
インフェクション
110話111話ネタバレ感想
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蛍を手玉に取るように、国会議事堂と議員会館が爆破され、国会議員たちの生存が絶望的になった。
残されたのは、野心がない金平のみ。
しかし蛍はそんな金平の奥底に沈む真意を掬い上げ、総理大臣足る気概を持たせたのだった。
110話
金平のスピーチは良い方向に影響を与えたようだった。
最初彼がカメラの前に出て来た時は相変わらず人望のない議員でしかなかったが、熱を持った言葉の数々でデモの人々も励ましの言葉をかけた。
ニュースキャスターはあくまで彼の行動を客観的に見て、意見を言うが、個人的にも支持したいとのコメントで締めた。
箍が外れてチャラ男になった晴輝は、日本が追い詰められているとも知らずに紗月を抱きしめ続けていた。
その時、電話がかかってきたので身体を離し、紗月は出たほうがいいと促すが、彼はまるでキュンとしないクサイ台詞を恥ずかしげもなく放った。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
そうこうしているうち、着信は切れてしまった。
しかしそれは相手が切ったからではなく、急に圏外になったからだった。
紗月はややこしくならないようにと思って彼の部屋のシャワーを貸して欲しいと頼み、当然彼は誘っているのだと思って快諾した。
ホテルに帰る道すがらも紗月にそのつもりなのを確かめようとするが、今のクズチャラ男の彼に貞操を捧げるつもりのなかった彼女は完全否定する。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
惚れた腫れたの告白までした男の部屋に行くのだから、それは通じないと笑顔を振りまく彼。
しかし紗月は、きららに余計なことを思われたくないだけだと何度も説明。
クズもクズで、女の子大好きエッチ大好きを隠さなくなった彼は、じゃあ胸のサイズを確認させてもらうと言い出し、いい加減紗月はキレた。
クズになったことを心底楽しんでいるように見える彼。
香里の名前を出されても陽気さを保ち、何が何でも紗月をその気にさせようとただ幸せにしたいだけなのだとひまわりのような笑顔を見せてくる。
それにはなんだかんだ言いながら、紗月は心が揺れた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
それでもなびくことはしなかったが、彼はまだグッとくるだろう台詞を考えていた。
それはこのやり取りが、まだ紗月の父が生きていた頃の強気な彼女としているようだと伝え、本当に幸せだった頃を思い出させようとした。
紗月はそれもポーカーフェイスで受け流し、キスもしてあげないし、元のまともな人間に戻らないと好きになることはないと言い返した。
紗月はバスルームに入り、そして彼はテレビをつけてニュース速報を観た。
紗月は強気に言い返し続けていたが、急に彼が三股上等のチャラ男になったことや、勢いでキスまでしてしまったことに混乱していた。
三股なんて絶対あり得ないとは思えていた。
妹扱いしていたくせに、いきなり女扱いしてきたのも納得できなかった。
しかし、あのいやらしい目線にはゾクゾクしていた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
自分の中に目覚める抱かれたいという気持ちは否定できないが、抱かれるのは以前の彼に戻してからだと気合を入れ直す。
エロい目で見られるのはそれはそれで恋愛対象になったのだからOKで、後はクズチャラ男を治せば万事解決。
また自己暗示をかけて臨戦態勢を取り戻した。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
その直後、彼に呼ばれてドアを叩かれ変な声が出た。
緊急事態だと理解した彼は消防服を着込み、これから会議に向かうところだった。
紗月には風呂から上がり次第さっさと部屋に帰るよう言い置いてから、チャラ男モードでなく怖いほど真剣な顔つきで口説きの一言をかけ、蓮華と共に慌ただしく出て行った。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
会議室に向かいながら、彼はテレビ中継でざっとしか理解していない現状を教えてもらうべく蓮華に詳細を訊ねるが、全体的なブレーンであり常に冷静沈着だった彼女があからさまに焦りを見せ、エレベーターを待つことさえ、落ち着いてできないでいた。
彼はチャラ男になったことで、逆に子供っぽさが消えて頭の回転が速くなっていた。
ボタンを連打する蓮華の腕を止め、深呼吸を促して落ち着きを取り戻させ、あなたが一番落ち着くべきポジションにいるんだと伝え、自尊心さえ刺激してモチベーションを上げさせた。
蓮華は言われた通りに呼吸を整え、一回エレベーターを見送る間に現状を伝え、蛍の動き次第で自衛隊突入のタイミングが決まると見解を話した。
そしてもう一つ、重大な問題が起こっていることを共有した。
それは、電話やインターネットが使えなくなったのは犯人側の攻撃に違いないことだった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
隔離地域の基地局が破壊されたと思われた。
彼は瞬時に考えをまとめ、テレビが無事ならラジオも無事の可能性が高く、アマチュア無線なら外部と連絡できるだろうと推察した。
衛星電話も使えるものがあったはずだと言ってから、今度は山田に連絡を取り、大学生コンビと一緒に会議室に来るよう簡潔に伝えた。
蓮華は人が変わったようにテキパキと指示を出す彼を、驚きの目で見た。
リーダーとしての風格が高校生とは思えないレベルで急に備わったのに戸惑うが、彼はまた蓮華さえも落とそうとするかのように胡散臭い笑顔を見せて答えた。
そして情緒不安定かメリハリがあると言えばいいのか、また怖いほどに真剣な顔で会議室に急いだ。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
先に淀川、神城、らぎ姉が到着していた。
彼は部屋に入りながら蛍と秋保を遮断する犯人側の攻撃だとして、ならば遮断されている範囲がどこまでなのか知るのが先決だと、さっそく進言した。
彼の作戦立案は止まるところを知らず、衛星電話の回収部隊、秋保外の電波状況確認部隊、周囲の状況次第により秋保脱出も必要になるとスラスラ発言していく。
するとらぎ姉が、ならば次にどうすればいいか答えろと、割と強めに訊いた。
しかし彼はらぎ姉の機嫌の悪さに気づいていないのか、ここもスラスラ犯人側の思惑次第で取るべき行動が変わるので、最早賭けになると答えた。
晴輝が大分イカれているのに皆気づいていたが、淀川はどちらに賭けるのか話させようとした。
その前に、山田たちが会議室にやって来た。
そして彼は自分で二つの選択肢を出しておきながら三つ目の選択を選び、隔離地域から脱出すると答えた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
境界線は地雷まであると噂され、とても抜けられる状況ではないはずだった。
しかし晴輝は今なら抜けられると豪語した。
自衛隊が突入寸前だったのは事実で、ならば車両を通せるようにしている箇所があるはずだった。
そこで偵察部隊を山田に率いさせ、フェラが得意だと調子に乗った大学生コンビに山形側に抜けられる工作をさせるつもりで予め召集していたのだ。
淀川は彼の豹変ぶりはさておき、的確で筋が通った作戦を採用し、全て確認し終えてから改めて三つの選択肢からどれかを選ぶことを決定した。
そして彼には、特に癖の強い班員の二人とパトロールで避難者を安心させる役割を与え、彼も素直に従った。
実は彼も完璧にこなそうと気を張っていたのを少し緩ませ、今度はらぎ姉にアプローチすべく熱視線を送った。
らぎ姉が視線に気づくとパッと笑顔を作って可愛く手を振るが、彼女はゴミでも見るように無視し、任された役割を果たしにさっさと部屋を出て行った。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
場所は変わり、ひと気のないとある民家の中。
何者かが言葉にならない不気味な声をあげながら、何かを咀嚼して汚らしく血を零していた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット