
たとえ灰になっても
47話48話49話ネタバレ感想
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心理戦の要素が強かった裏切りござれの鬼ごっこが終了。
最終的に鬼のままゲーム終了を迎えたのは、姫蘭、沙羅、カエデの3人。
罰ゲーム執行人のシロエルが降臨し、彼女たちに残酷なる死が与えられようとしていた。
47話
暗雲垂れ込め雷鳴響く空から舞い降りてきたのは、クロエルの髪をロングにし、服を白に変えただけにも見える神の御使い見習いのシロエルだった。
参加者たちはシロエルを初めて見るので、クロエル以外にも天使がいることにまず驚いた。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
シロエルは正義の味方のように、ノリよく地面に降り立った。
しかし、見た目の可愛らしさに反して着地の衝撃は凄まじく、地面が砕け散った。
カエデは二人の天使のネーミングがまさか服の色からきているのかと心配になりながら、一回戦はAグループ同士だった沙羅に、殺された二人にも申し訳ないし、これでAグループは全滅かと話しかけ、沙羅も同じ思いを返した。
カエデは死ぬのが怖いだけで、現世の生活に未練はなかった。
だから今、せめて大切な相手である四宮良真ことユキを助けられたことに、わずかながら自分の人生に価値を見出していた。
ユキを良ちゃんと呼び、彼の幸せを願ってピースサインを送るカエデ。
しかし、ユキはカエデが自分と関わりのある誰なのかは分からず、優しい眼差しに戸惑うばかりだった。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
もう一人の敗退者姫蘭は、残酷なる死が間近に迫っているのに薄ら笑いを浮かべているカエデに内心で毒づき、恨み言をぶつけ、しかし、シロエルが降臨したのを見て死を覚悟せざるを得なかった。
どうせ死ぬしかないのなら、残酷なる死を執行される前に自ら命を絶ち、少しでも尊厳ある死で終わらせたいと考えた。
そして姫蘭は勝ち残った参加者に向け、本名を名乗ろうとした。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
それはまさに、姫蘭の最期の魂からの叫びになるはずだった。
しかし、名前を言おうとすると喉に何かつっかえたようにその言葉だけが出てこない。
抜け目ない残酷なる天使は用意周到だった。
ゲームが終了し罰ゲーム執行が決まった段階で、自ら名前を名乗って自殺できないよう、仮の身体に制限をかけてあったのだ。
人が苦しみ、泣き叫ぶところが見たいクロエルが、最高の楽しみを台無しにしてしまうようなミスをするはずがなかった。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
もちろん、他者にどこの誰か悟らせるような個人情報も言えなくなっていた。
姫蘭は誰でもいいから名前を言ってもらうしかなかった。
自称大人気アイドルを名乗り、それを誇りに、誇りをかけてスターダムを駆け上がるために他人を騙して現世に戻ろうとした。
知っているのか知らないのか、誰も姫蘭の本名を呼ぶことは無く、最後の希望が叶えられることは無かった。
姫蘭が絶望していく表情を堪能したところで、クロエルは処刑執行の舞台を出現させた。
地中からぶっとい柱が何本も現れ、瞬く間に建物ができあがっていく。
完成したのは、ローマのコロッセウムを思わせる円形闘技場だった。
これから行われる処刑も当時のコロッセウムと同じ、姫蘭が奴隷剣闘士となり戦わされる格闘地獄だった。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
相手はもちろん、処刑執行人のシロエル。
ただ、まだ姫蘭には生き残る可能性が残されていた。
シロエルはクロエルのようにいくらでも分身があるわけではなく、この格闘地獄で返り討ちにしさえすれば残酷なる死は免除されて次に勝ち上がれるという。
目の前のシロエル一体を殺せば、シロエルはそれで終わる。
戦闘用の多種多様な武器もあり、動きやすいように盾付のビキニアーマーにも変えてもらい、姫蘭が勝てる準備が十分に整えられ、格闘地獄の幕が上がった。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
いきなり生き残る可能性を提示された姫蘭は戸惑い、クロエルがまた何か企んでいるに違いないと思わずにいられない。
それでもチャンスがあるのなら行動あるのみ。
傍にあった機関銃を手に取り、とにかく乱射しまくった。
当たる当たる銃弾の雨あられ。
現世でやっていたサバゲー知識に感謝しつつ、本物の銃を撃ちまくれることにテンションが跳ね上がり、シロエルを蜂の巣にしていく。
しかし、ナイフで簡単に血を噴き出したクロエルと違い、シロエルの肌は弾を弾き返していた。
シロエルは表情も動きも一々可愛かった。
ただ、クロエルとは違うタイプの悪魔のような天使シロエルの身体の強度とパワーは戦車以上で、ただのグーパンで姫蘭は首が捻じ切れそうになるほど衝撃を受け、歯も吹き飛んだ。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
腕がもげた痛みにも立ち上がったとはいえ、頬に食らった衝撃で歯が吹き飛んだ痛みはまた別物だった。
それでも無防備に倒れている場合ではなく、追撃してくるシロエルの一撃を盾で防御しようとしたが、まるでクッキーのように盾を破壊され、フルスイングハンマーのような重たい一発がアバラ骨に食い込んだ。
今度はアバラ骨が粉砕された。
そんなところをやられたら呼吸するだけでも苦しく、痛みに喘ぐとまた痛みが走る。
姫蘭は痛みに喘ぎ、クロエルはシロエルを優しいと評し、シロエルは悲しそうに姫蘭を見つめる。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号
人間を愛し、慈しんでいる優しいシロエルは語る。
人間の命は脆く儚く、壊れれば二度と戻らない。
短く限りある命だから少しでも長く生きたいと願う気持ちを汲んであげたい。
そう言ったシロエルの、早く死んだ方がマシだと思えるじわじわボコボコにされる刑が本格的に始まろうとしていた。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年16号