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「エロスの種子」ネタバレ最新10話3巻。ヤリマンSM小説家と童貞緊縛師の初体験が気持ち良すぎて辛い・・・

エロスの種子10話
ネタバレ感想

エロスの種子の漫画最新話と最終回まで、最新刊ネタバレと感想、あらすじ、エロ画像、結末、漫画を無料で読める方法を紹介。

 

戦争から帰ってきたのは、愛する夫の中指だけだった。

それを後生大事にしていた妻は、舅の慰み者になっていた。

 

昭和末期、日本画家の昭島薫は拘置所にいた。

彼の弁護を請け負ったのが、かつて彼に縛られ、淫靡で恥辱にまみれた姿を晒した椎名順子だった。

一線は越えずとも、恥ずかしい性癖を晒し合った二人の再会が何を生むのだろうか?

 

10話

緊縛され、恥ずかしい姿を見られる得も言われぬ快感を知った順子はしかし、自ら慰めることで勉学に励み、弁護士になっていた。

 

 

昭和56年。

 

あの昭島薫が事件を起こした。

 

順子は国選弁護人として彼の弁護に当たることを決め、再びあの快楽を思い出させる彼に再会したのだった。

 

 

見違えるほど凛とした立派な女性になった順子を見て、彼はため息を漏らす。

 

久々の再会に甘やかな空気が流れはしなかったが、二人共に思い出すのは、縛られ淫らに喘いでいた順子の痴態だった。

 

 

 

順子は淡々と仕事を始め、今回の事件について包み隠さず詳細を話すよう促した。

 

彼は自分が幼い頃から罪人であったことを隠す気もなかったが、話し始めれば長くなると前置いた。

 

彼の生い立ちなど知りようもない順子は、ちゃんとした仕事をするために深く考えずどうぞと答えた。

 

 

彼はまず父について語り始めた。

 

 

軍人で憲兵隊だった彼の父は、ゲスな上官の妾の世話を任され、やがて誘惑に抗えずに妾と通じてしまった。

 

それを隠さずに妻にも打ち明け、当然妻は悲しみと怒りに狂った。

 

10歳だった彼は陰から母が泣き崩れている姿を見ることしかできなかったが、父はあくまで売女と罵られる妾に惑わされた哀れな立場だと決め付けた。

 

 

鬼畜米兵を殺すために日々訓練させられていた彼は、売女が敵と同じく殺すべき相手だと思い込み、刷り込まれた歪んだ教えのせいでみるみる殺意を漲らせてしまった。

 

そして彼は空襲の混乱に乗じて父を惑わせ母を苦しませた女を竹槍で突き殺した、と打ち明けた。

 

 

今、拘置所に入れられる原因になった事件よりずっと前にもう、彼は人を殺してしまっていたのだ。

 

しかし、すぐにあの女が父を惑わせただけの売女などではなく、落雁の甘さを教えてくれた、慈悲に満ちた優しい女性だと分かった。

 

刺されて尚、わが子に向けるような微笑を彼に向けた千代は、彼の心の中に刻み込まれて存在し続けていた。

 

 

順子はそんな過去が経歴にないことを指摘するが、それも戦争の空襲が千代の身体を焼き、子供の凶行を闇に葬ってしまったからだった。

 

しかし、罪を償う機会を与えられなかったせいか、父はC級戦犯として死刑になり、浮気されても父を愛していた母は精神を病み、子供の彼を残してあっさり後追い自殺してしまっていた

 

彼が千代に血を流させたように、戦争が終わってから彼の周りに血が流れた。

 

深い悲しみと後悔に襲われていた彼は、さらに学校で教えられる教育内容がガラリと変わったことで今度は混乱を来たし、何も信じられなくなっていた

 

 

敵は殺すべしやお国のためにから、平和、自由、民主主義・・・

 

まるで茶番だった。

 

 

そんな時、日本画家をしている祖父の重光に引き取られたことで、祖父の絵を通して日本画が美しいものだと知ることになった。

 

彼が住み、順子が痴態を晒したあの家こそ、重光から受け継いだものだった。

 

 

穏やかで優しい祖父は喜々として彼に日本画を教えたが、彼がまだ16のときにこの世を去ってしまった。

 

家族が次々と死に、自分の罪に対する罰だと思うようになった彼は、運命を諦観して受け入れようとしたが、祖父が残したもののおかげで生きるには何も不自由せずに済んだ。

 

 

遺産は金や家だけでなく、祖父の作品も多く遺された。

 

そして絵の多くが、女性を緊縛したものばかりだった。

 

 

様々な体位で縛られ、吊るされている女たち。

 

股を開き、乳首を勃起させ、悩ましげでありながら物欲しそうにこっちを見ている女たち

 

彼はその多くの絵を見て、瞬く間に怒張しパンツを脱ぐ暇もなく射精してしまった

 

 

人生で初めての快感はそれだけに考えが支配されるほどのもので、同時に父が不貞を働き、母が後を追ったのか理解できた。

 

全てはとてつもない快感を与えてくれる、エロスに抗えなかったからだと。

 

その考察に、順子はゾクリとした。

 

 

 

彼はオナニーの快楽に抗うことはできなかったが、自分の呪われた運命に誰かを巻き込まないよう、女を一生抱かずに童貞でいようと誓った。

 

どうしても祖父の絵のエロスには理性を保てず、絵をおかずにしてオナニーするというシンプルな自慰行為は止められなかった。

やがて欲望は膨らみ、自分で祖父のような絵を描くようになっていった。

 

 

そうして欲望が膨れ上がり出した頃に、順子がモデルになった。

 

 

順子は彼の中でも最高のモデルだったという。

 

緊縛の快感に目覚め、股から蜜を垂らす卑猥物となった順子

彼はそんな彼女を絵に写し、それを見ながら抜きまくったと打ち明け、ついに順子は恥ずかしくて堪らず話を遮った。

 

 

順子の痴態は今回の事件には関係なく、彼が罪人として捕まるきっかけになったのは、自販機で売られているエロ本だった。

 

あらゆる規制やルールから外れた性欲のはけ口のためだけの自販機本で連載されていたSM小説の挿絵を知り合いから依頼された彼は、好きに描けるという理由ですぐに引き受けた。

 

そして紹介されたSM小説家が、真壁忍だった。

 

 

乱雑な編集部で忍と初めて会った彼は、まず女であることに驚いた。

 

その日の夜に何人かで飲んでいる最中、その驚きを伝えると、忍も驚かれるのは慣れているという。

 

忍が書く小説は、とにかく女の尊厳を無視して虐げる、過激を極めるものばかりだったからだ。

 

 

忍が彼の名前が男でも女でもいける名前だと言い返し、あんな緊縛のいやらしい絵を描いているにしては穏やかな空気を纏っていると評した。

 

忍はあけすけにベッドの上の時がどうなのか訊ね、彼は一切隠さずに童貞だと答えた。

 

 

彼は忍が発展家だと事前に聞いていて深入りしないでいようと思っていたが、自然と湧き上がる欲望には勝てず、彼女と接吻する仲にまであっという間に進んでいた。

 

 

しかし、一線を越える誘いをされれば断った。

 

一生償い続けるべき罪を犯したが裁かれなかったことで、せめてもの罰に童貞でい続けることを誓っていると打ち明けた。

 

すると忍は、自分もずっと罰せられたいと願いながら生きてきたのだと打ち明け返した。

 

 

忍の罪は彼女が直接手を下したものではなかったが、一生消えない傷になってしまうほどの辛いものだった。

 

 

忍がまだ5歳だった戦中、我がままを押し通して姉に海に連れて行ってもらったことがあった。

 

そこに突然、戦闘機が飛んで来た。

 

戦闘機は姉だけを撃ち殺し、幼い忍だけが生き残った。

 

忍は幼心に誰も自分を責めてくれないことで、姉の死とも相まって心にとてつもなく深い傷が刻み込まれたのだった。

 

 

彼らは二人とも、戦争で心を傷つけられた哀れな子供だった。

 

 

忍の告白を聞いた彼はそのまま彼女のアパートに行き、矢も盾もたまらずにベッドで抱き合い、お互いの身体を貪り合った。

 

童貞を貫くという彼の贖罪の心は欲望に負けたが、忍はまだ女を知らない彼の肉棒を突き入れられて気持ち良くさせられるのを躊躇した

 

 

罰せられたいと願っていた彼女の贖罪は、発展家と言われるほど男に股を開いて抱かれ、自分の身体をないがしろにすることだった。

 

そう気づいた彼はしかし、申し訳なさで泣きじゃくる忍の中を感じたい気持ちが抑えられなかった。

 

 

唇を塞ぎ、舌を貪り、怒張した根元を支えてグッと腰を前に押し出した。

 

彼女の名前を呼びながら腰を振ると、彼女も動きに合わせて割りと控えめに喘ぎ声を漏らす

 

彼はそうして、同じような罪の意識を持つ相手で童貞を捨てたのだった。

 

 

 

ならば順子は、どうしてそんな大事な相手を殺してしまったのか、余計理解に苦しんだ。

 

しかしそれも、忍の今までの贖罪を台無しにしてしまった彼の、せめてもの懺悔だった。

 

 

忍は彼に気持ちよくしてもらったことで罪の意識を増幅させ、ある日服毒自殺を図った。

 

だが中途半端に死に切れず苦しみが続き、彼に殺してくれるよう頼んだのだ。

 

 

それでも順子は、早く病院に運べば助かったかも知れないと咎めた。

 

もちろん一般常識ではそうだが、ここで彼女を生かすことは死よりも辛い苦しみを与え続けることになると彼も忍も分かっていた。

 

だから、彼女が自殺を図るきっかけを作ってしまった彼は、彼女の願いを聞き入れるしかなかった。

 

 

慈悲に満ちた女を殺し、両親は死に、祖父も死に、また大事な人を殺してしまった血に塗れた手。

 

 

彼はようやく数十年の時を経て裁かれる機会を得ることが出来、父と同じように死刑さえ望むところだった。

 

もちろん死刑になど、弁護しに来た順子はさせるつもりはなかった。

 

 

忍が飲んでいた毒の量は致死量で、遺書も見つかっている。

 

思わず吐き出したことですぐに死に切れなかっただけで、彼に殺人罪が適用される可能性は限りなく低い状況だった。

 

自殺幇助になるだろうと言われ、彼は見合った罰ではないと感じ、あからさまに不満な顔を見せた。

 

 

 

結局、順子の見立て通り、執行猶予がついた彼は不満で仕方なかった。

 

順子はこれでも有罪になったのだと怒ったが、ただ、10歳に刑事罰を問う法律は今も昔もなく、前を向いて生きて欲しいと励ました。

 

 

彼の後悔が消えるわけではなかったが、その励ましは深く心に沁み、快感だけで繋がっていた以前よりもいい関係が築けそうな気配が漂った。

 

 

感想

エロスの種子10話でした。

順子と薫が作者のお気に入りなのか、読者の反響がいいのか、時代を超えた3話分で完結したようです。

緊縛のハードさは回想だけで、全体的に重苦しい罪の意識で構成されていたので、今までで一番淀んでいたように感じました。

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