たとえ灰になっても
50話51話52話ネタバレ感想

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シロエルとの一騎打ちに勝てば次のゲームに進めると確約された姫蘭だったが、この世ならざる身体の強さとパワー、そして肉体の再生能力を持つ異次元天使になすすべなく、ボコボコのぐちょぐちょにされ、顔の半分を破壊されてしまう。

瀕死の中、思い出すのはアイドル絶頂期から一気に堕ちていった自分の半生だった。

 

50話

思わぬ偶然でかつてのマネージャーと再会した姫蘭こと四宮輝子は、かつての自分の実力を完全コピーしたような中満智子のマネージャーになり、彼女に姫蘭を名乗らせて自分の夢を託した。

 

 

それから早半年。

 

マネージャー兼元アイドルとして自分の持てる全てを新姫蘭に叩き込んだ輝子は、満智子が十分な実力をつけてステージで輝いている姿を舞台袖から眺め、ほくそ笑んでいた。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

デビューわずか一ヶ月にも関わらず多くのファンを獲得し、ライブは大盛り上がり。

 

CDデビューも控え、かつての輝子と同じようにテレビ出演のオファーも来て、幸先良いアイドル人生をスタートさせていた。

 

輝子は20年越しの夢を満智子で叶えられる時も近いと思い、感慨に耽っていた。

 

しかし、その夢はまたしても同じタイミングで打ち砕かれようとした。

 

デビュー間もないと言うのに満智子は事務所を移籍すると言い出し、当たり前のような笑顔で恩を仇で返そうとしてきた。

 

何も聞かされていなかった輝子は当然認めようとしなかったが、痛いところを突かれては引き止めようにもそれだけの材料がなくてはならない。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

小さな事務所でしかないここは、満智子の活躍に見合ったギャラを用意できず、それを指摘されれば何も言えず、移籍先は契約金だけで4桁を提示しているらしい。

 

輝子は自分の迂闊さに今更思い至った。

 

実力は申し分なかったのだから、他事務所が狙ってくるのは十分予想できたし、何より、自分の全てを叩き込んだということは、成り上がるために手段を選ばない図太さまで受け継がせてしまっていた。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

すぐに社長に金を出すよう直談判したが、売れっ子をろくに輩出できていないここにそんな資金などなく、むしろ数千万の負債まで抱え込んでいることが分かった。

 

このままでは姫蘭を失うどころか、事務所が消えて路頭に迷うかも知れない。

 

 

形振り構っていられる場合じゃないと判断した輝子は、寄り付かなくなっていた四宮家に戻り、金庫に保管しているはずの金をくすねて、満智子への慰留金と事務所の再建に使おうと考えた

 

幸い、夫は滅多に金庫を開けないはずなので、しばらくは露見しないだろうと思い、鍵を開けた。

 

 

しかし、なぜか金庫の中には一銭も入っていなかった

 

 

直後、夫が帰ってきた。

 

だが夫も今金を取りに来たようで5千万もの行方を知らず、会社の行く末を嘆いていた。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

輝子も最後の手段だった我が家の貯蓄を当てにできなくなり、いよいよまた夢を諦めなければいけないことを覚悟した。

 

だがまだ諦め切れず、目に留まった怪しい金貸しに駆け込んだ。

 

 

 

何も考えず即金で5千万と頼み、もちろん何の信用もない輝子は断られたが、あるゲームに出場して勝利すれば望むだけの金が手に入ると提案された。

 

普通ならまともに聞く価値のないふざけた話だった。

 

しかし輝子にもう後はなく、訊かれるまま覚悟の程を答え、残酷なる天使に命の権利を握られてしまったのだった

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

参加者認定された輝子は、チケットを受け取り促されるままエレベーターで帰ろうとした。

 

 

普通のビルに何の変哲もないエレベーター。

 

ドアを開け、乗り切る前に箱が落下し、頭だけ押し潰され、この世を去った。

 

 

そこまでが輝子の、アイドルに懸けた半生だった。

 

 

 

間違いと言えるのは得体の知れない相手の口車に乗って金に目が眩んだことかも知れないが、姫蘭で夢を叶えるにはどうしても金が必要だった。

 

最早思考も定まらなくなってきた姫蘭は激痛の中、涙を流し始めた。

 

クロエルはここまで奮闘した姫蘭を讃えるという名目を振りかざし、シロエルにハグで温かい最期を迎えさせてやるよう指示した。

 

もちろんハグとは言葉だけで、圧倒的パワーによる天使万力だった。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

人間への慈悲の心で溢れているシロエルは、孤独な最期をせめて温かさで包み込もうとする。

 

姫蘭の背骨は砕かれ、内臓が潰され、肘が折れ、行き場を失った血や体液が顔から下から飛び出していく

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

姫蘭は、ただ声にならない絶叫を上げるしかできない。

 

 

カエデは早く姫蘭がどこの誰かを思い出して、苦しみから解放させてやりたかったが、どうしてもあの歌をどこで聴いたのか思い出せないでいた。

 

腹部が平らにされそうになりながらも姫蘭はまだ意識を保ち、アイドルの姫蘭で天下を取り、生きた証を残したいと思った。

 

どうせ死ぬなら、自分が生きた証を残してから死にたいと願った。

 

その時思い出したのは、もしかしたら人生で一番幸せだった時間かも知れない光景だった。

 

 

 

嫌っていたはずの男に救われ、結婚し、授かった天使のような男の子。

 

男性アイドルとして育てたいとも思ったが、我が子に夢を押し付けるようなことはするべきではないと自然に思えた。

 

でもせめて、自分の曲を子守唄代わりに聴かせることで、歌詞に込めた意味の通りに、人生を歩んで欲しいと願った

 

そんな無償の愛を激痛の中で思い出せた姫蘭は、自然と笑みが零れた。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

直後、姫蘭の中身は外にぶちまけられた

 

 

 

これにて、格闘地獄が終了した。

 

シロエルの勝利が確定すると、これまで通りに姫蘭の正体が明かされた。

 

四宮輝子、旧姓南野口輝子39歳は、死んだままで現世の姿を取り戻した。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号

 

 

クロエルはほくそ笑んだ。

 

姫蘭の正体を見て誰よりも驚いたのは、この後地獄を味合わなければならないカエデだった。

 

なぜなら二人は、親子なのだから。

著者名:鬼八頭かかし 引用元:ヤングガンガン2018年20号