
ロウヒーローRawHERO
6話7話ネタバレ感想
ロウヒーローの漫画最新話と最終回、最終話、最新刊、ネタバレ、感想、あらすじ、エロ画像、結末、無料で読む方法を紹介。
弟たちとタワマンに住むために、怪しげなおっさんの話に乗ってある会社の面接に赴いた千秋。
そこは悪を輩出する特解戦線企業だったが、女装したり疑似フェラしたりして採用までこぎつけた千秋はさっそく同僚と共に、政治家の家を襲撃しに行かなければならなくなった。
6話
ザコ度が増した星の目出し帽姿に戦慄した千秋。
言っていることはかっこよく聞こえるが、単なるテロリストか反社会組織か半グレみたいな荒っぽい連中には変わりない。
千秋も言われるままマスクを被ると、星が取り出したのは筒状のメタリックなアイテム。
まさか手榴弾かと思って千秋はまた戦慄したが、何を隠そう、その筒状のものは特に危険なことに使えそうもないカラーリング用のスプレー缶だった。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
もう一つ星が持ち上げて見せたのは、ペンキがたっぷり入った缶。
政治家の家に行くと言うから銃撃くらい予想してビビっていた千秋だったが、やることは犯罪は犯罪だが単なる落書き。
ホッと一安心していい場面ではないが安心した千秋。
しかし、星は政治家の家に落書きをするということは生半可な覚悟でできることではないという。
命がけ。
根性無しから死んでいく。
人生を懸けた男の目を見た千秋は反省し、落書きの危険性に思いを馳せた。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
そしてついに車は標的の政治家宅前に着き、停まった。
星はペンキを、千秋はスプレー缶を持って車から飛び出して一目散に豪邸に走った。
二人を追うようにぽっさんも出てきたが、犬の役目は今のところ分からない。
千秋は走っているうちに冷静になり、いくら落書きというヤンチャな若者がしそうな悪戯めいた行為だとしても、犯罪には違いないことを思い、これはヤバいと感じてきた。
しかも場所が政治家宅なのだから、確実にニュースになり、ネットで騒がれ、個人情報も晒されてしまうかも知れない。
そんな時、この悪の組織は自分を守るために動いてくれるのかどうか考えるが、今ここで答えが出るはずもない。
いくら夢の中で泣いていた弟のために金が必要だからと言って、犯罪に手を染めてまですることなのか?
そんな疑問が頭によぎった直後、星の絶叫が思索を中断した。
気合十分死も覚悟した星は絶叫しながら刷毛にペンキをたっぷりとつけ、命知らずにも政治家宅の外壁にある漢字一文字を塗りたくった。
書かれたのは、全ての思いを代弁した「死」の一文字。
叫びと共に完成された死。
しかし、壁は白、ペンキも白。
確かに死と書かれているのは分かるが、通りすがりの人がぱっと見で気づくかと訊かれれば、自信をもって言えない見え辛さだった。
おまけに、スプレーも白。
あまりに情報収集も準備もお粗末としか言いようがない、命を懸けた作戦だった。
その時、二人のすぐそばにあの時の全身タイツ巨乳お姉さんヒーローが飛び降りてきた。
上空にはヘリコプター。
今度こそ、二人一緒に戦慄した。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
最早爆乳といって差し支えない本当は仲間のはずのヒーロー出現に、今は悪の組織の一員になり切っている千秋は、既に車を発進させているコバーンとまだ何もしていないぽっさんの後を脱兎の如く追いかけた。
だが、あれだけキメ顔して脅しかけてきた星は、突然のヒーロー登場に怯えも怯え、今にも腰を抜かしそうなほど震えて動けなくなっていた。
仕方なく千秋は世話のかかる星の手を引き、車を追いかけ始めた。
一応後ろのドアを開けてくれてはいるものの、コバーンは全くスピードを緩めてくれないので、素早く追いついて乗り込めたのは危機を分かっているぽっさん。
それでも千秋も意外な足の速さを発揮し、どうにかこうにか乗り込め、命があることに感謝した。
さて星はと言えば、典型的な運動音痴の無様な醜態を晒していた。
女の子走りとも形容しがたい残念な走り方のせいでスピードは遅く、爆乳ヒーローに追いつかれるのも時間の問題。
それでも流石に死にたくない星は頑張って走り、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながらもう少しで手が届きそうな距離まで車に追いついた。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
千秋は悪人と言えど先輩が悲惨な最期を迎えるのは忍びなく、コバーンにスピードを緩めるよう頼み、彼も頷いてくれた。
そして車はスピードを増し、星の姿が遠くなっていった。
日本語が通じないっぽいことを思い出した千秋が拙い英語でゆっくりと言い直した直後、爆乳ヒーローは拳に何やら力を込め、思いっきり星を殴った。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
あまりの威力に星は吹っ飛び、地面に叩きつけられてボールのように弾み、車のスピードより速くなって見事に車内に入ることができたのだった。
まさか敵を助けることになるとは思っていなかった爆乳ヒーローも焦って走り続けるが、さすがに車を超えるスピードは出せないようだった。
コバーンの運転技術はなかなかのもので、住宅街の狭い道をドリフトしながらついにヒーローを撒くことに成功した。
しかし、星は虫の息だった。
悪魔が…と呟いた直後、がくっと息を引き取った。
ぽっさんが鼻先を舐めても無反応で、千秋は胸に耳を当ててみたが、本当に動いていなかった。
千秋は星が言っていたことが本当だったと勤務初日にして思い知った。
クソほども根性のなかった星が真っ先に死んでしまったのだから…

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
そんなことより、落書きで殺されるのはさすがに見合ってないと思い、おぼろげな知識を総動員して蘇生を試み始めた。
体重を乗せた心臓マッサージ。
何を言っているか分からないコバーンを無視して人工呼吸。
効果のあるやり方になっているかも分からなかったが、不幸中の幸いで星は息を吹き返した。
星は人工呼吸されたことは理解していたが、「え?」と間抜けな声を漏らした。
だから千秋は、生き返った安堵と共に頼りなさすぎる先輩を詰った。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年2号
そして千秋を女と勘違いしたままの星の時は一瞬止まった。
不甲斐なさを偉そうに謝り、少し落ちついたところで、星は手頃なところで車を降り、別れ際に今日の分の取っ払い給料二人と一匹分を手渡して家路を歩き出した。
一度死んだくせに、ぶっきらぼうな先輩を演じ続けて適当なお疲れの挨拶を一つ。
今日は初体験ばかりだった星は、特別な日にだけ来る夕陽が綺麗に見える橋に寄っていた。
初めての死と蘇生…それにキス。
今、星の恋物語の幕が上がった。