
終末のハーレムファンタジア
3話ネタバレ感想
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アウレリアを連れた駆け落ちはその夜のうちに終わり、自分の無力を思い知ったアルク。
父親にも八つ当たりし、メイドたちにも心配をかけ始めた矢先、どこからか現れた黒エルフのラティにムッチリした身体を押し付けられながら唇を奪われた。
3話
お仕置きの幽閉は許され、今まで通りに父親と一緒に食事を摂るようになっていたアルク。
しかし、まだ父親の方はこっぴどく叱りつけたことを悔いているのか、息子をチラチラ見て蟠りを残している様子だった。
アルク自身は皿の方だけ見て黙々と食べていて、控えるメイド3人組は何ともいえない感じで顔を見合わせた。
次に運ばれてきた皿には、たっぷりのレバーが盛り付けられていた。
それを見たアルクは、またレバーかと、溜息を吐きたくなった。
だがこのレバーメニューは、アルクの要望でもあった。
だから、察したウェンヌが手付かずの皿を下げようとしてくれても、それに甘えることはできなかった。
苦手なレバーを率先して食べるようになったのは、黒エルフラティとの約束を守るためだった。
腕と足にカバーをつけただけの逆にエロい半裸のラティが提示した約束の一つ目が、頑健な身体作りだった。
アウレリアを助けるため、マハトという力を得るにはたくましい身体が必要で、肝を摂取する食生活が必要だと言われたのだった。
全ては愛する人を守れる力を手に入れるため。
アルクは苦手なレバーにフォークを突き刺し、次々に口に運んでいく。
せめて苦痛を味わうなら一度で済ませようと一度に全部を口に放り込み、水で流し込んで飲み込んだ。
かつてなく頑張るアルクを見たメイドたちも、驚きを隠せなかった。
身体作りには、魔力も高めなければならなかった。
一日の終わりの寝る直前、アルクは自室の机をガタガタと動かし、隠してある床下収納庫からささやかな飾りが施された小箱を取り出した。
中には粉が入っていて、それがグラスに入れた水にしっかり溶けていくのを少し待った。
その粉は、ラティからもらった魔力を高められるマンドラゴラを乾燥させたものだった。
怪しすぎる粉だったが、愛する人のためと思えば飲まない選択肢はなかった。
覚悟を決めて一気に流し込むと、レバー同様、とてもおいしいとは言えない味が口の中に広がって顔をしかめずにはいられない。
すると、飲み干した直後、心臓がドクンと跳ねたように息苦しさを感じ、身体が熱くなってくる。
それは一気に血流が活性化したからか、何も興奮するようなことを考えてもいないし自分でいじってもいないのに、あそこがパンツを突き破らんばかりに怒張したのだ。
魔力を高めれば精力も高まるのかと思った直後、何者かがドアをノックした。
部屋を訪れたのは、少し頬を染めた実力のないマッシュルームカットの騎士だった。
こんな夜更けに主の部屋にやって来た理由は、男同士として失恋したばかりのアルクを慰めるためだった。
持参したスクロールを広げてみると、そこに描かれていたのは女性の裸体だった。
せめてこの見目麗しい素晴らしい女体でアルクが元気を取り戻してくれればという、健気で下世話な忠誠心だった。
しかし、ガチガチに怒張している今のアルクだからこそ、そんなものを見せられては堪ったものではなかった。
だから受け取るわけにはいかず、さっさと追い出した。
なぜなら二つ目の約束が、一年間射精しないことだったからだ。
女とヤルのは言わずもがな、自慰で放出するのも許されていなかった。
年頃の男子には何よりも辛いだろう我慢を強いられたアルク。
肝と魔法の粉で今までより性欲が漲っているというのに、それをどこにも発散できないという地獄の苦しみ。
しかし、シーツに包まって身体を丸め、アウレリアを感じられる血のついたハンカチとバングルを握り締め、とてつもない誘惑に抗い続けた。
自慰を我慢するために有効なのは、逆に愛するあの子の名を呟いて自制心を維持すること。
そうしてゆっくり湯に浸かっていると、背後に何者かの気配を感じ取った。
静かにしとやかにアルクのお風呂タイムに乱入してきたのは、まだ若い次期当主を恋慕っているウェンヌだった。
前は一応隠すことは隠しているが、薄い布はぴったり肌に張り付いて身体のラインが露になっている。
だから、湯を浴びれば更にぴったり張り付いて、魅惑の突起部分や下半身の茂みが透け透けになるのは必然。
さすがにアルクも釘付けになってしまった。
薄い布一枚なんていう全裸よりむしろエロい格好で背中を触られたら我慢できる気がせず、アルクは背中を向けて拒否するが、ウェンヌは構わず彼の背中にたわわな胸を押し付けた。
射精を我慢しているのを知っているのか、怒張している股間に手を伸ばし、主人に尽くすべき柔らかな手でご奉仕しようとした。
しかし、射精するわけにはいかないアルクが乱暴に振り払うと、まだ少年の域を出ない彼より身体は大きいが、ウェンヌは簡単に突き飛ばされてしまう。
したたかに尻餅をついたウェンヌは小さく悲鳴をあげ、アルクはやり過ぎたと思って寄り添い、すぐに謝った。
ウェンヌは平気だと言ってくれるが、強く拒否されて涙が止められなかった。
今までこんなことをしてきたことはなかったのに、このタイミングで誘惑してきたウェンヌが何を考えているのか解せなかった。
すると、ウェンヌは真っ赤になりながらあっさりと真相を白状してくれた。
アルクはウェンヌをけしかけた父親の部屋に怒鳴り込んだ。
仕事をしていた父はいきなり怖い顔をした息子が入ってきて驚き、すぐには何を怒っているのか分からなかった。
しかし、ウェンヌの名前を出されると、ああと思い出し、それなら別に大丈夫かなという感じであっさり認めて苦笑いを見せた。
人知れず禁欲生活をしているアルクは、なあなあで済まされるわけにはいかず、キツく続けようとしたその時、父がしている書類仕事が目に入った。
それはユーダー商会との契約書らしく、毛織物の税を減税してくれるようしつこく頼まれているという。
父としても手広くやっているユーダー商会には便宜を図ってやりたいが、特別扱いすればいい結果にならないのは容易に想像できたので、弱っていたところだった。
ユーダー商会の長がまだ若く、商会業界から孤立しかけていると聞いたアルクは、ユーダー商会との取引を自分にやらせて欲しいと持ちかけた。
名実共に大人になるために、領国経営のノウハウを身につけ経験を増やしていきたいとの理由を話すが、他に真意がありそうな感じだった。
ただ父は息子の変化には気づかず、しばし考えを巡らせて、息子の提案を受け入れたのだった。
その流れで、しっかり結果を出した暁には、メイドじゃなくても東方の奴隷娘でも買い与えてやろうとご褒美をチラつかせるが、禁欲しなければならないアルクの機嫌を損ねただけだった。
従姉妹との恋愛がトラウマレベルで終わったことで、息子が女嫌いになったと心配する父だった。
アルクは三つ目の約束の内容を聞いた時、資金が必要になると考えた。
父から仕事を与えられたアルクは夜な夜な馬を駆り、おどろおどろしい雰囲気が漂う森の中にある洞窟に足を踏み入れた。
その洞窟は雄大な景色を見晴るかす高台まで抜けることができた。
アルクは高台まで抜け、風に吹かれながら愛しの君の名をまた呟いた。
彼はそれからもラティとの約束を守り続けた。
苦手な肝を定期的に食らい、不味すぎて吐き出したくなるマンドラゴラの粉を毎夜流し込み、それで高まった性欲は自らの手で発散することもなく、ウェンヌじゃなければいいと思ったのか、父がけしかけた他のメイドたちの誘惑も拒み続けた。
もちろん食って飲んで禁欲するだけで強くなれるとは思わず、剣の稽古にも精を出すようになった。
言われずとも稽古するようになったアルクに、セリーヌは微笑ましい目を向け、彼が一息ついたタイミングで声をかけた。
セリーヌの服装は今までとそう変わらない露出度の高い格好だった。
今までなら大して気にもならなかったが、いつ射精してもおかしくないくらい我慢している今のアルクにとって、今更ながら刺激が強すぎた。
彼の頑張りに感動したのか、失恋のショックがそうさせていると不憫に思ったのか、セリーヌは悩ましげに眉を下げ、労うために採れたての桃を進呈した。
アルクはできるだけセリーヌの方を見ないようにして、素っ気無くバスケットから桃を一つ手に取った。
そして、桃を見た。
それが、尻に見え、煩悩を振り払おうと頭を振り、皮のまま齧り付いた。
肝、粉、禁欲、剣の稽古に励む日々はどんどん過ぎ、季節は蝉の声が耳を劈く夏になっていた。
上半身裸で剣の稽古をしているアルクに付き従う、一度誘惑を拒否されたウェンヌ。
スタンバイしている濡れタオルを取った彼の随分たくましくなった身体に言及すると、彼は満更でもなさそうに訊き返した。
アルクが足を踏み入れた洞窟の奥。
その一画だけ、しっかり整備されて祭壇が設えられていた。
その上で胎児のように全裸で身体を丸めていたラティは、黒い卵のようなものを両手で優しく包み込んでいた。
そしてある時、卵の中からコツコツと雛が嘴で突くような音が聞こえてきた。
直後、ラティは瞼を上げ、黒い卵を高々と天に向けてかざした。
神々しい光を放つようでさえある黒い卵は、更に激しく揺れ始める。
子宮が疼いたラティは股間に指を伸ばしながら、舌なめずりをしてもう少しで来るだろうその時を待ちわびた。
感想
終末のハーレムファンタジア3話でした。
アルクは鉄の意思を持ってましたね。
全裸より逆にエロいウェンヌを撥ね退け、フル勃起した状態で他のメイドのご奉仕も拒み、常にエロい格好のセリーヌのエロさに気づき、桃で妄想するほどなのに、射精しない強さには脱帽です。
三つ目の約束はまだ明かされてないですが、金が必要なこととなると、仕事を手に入れたことと繋がるんでしょう。