インフェクション
104話105話ネタバレ感想

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高木の造反が疑われて監禁が始まる中、保菌者騒動が終わらない場合も考え、今までと変わらない防衛策を講じる。

そしてらぎ姉は晴輝に、プロポーズとも取れる提案を投げかけた。

 

104話

共に非日常を生きて欲しい

 

普通に聞けばプロポーズとしか思えず、晴輝もそう感じ、らぎ姉が肩から手を離すと戸惑いをごまかすように力なく笑いを零した。

 

らぎ姉の顔を窺い見ると、心からの愛に満ち溢れた笑顔を見せてくれていて、彼は抗う術もなく魅せられた。

 

 

迷う晴輝に、らぎ姉はもう一押しを仕掛けようとする。

 

普通の高校生とはかけ離れた仕事をしてみてどうだ?と訊かれた彼は、責任の重さからくるプレッシャーはあるが、人のために役立つ仕事を仲間とできるのは楽しいと正直に答えた。

 

 

それは、もっといい仕事がしたいと思える活力に変わる。

 

そう思えるなら、未開の地を切り開かなければならない時、先頭に立てる才能があるんだとらぎ姉は褒め称えた。

 

 

素晴らしい才能だと言われ、彼は素直に嬉しくなった。

 

この先も続く非日常に、身を置いておきたい気持ちが湧き上がってきた。

蓮華も褒めていたし、淀川からも信頼されている。

 

承認欲求をどんどん刺激していくらぎ姉は、彼と同様、将来どんな仕事をしたいか具体的なビジョンを描いたことなどないと打ち明けた。

 

祖父が敷いたレールに乗るのを拒否したが、今は自分ができることが分かり、それをしたいと思い、その隣に彼がいればこの上ない幸せだと押しに押した。

 

 

性欲とその場のノリで生きる高校生には戻れなくても、長い目で見た未来で誘惑するらぎ姉は、これはプロポーズだとはっきり言葉に出し、尚も一緒に生きようと誘い、才能を活かせるポジションを用意するともいう。

 

それには、彼は少し男のプライドからか受け入れるのを躊躇った。

 

 

しかし、らぎ姉は仕事を用意してあげる見返りはもらうつもりだから、何も心配することはないと微笑んだ。

 

その見返りは、性的欲求を満たしてもらうことだった。

 

あの夜を思い出し、頬を染めていやらしく微笑むらぎ姉に、彼は素直に興奮し、彼女と共に生きる最大の楽しみに期待が膨れ上がった。

 

 

しかし彼は、妄想と期待はその場だけのものに止める理性を消さなかった。

 

自然と持ち上がった口角と頭を下げながら謝った。

 

 

らぎ姉が提案してくれる未来には楽しさと幸せしか思い浮かばないが、やはり彼の中ではきららだけを選ぶと決めた決心が揺らぐことはなく、人としてこの提案は受けられないと答えた。

 

 

らぎ姉から笑顔は消え、しかし取り乱すことなく一呼吸置いて口を開いた。

 

彼の断る理由は尤もだと受け入れ、全て自分が悪いという彼の言葉を遮り、この恋の結末はあえて二股を望んだ自分が招いた結果でもある。

だから、確かにあった幸せを思い、ありがとうと感謝して終わらせた。

 

 

 

彼が帰り、一人になってもいつもの自分を保って大人顔負けに冷静でいた。

 

しかし、ジャケットを羽織ながらこの年齢にそぐわない冷静さは、こと恋愛において自分の悪いところだと後悔していた。

 

泣いて喚けば、彼の答えも変わったのかもしれない。

 

素晴らしい未来が待っているなどと背伸びした誘い文句など使わず、素直に「好きだ」と言えれば良かったが、彼の前ではまだらぎ姉を演じてしまっていたのだった。

 

 

 

その頃、彼もむせび泣いていた。

 

らぎ姉を好きな気持ちに疑いはなく、彼女を振らなければならなかった悲しみと同時に、彼女に演技させ続けて苦しめた最低さに、涙が溢れていた。

 

 

しかし、もう一人悲しませてこの辛さを受け入れなければならない。

 

人としてせめて普通に戻るため、彼女たちを好きになったことさえ後悔しながら、紗月に電話をかけた。

 

 

話があるから明日会える時間を作って欲しいと頼むと、紗月は僅かに考え、保菌者騒動が終わるかもしれない明後日の方が、人の注意がそっちに向いてゆっくり話せるから明後日にして欲しいと頼んで来た。

 

彼は暗い決意を抱いたまま、そうすることにした。

 

 

 

翌日も浮かれ過ぎることなく、今までと変わらない秋保の日常が過ぎていった。

 

不器用な女子大生たちの指示で防衛網を作り、神城の神の如きレッスンを受け、降り出した雨は翌日も続いた。

 

避難民たちは皆建物の中にいたので、午後の見回りは無しにして、晴輝は班員も国会中継を観れるように取り計らった。

 

 

部屋に戻ると香里から電話がかかってきた。

 

特に何かあったというわけじゃなく、大学の方でも皆がそわそわして研究どころではないので、一時休憩で連絡してきただけだった。

 

そして香里は、保菌者騒動が終わればちゃんと紗月に告白して付き合いなよ?と、兄を焚き付けた。

 

 

香里にしてみればずっと前から何度も言っていたことで、保菌者騒動の終わりはただ区切りがいいと思っただけだった。

 

兄も紗月と共に生きる未来を描いていたのは分かっていたし、お互いを幸せにできるのはお互いしかいないのは、間違いないと感じていた。

 

 

妹の指摘に、彼は否定できなかった。

 

 

そして、紗月と会う時間が訪れた。

 

 

105話

晴輝との電話を終えた香里は、一仕事終えたように溜息を吐いた。

 

 

人類を救うためのハードなスケジュールでの研究と、兄と幼馴染みの恋を後押しするキューピッド役

 

頼まれた通りに晴輝に電話をし、紗月の恋の後押しをやり遂げた香里は今度は紗月に電話をかけ、うまく揺さぶれただろうことを報告した。

 

香里にとっても紗月はもう家族みたいなもので、そのうち本当の家族になるだろうと思い、二人の仲にそこまで干渉してこなかったし、紗月も協力を求めてこなかった。

 

 

それが、この非日常の終わり間近になって急に協力を求めてきたのは、いよいよ幼馴染みの域から抜け出す必要性を感じたのだろうと思った。

 

 

紗月の恋は応援するが、兄の選択も尊重したい。

 

大切な二人の想いの間でジレンマに陥った香里は、こんな感情の問題も科学の力で誰もが幸せになれる方法はないだろうかと考えた。

 

今までならそんなことは不可能だと思っていただろうが、情報エネルギーという高次元の科学力を発見した今、保菌者騒動の後にそれに取り組もうと決意した。

 

 

 

約束の日が訪れた。

 

紗月は先に待ち合わせ場所のホテル内のホールで待ちながら、長い初恋に決着をつける時が来たんだと改めて思い、たくさんの思い出を振り返っていた。

 

 

とは言え、恋を叶えるために集めた情報を冷静に分析すれば、3人の中で一番勝ち目が薄いと言わざるを得なかった。

 

それもこれも一歩踏み出さなかった自分のせいでしかないが、だからこそ自分にしか関係を変えることはできない。

 

最早なりふり構っていられない。

 

一番長い時間一緒にいて、彼の内面を知っているのをアドバンテージにして、優しささえも利用してやると覚悟を決めた。

 

 

やるからには徹底的に。

 

命をかけて挑んだメットとの戦いを教訓に、隙のない作戦を構築し、事態の急変にも焦らず対応する。

相手はよく知っている晴輝なのだから、諦めなければ報われる。

 

最後には、「好き」と全てを伝える言葉を出せたら、きっと受け入れてくれるだろうと思っていた。

 

 

そして、彼がやって来た。

 

 

 

屋内に流れる小さな川と、そこに架かる橋。

 

それを間にして、二人は向かい合った。

 

 

覚悟を決めたもののどう見ても暗く沈んでいる彼の顔を見ると、緊張が高まりスッと言葉が出てこない。

 

 

取り合えず、二つの意味で終わりと始まりになるはずの今日が、土砂降りの雨になった話題を出すが、彼もそっけなく相槌を打つだけ。

 

紗月はもう回りくどくするのはやめ、伝えたいこと、伝えるべきことを言葉にしようとした。

 

すっ」とまで言い、後一文字のところで、彼が遮った。

 

紗月とは付き合えない」と。

 

 

 

先に話し出した彼女の言葉を最後まで聞かず、自分の言いたいことを先にぶつけた晴輝。

 

それも女関係が乱れた彼なりの誠意の見せ方だったが、一世一代の告白を遮られた紗月はパニックに陥っていく。

 

元の幼馴染みに戻りたいけど、難しいのは分かってる。

どう思う?

 

意見を求められても何を言えばいいか分からず、振った理由を訊かねばと思った。

 

 

彼は紗月のためにもと答えようとするが、彼女にとってはおためごかしの取り繕いにしか聞こえない。

 

 

きららとらぎ姉の二人と付き合っているのに、自分だけそこに加われないのは納得できなかった

 

 

嫉妬と疎外感と誤算で、考えるより先に言葉が口をついて出てしまう。

 

ここで彼を責めても苦しめるだけで、今言うべきはうず高く積もらせた想いを伝えることだと分かっているが、考えがまとまってくれない。

 

 

気づけば、彼の言質を取ろうとしていた

 

あの二人と比べて好きじゃないわけじゃないと言わせ、自分だけスッキリして都合のいい関係を再構築しようとしていることを詰った。

 

 

彼が求めていない答えを言おうとすればすぐに遮り、あの二人と比べてどうなのか再度問い詰める。

 

 

もちろん彼の中で紗月はかけがえのない大切な人で、それはこれまで通り変わっていない。

 

 

しかし、同じくらい大切な人にきららとらぎ姉が変わったのだ

 

 

自分は唯一だが、こと恋愛においてそうではなくなった。

 

それをはっきりと突きつけられた紗月は、悲しみと苦しみで嗚咽を漏らし始めた。

 

 

そうなれば綺麗な言葉でじわじわ切り崩していく作戦などどこかに吹き飛び、ひたすらに彼のだらしなさを責めることに必死になっていた。

 

 

ただの罵詈雑言の嵐だった。

 

愛が憎しみに変わったのか、いや、彼を傷つけたいわけではないし嫌われたくもないが、いつか手に入ると思っていた未来は消えうせ、恋が終わったのだと悟り、彼にどう思われるのかを優先できなくなっていた。

 

 

叫びに叫んだ紗月は最後に「大嫌い」と吐き出し、完全に恋を終わらせた。

 

 

 

土砂降りの雨の中に飛び出し、デートの時はキラキラして見えた風光明媚な景色が暗く淀んでいるように見える。

 

それは雨のせいだけではなく、最大の希望がなくなったからなのが大きかった。

 

 

膝をついた紗月は、雨音を切り裂くほど泣き叫んだ。

 

 

そして彼も、頭を抱えて泣き震えていた。

 

 

感想

インフェクション104話105話でした。

らぎ姉は完全に振られてしまいましたか。

一番エロ可愛かったので推していましたが、素直になれなかったのも彼女らしくて悪くなかったです。

紗月には幸せを掴んで欲しかったんですが、一生モノの失恋でさせられて悲しいです。