、県内随一の強さを誇る空手家の轟豪山という男だった。
まるで悲壮感がない濃すぎる彼を筆頭に、門下生と近所の人たちが合流した。
次は空気が綺麗そうな立地にある、ホスピスだった。
死を穏やかに待つ施設なだけあって、今まで戦っていたのはたった一人の男で武器も一つだけだったようだ。
その男は、アーチェリー選手の山田博文で、彼もまた落ち着き払った様子の曲者風で、一緒に患者たちと職員が合流した。
次に向かったのはゴルフ場だった。
コースに近づくにつれて焦げ臭さが漂ってくると思ったら、コースのそこら中に重機で穴が開けられ、その中で大量の保菌者が焼き殺されていた。
罠を仕掛けてこの場所で生き抜いてきたらしく、それらを指揮したのは歴史に造詣の深い明石光子と、重機を操れるらしい土木女子の関三枝子だった。
ここでは、笑顔が怪しい二人とゴルフサークルの女子大生たちが合流した。
ヤクザの影が薄くなるほど濃いキャラしかいなかったことに晴輝は驚くが、死地を生き抜くくらいだから濃いのは当たり前だと言われれば、それもそうかと納得しそうになる。
ただ、安全地帯を作って守りを固めもせず、幼馴染みを助けるために死地を潜り抜けてきた一高校生の晴輝も、一般的に見れば十分濃いキャラの一人だったが、彼は一緒にされたくなかった。
そして秋保では、追い詰められた紗月が麗を追い詰めようとしていた。
仕事もせずに子持ちの彼女をストーキングし、情報を引き出すまで意地でも付きまとう意思を言葉にする紗月は、ジワジワとヤンデレ成分が高まっていた。
感想
インフェクション98話99話でした。
香里がチート級のなんでもあり状態になったのは如何なものかと思いますが、まあ鮫島がおもしろくなったので良しとしましょう。
蛍の真意、母親二人に何が起こったのか、高木が関係しているのか、エロからまたシリアス系にシフトしてきましたね。
https://kuroneko0920.com/archives/45368