エロスの種子9話
ネタバレ感想

エロスの種子の漫画最新話と最終回まで、最新刊ネタバレと感想、あらすじ、エロ画像、結末、漫画を無料で読める方法を紹介。

 

多くを失わせる戦争の真っ只中、一番のあおりを食うのはいつも子供や力のない女たち。

権力を持った男の身体を許し、どうにか生き延びる道を得ていた千代は、しかし子供の底知れない恨みを知らぬうちに買ってしまい、その命を落とすことになった。

 

9話

昭和20年の戦地ラバウル

 

死屍累々の地獄絵図の光景が広がっていた。

 

 

徴兵で召集された菅原は、戦友の玉井の最期の言葉を聞かされようとしていた。

 

時は移動しなければならない日暮れ時だったが、玉井は動くことはできず、最早痛みも遠のいていて、己の死を覚悟していた。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号

 

 

そして、自分の指を切り落として帰りを待っている妻に届けて欲しいと懇願した

 

 

妻の鈴子との約束。

身体の一部になってでも、必ず帰ると。

 

菅原からも虫の息に見えた玉井の願いを叶えるため、小刀で小指に刃をあてがった。

 

だが、それではないという。

送り届けるなら、何度もかき回して悦ばせてきた中指を持っていって欲しいらしい。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号

 

 

それは夫として男としてのせめてもの誇りであり、妻への愛だった。

 

そして菅原は、死地を共にここまで潜り抜けてきた戦友の中指を落とした。

 

 

 

同年9月。

菅原は玉井の願いに沿って浦和にいた。

 

玉井家を訪ね、未亡人となった鈴子に腐っている中指を渡すと、彼女はそれを握り締め、戦死公報も信じずに待ち続けていたのだと打ち明け、突きつけられた夫の死に涙した。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号

 

 

悲しみは悲しみだけに留まり、最期を看取った菅原には、せめて一宿一飯で恩に報いようとする。

 

農家をしているおかげで遠慮はいらないと言われ、タイミングよく鳴った腹の虫に救われ、菅原に断る理由はなくなった。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号

 

 

ただ、夫を心から思う鈴子を見ていると、自分が惨めな境遇であるのを思い知らされて辛かった

 

 

玉井宗太郎と同じく妻を待たせていた身であったが、いざ生還して家に帰ってみると、妻は待ってなどおらず、兵役を免れていた弟とデキていた

 

ただそれは、二人が菅原の留守を狙ってした許しがたい不貞行為とは言い切れなかった。

 

 

菅原家にもまた、戦死公報が届いていたのだ

 

長男の死を知った父は止むを得ず、菅原家を途絶えさせないため、身寄りがなくなった嫁に居場所を与えてやるために、二人にくっつくよう促したのだった

 

切実な父の願いと謝罪、妻のお腹に子供がいたことで菅原は身を引くしかなかった。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号

 

 

 

鈴子は十分に豪華な夕食を用意してくれた。

 

ありがたく奥さんと呼んで感謝し、手を合わせると、鈴子は未亡人なのを呼ばれるたび自覚させられるのは悲しいからと、鈴子と呼ぶよう頼んだ

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号

 

 

農家なだけあって、家も広く立派だった。

 

ここには舅と二人で暮らしているらしく、菅原は突然の泊まりに心配するが、舅はおそらく今夜も飲み明かして帰ってこないだろうという。

 

それに、息子の最期の言葉と身体の一部を届けてくれた人なら歓迎するだろうと言われ、菅原はようやく心が温かくなることができた

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年7号