
インフェクション
130話131話ネタバレ感想
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高木が死亡し、悲しみをすぐに乗り越えた晴輝は秋保の指揮を執ると言い出し、不安を表に出さないように努め、それぞれに指示を出していく。
出現した新保菌者は轟とながみんが倒したが、犠牲者が出てしまっていた。
そして晴輝はやるべきことの優先順位を付け、きららがいるはずの駐車場に向かうのを後回しにすることを決めた。
130話
螢が殺されたというニュースが流れる少し前まで時は遡る。
小早川の呼びかけで市民センターに集められていたのは、淀川、神城、それと小早川の部下の自衛隊員たちだった。
全員テレビを前にして大人しく待機し、その時が来るのを待っていたが、小早川だけとてつもない緊張感に襲われていた。
テレビを置いているテーブルの下には、タンクが置かれていた。
そして小早川は、防犯ブザーのような装置を見えないように手の平に隠し持っていた。
神城は相変わらず何も拾ってくれない無線に苛立ち、ワイヤレスイヤホンをイライラしながらいじっていて、呼びつけておきながらまだ始まらない螢からの連絡にも苛立ち、招集をかけた小早川を怒鳴りつけた。
このテレビを利用して螢から通信が来るらしいと答える小早川。
イラついている神城に淀川は、晴輝の高木処刑が気になるなら帰ってもいいと茶化すと、逆に晴輝に甘すぎだと言い返された。
すると淀川は素直に認めて彼を希望だと評し、聞いていられない神城はまた小早川に苛立ちをぶつけた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
小早川は淀川と神城の二人に苦手意識を持っていた。
ただ二人が悪いわけではないことも分かっていて、初対面の時、自衛官として自分の無能を突きつけられたから自業自得だと理解していた。
命令違反を犯した自衛官から指揮権を奪った消防士たち。
人の命を預かっている以上、賢明な判断なのが分かったと同時に、改めて自分の愚かさを知らされた気分になっていた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
その時、改まった様子の郷田に話しかけられた時も、軍人として自分が軽蔑すべき人間だと思わずにはいられなかった。
給料をもらいながら通える防衛大学校に入った小早川は将来の夢があったからではなく、金銭的な事情で入ったに過ぎなかった。
しかし、卒業する頃には自衛官になれた自分に誇りを持ち、親孝行できた満足感を感じられていた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
幹部自衛官としてかつての少尉の階級を与えられた小早川はいわばキャリア組のようなもので、学校でも優秀な部類だった。
それ故に、いきなり小隊長となり経験も年齢も上の屈強な男たちの上官になった時、現場では新人の自分に向けられる相当なプレッシャーをひしひしと感じ、腰が引けそうになった。
何も言われていないのに、値踏みしているような声が聞こえてくる気がした。
隊長として従うに値する人間だと思われるために、小早川は必死にプレッシャーと戦い続けた。
隊長としての振舞には持ち前の頑張れる性格で乗り切れていたが、どうしても耐えられなかったのは孤独だった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
高校時代の友達と集まって飲み始めれば、社会人になったばかりの酒の肴は当然仕事と上司の愚痴ばかりになるのは仕方ないことだった。
不満を吐き出していく友達は酔いも相まってどんどんスッキリした顔になっていくが、いきなり屈強な男たちの上司になった小早川には全く理解できず、共感できず、むしろ友達の愚痴が自分のことのように思えて精神がどんどん疲弊していった。
どこにも辛さを吐き出せなかった小早川は休まる時がなく、友達といることさえストレスになって吐き気を催すようになった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
そんな状態で除隊し切れないままずるずると時間が過ぎ、保菌者騒動の渦中に飛び込まなくてはならなくなった。