
夫のちんぽが入らない
1話2話3話ネタバレ感想
夫のちんぽが入らないの漫画最新話と最終回まで、最新刊ネタバレと感想、あらすじ、エロ画像、結末、漫画を無料で読める方法を紹介。
こだま氏の私小説をコミカライズした話題作。
作画はR-中学生や水色の部屋のゴトウユキコ。
堂々と「ちんぽ」と明記する私小説の内容とは、一体どんなものなのだろうか。
1話
ベッドのシーツが鮮やかな血の色に染まっていた。
その血は女性の股座から流れていて、傍には男が一人、項垂れて座っている。
初体験の気だるさか、暴力を受けたのか、女性はフッと目を閉じた。
バブルの残滓もない1998年の春。
田んぼと畑と山しかないような田舎から一台の車が都会目指して出発し、後部座席には眼鏡をかけた若い女性が座っており、トランクや隣のシートには大きなダンボールが積み込まれていた。
着いたのは双葉荘という年季の入ったアパートだった。
彼女の母親があまりのボロさに驚いていると、大家のお婆さんが出迎えに出て来た。
彼女は今日から文志大学の新入生として、ここで暮らし始めるのだった。
軋む廊下を奥に201号室へ。
我が城になる部屋は窓のたてつけも悪く、畳は体重をそのまま受け入れて凹んだ。
父親はこんな部屋で心配するが、彼女はどんなところでも気にしなかった。
気にしないというより、故郷の田舎から抜け出せるのなら耐えられようというものだった。
そして涙々の別れもなく、両親を見送った。
一人になり、荷物を開け、カーテンを取り付けているとまた床が軋む音がしたが、それは自分ではなかった。
知らない男が当たり前のように無断で入ってきていた。
新しい入居者がくると知っていたらしい彼は平然と、これも当たり前のようにカーテンを取り付けてくれた。
彼は一応自分と同じ大学なのを確認し、出て行ったかと思うとすぐに大量の教科書を持って戻って来た。
彼は二年生らしく、新入生が買わされる教科書を気前よく分け与えてくれた。
突然の親切に面食らいながらも彼女は感謝する。
しかし、また当たり前のようにダンボールや冷蔵庫を漁り、勝手にお茶を取り出して寝転がり、野球中継を観始めた。
後輩だからなのか、初対面の距離感もなにもなく好き勝手に振舞う図太さに驚くが何も言えず、彼のトレーナーに書いた英文を心の中でツッコムことしかできない。
彼はまた突然に名前を訊き、先に倉本と名乗った。
彼女は神社の鳥居だと名乗り、彼は一人合点する。
彼女は緊張と驚きで正座していたが、名前を名乗り合ったことで足を崩した。
野球中継が終わると彼はお茶を手放さずに部屋をお暇しようとしたので、彼女は当然一言注意するところで声をかけ、この辺にスーパーがないか訊ね、明日連れて行ってもらえることになった。
これから一人で生活していかなければならないのだから必要な情報だが、彼女はただもっと彼と一緒にいたかっただけだった。
翌日、約束通りスーパーに連れて行ってもらった帰りに例の古本屋や商店街をざっと案内してもらった。
その夜、ドライヤーで髪を乾かしているとまた彼が勝手に上がりこみ、鍋焼きうどんを食いに行くぞと強引に連れ出した。
彼女はそれにも驚いたが、夜の街に出て、多くの店がまだ灯りをつけているのにも驚いた。
向かい合ってうどんを食べながら、彼は自分で学費を稼ぐためにバイトを掛け持ちしているのだと教えてくれた。
代わりに彼女は誰かと買い物などしたことがないと打ち明けた。
当然、どんな場所でどんな生活を送ってきたのか知りたい好奇心を刺激することになり、誰にも言わないよう念を押して彼女は故郷の地名を耳打ちした。
すると彼はくそ田舎だとバカにして笑い出した。
テーブルをバンバン叩き、あんなものやこんなものがあるか?と容赦なくバカにし、真っ赤になって俯く彼女に構わず大いに笑い続けた。
一緒にうどんを食べ、一緒に帰り、当たり前のようにまず彼女の部屋に帰ってくつろぐ彼。
すると彼は、今夜はこっちの部屋で寝ていいか?と訊いてきた。
何もしないからと言うので彼女は受け入れたが、内心、何もしないわけがないだろうとも思っていて、布団に落ちていた陰毛をバレないように拾った。
彼は自分の部屋から布団を取って来るようなことはせず、彼女の布団に二人で潜り込んだ。
彼女は時計と心臓の音が妙に大きく聞こえるのを感じながら背中を向けていたが、お尻に彼の手が触れて、期待と緊張が極限まで達した。
しかし、後ろから聞こえてくるのは彼の寝息だった。
本当に何もしないのも、それはそれでどうなのかと思ったが紳士的なのかとも思う。
でも、盛り上がっていたのは自分だけなのかと思うと恥ずかしさもこみ上げた。
次の日も二人で買い物に行き、メロンパンを齧りながら家路を歩いた。
昨夜の彼の寝顔を思い出してドキドキしていると彼が振り返り、「付き合ってもらえませんか?」と、突然敬語で頼んできた。
彼女は彼の真意が分からず、どこかにおでかけしたいのかと思い、訊き返した。
さすがに愛の告白をスルーされるとは思っていなかった彼だが、本当にそういう意味だと気づいていないようで、もう一度言い直すのも恥ずかしく、今度は彼が顔を赤くする番だった。
それで彼女はようやく意味に気づき、夢のような心地ですぐに交際を受け入れたのだった。
部屋に帰ってから、ようやくお互いの下の名前を名乗り合った。
彼女はさち子。
彼は慎。
新生活を始めて早々に好きな人ができて恋人になれた幸せに舞い上がっていたさち子は、その夜のうちに処女を捧げようとしていた。
服と下着を脱がされ、裸同士でする初めてのキスは舌を絡め合う濃厚なものだった。
そっと押し倒され、乳首を舐められながら彼の手が誰にも触られたことのない股間の中に指が伸びてくる。
そして彼は十分に愛撫をしたと思い、勃起したちんぽを支えて挿入しようとした。
体位は普通の正常位だった。
彼はグッと腰を突き出し、彼女は身を委ねてちゃんと股を開いていた。
しかし、彼は彼女の中を感じられなかった。