エロスの種子10話
ネタバレ感想

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戦争から帰ってきたのは、愛する夫の中指だけだった。

それを後生大事にしていた妻は、舅の慰み者になっていた。

 

昭和末期、日本画家の昭島薫は拘置所にいた。

彼の弁護を請け負ったのが、かつて彼に縛られ、淫靡で恥辱にまみれた姿を晒した椎名順子だった。

一線は越えずとも、恥ずかしい性癖を晒し合った二人の再会が何を生むのだろうか?

 

10話

緊縛され、恥ずかしい姿を見られる得も言われぬ快感を知った順子はしかし、自ら慰めることで勉学に励み、弁護士になっていた。

 

 

昭和56年。

 

あの昭島薫が事件を起こした。

 

順子は国選弁護人として彼の弁護に当たることを決め、再びあの快楽を思い出させる彼に再会したのだった。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

見違えるほど凛とした立派な女性になった順子を見て、彼はため息を漏らす。

 

久々の再会に甘やかな空気が流れはしなかったが、二人共に思い出すのは、縛られ淫らに喘いでいた順子の痴態だった。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

 

順子は淡々と仕事を始め、今回の事件について包み隠さず詳細を話すよう促した。

 

彼は自分が幼い頃から罪人であったことを隠す気もなかったが、話し始めれば長くなると前置いた。

 

彼の生い立ちなど知りようもない順子は、ちゃんとした仕事をするために深く考えずどうぞと答えた。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

彼はまず父について語り始めた。

 

 

軍人で憲兵隊だった彼の父は、ゲスな上官の妾の世話を任され、やがて誘惑に抗えずに妾と通じてしまった。

 

それを隠さずに妻にも打ち明け、当然妻は悲しみと怒りに狂った。

 

10歳だった彼は陰から母が泣き崩れている姿を見ることしかできなかったが、父はあくまで売女と罵られる妾に惑わされた哀れな立場だと決め付けた。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

鬼畜米兵を殺すために日々訓練させられていた彼は、売女が敵と同じく殺すべき相手だと思い込み、刷り込まれた歪んだ教えのせいでみるみる殺意を漲らせてしまった。

 

そして彼は空襲の混乱に乗じて父を惑わせ母を苦しませた女を竹槍で突き殺した、と打ち明けた。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

今、拘置所に入れられる原因になった事件よりずっと前にもう、彼は人を殺してしまっていたのだ。

 

しかし、すぐにあの女が父を惑わせただけの売女などではなく、落雁の甘さを教えてくれた、慈悲に満ちた優しい女性だと分かった。

 

刺されて尚、わが子に向けるような微笑を彼に向けた千代は、彼の心の中に刻み込まれて存在し続けていた。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

順子はそんな過去が経歴にないことを指摘するが、それも戦争の空襲が千代の身体を焼き、子供の凶行を闇に葬ってしまったからだった。

 

しかし、罪を償う機会を与えられなかったせいか、父はC級戦犯として死刑になり、浮気されても父を愛していた母は精神を病み、子供の彼を残してあっさり後追い自殺してしまっていた

 

彼が千代に血を流させたように、戦争が終わってから彼の周りに血が流れた。

 

深い悲しみと後悔に襲われていた彼は、さらに学校で教えられる教育内容がガラリと変わったことで今度は混乱を来たし、何も信じられなくなっていた

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

敵は殺すべしやお国のためにから、平和、自由、民主主義・・・

 

まるで茶番だった。

 

 

そんな時、日本画家をしている祖父の重光に引き取られたことで、祖父の絵を通して日本画が美しいものだと知ることになった。

 

彼が住み、順子が痴態を晒したあの家こそ、重光から受け継いだものだった。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号

 

 

穏やかで優しい祖父は喜々として彼に日本画を教えたが、彼がまだ16のときにこの世を去ってしまった。

 

家族が次々と死に、自分の罪に対する罰だと思うようになった彼は、運命を諦観して受け入れようとしたが、祖父が残したもののおかげで生きるには何も不自由せずに済んだ。

 

 

遺産は金や家だけでなく、祖父の作品も多く遺された。

 

そして絵の多くが、女性を緊縛したものばかりだった。

著者名:もんでんあきこ 引用元:グランドジャンププレミアム2018年9号