
インフェクション
112話113話ネタバレ感想
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晴輝が提案した秋保脱出は、あながち無謀な作戦ではなくなってきた。
犯人側の攻撃を受けたと思われ今、ネットも電話も使えなくなり、行方不明者まで発生。
パトロールしていた彼らは新たな保菌者と対峙するのだった。
112話
境界線の調査役に抜擢された山田は、車で進めるところまで進んでいる中、無線がどこまで届くのかもチェックしていた。
温泉街の範囲程度しか電波が届かないことが分かり、やはり晴輝の提案通りに秋保を脱出するのが賢明に思われた。
アーチェリー選手の自分が偶然帰省していたときに保菌者騒動に巻き込まれ、家族を失い代わりに老人たちを助けることになった皮肉な運命を自虐的に振り返りながら、自衛隊に見つからないギリギリのところで車を降りた。
しかも自分をおじさん呼ばわりしてくる、つい先日までビッチキャラを作っていた癖の強い女子大生二人とチームを組まされ、相変わらずのノリに軽くストレスを感じていた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
イケメンや年下男子がいたからこそキャパを超えたキャラ作りをしていたとあっけらかんと話す二人だったが、任務はしっかりと理解しているようだった。
歴女の明石が秋保に残る古道が通行可能かどうか確かめ、土木女の関と山田で自衛隊を偵察し、必要な工作をするというものだ。
概ねそれで合っているが、晴輝がわざわざ明言しなかった暗黙でやる必要がある行動が他にもあった。
この先監視カメラの監視地帯に入り、更に先に検問が設置されている。
山の中にある警備装置は古道で回避可能なはずで、検問を越えた先に設置されている地雷原や重火器地帯も、晴輝の予想では自衛隊突入用に今は通れるようになっているはずだった。
そこで明石には、少し危険な役割を担ってもらうことになり、銃を構える検問の前に姿を晒さなければならなくなった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
予想だにしていなかった役割を与えられ、恐怖のままに泣き始める明石。
監視隊員は止まるよう警告し、外にも出られず、警告を無視すれば最悪射殺すると宣言する。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
しかし明石は足を止めるわけにはいかず、泣いていた。
おそらく、いきなり身体に当ててくることはないだろうと山田は言ったが、あくまでそれは希望的観測に過ぎない。
明石はとにかく隊員の良心にかけて足を止めず、だが怖いのは変わらず泣きじゃくっていた。
その間に、山田は回りこんで自衛隊キャンプの様子を覗き見た。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
その直後、銃声が山間に響き渡った。
銃弾は明石の目の前を通り過ぎ、地面に落ちた。
自分がすべき役割をこなした明石は一目散に逃げ出した。
最悪、殺されるか大怪我をしかねなかった囮までさせたのには、相応の理由があった。
避難民1万人を安全確実に逃がすには、ここの自衛隊の様子を把握しておく必要があったからだ。
なぜなら、自衛隊を全員殺すつもりだったからだ。
関はまさかの作戦に山田の独断だと思ったが、さすがに大量殺人を独断でしようとするほど山田はイカれてはいなかった。
自分たちの隊長であるまだ高校生の晴輝がこの非情な段階まで含めて作戦立案したのは、彼と接するようになったからこそ、理解できた。
彼が誰よりも、この非日常にいい意味でも悪い意味でも適応しているからだった。
まだ引き返せると言われた関はそれでも、覚悟を決めてやると答えた。
今こうして生きているということは、数え切れないほどの犠牲の上に成り立っている命だと理解しているから、何が何でも生き残らなければ意味がないと思っていた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
そして30代前半の男と癖の強い女子大生は、泊りがけの調査に出発した。
黒い保菌者二体に遭遇する前、晴輝たちは無残に食い散らかされた二つの死体を発見していた。
死体があった箇所は離れていて、行方不明の残り二人が保菌者になり、食い殺した可能性が高い。
しかも、通常の保菌者と違って人の限界を超えた量を食っていることから、また新たなタイプの保菌者に進化している可能性もあった。
ながみんは強敵が出てきそうなことにテンションアゲアゲだが、事はそう楽観視できる状況ではない。
進化の条件は食べた量と水の摂取だと推測されていることから、今回の二体の保菌者は今までのタイプの中でも最上位の脅威になるかも知れなかった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
そして黒い保菌者に遭遇した彼はすぐに本部に報告し、対峙して膠着状態を保っていた。
ながみんが欲望を抑えきれずに先陣を切ろうとするがすぐに制止し、増援が来るまで待ってできるだけ安全に対応しようと指示した。
可能なら黒い保菌者の特性や戦闘力を確認したいところで、轟に攻撃を受け流すよう言い、危なっかしいながみんには指示するまで待機を命じた。
そして彼は、目を離さず銃口を向け続けた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
その直後、指示を無視してながみんが飛び出した。
さすが戦闘狂いだけあって躊躇ない飛び出しに彼は反応が遅れ、ながみんは嬉しそうにやりたいことを叫んだ。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
バカと言われても関係なく、バカと言った方がバカだと子供みたいに言い返しながら薙刀を思いっきり振り下ろした。
薙刀はあっさりと保菌者の身体を真っ二つに切り裂いた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
およそ手応えのなかった一閃の直後、黒い保菌者は飛び散った。
魚が魚群となって大きな一匹に見えるような、数え切れないほどの羽虫が集まって黒い影になっているような、そんな小さな生き物の集まりを切ったように保菌者は形を変えた。
そして、ばらけた黒い何かがながみんに襲いかかった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット