
ゴブリンスレイヤー33話34話
ネタバレ感想
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彼とデートするため、勇気を出した牛飼娘と受付嬢。
牛飼娘は午前、受付嬢は午後の彼の予定をゲットし、本番当日まで落ち着かない日々を過ごし始める。
剣の乙女まで収穫祭に思いを馳せているなど知る由もないゴブリンスレイヤーは、ゴブリンの気配を感じて返り討ちにする罠を作り始めた。
33話
ゴブリンスレイヤーは鋭く尖らせた棒を穴の中に突き立て、落とし穴だと分からないように土を被せて表面を塞いでいった。
時刻は深夜。
街道から逸れた森の入口辺り。
布と土を被せて目印の色石を置けば落とし穴のトラップは完成だったが、まだ鳴子を張り、土嚢を作る作業も残していた。
ゴブリンが来る確証はなくとも、徒労に終わればそれはそれでいい。
そう思った直後、声をかけられ振り向くと、一瞬で手練れだと分かる爆乳の剣士が喉元に切っ先を突きつけていた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号
彼を不審者だと思った剣聖は首元に銀等級の証を見つけると非礼を詫び、亡霊か何かと勘違いしたと正直に話した。
実害がないのなら特に気にもしない彼が許すと、繁みの中から剣聖の仲間が現れた。
朗らかな笑顔が可愛い勇者と声も表情も冷徹な賢者、それに剣聖の最強パーティ。
魔神王を倒せるようにはとても見えない勇者だったが、一足飛びで彼の目の前まで近づいた脚力は人並外れていて、彼は兜の下で驚かされた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号
彼女たちも何か目的があってうろついているらしく、彼が危険人物ではないと判断すると共に、剣聖は自分たちとの実力差を見抜いていた。
彼が勇者パーティと出会った夜は過ぎ、収穫祭当日の朝がやって来た。
ただ牛飼娘はお祭りが始まった花火の音を聞いてもまだ着ていく服が決まらず、下着姿で迷いに迷っていた。
いつもの全身鎧の彼の隣を歩いても、できるだけしっくりくるものと考えても何も合う気がせず、下着まで気合を入れた方がいいかもと焦りが募る。
その時、おじさんが入ってきて天の助けになった。
牛飼娘は外で待っていた彼に声をかけ、貴婦人のようなドレス姿を披露した。
そのドレスは、おじさんの妹であり牛飼娘の母が、彼女と同じ年頃に着ていたものだった。
母親の服に勇気をもらった牛飼娘は出発したばかりで彼の手を握り、人混みで繋ぐ前の予行練習だと嘯いた。
彼も素直に信じたので、牛飼娘の顔は更に赤くなった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号
晴れ渡る青空の下、静かな農道を歩いて街へ向かう二人。
彼が何も言ってくれそうにないので牛飼娘が自分からこの服はどうかと切り出すと、彼は意外と遠回さず、似合っていると答えた。
それでまた牛飼娘の心は浮き立ち、林檎のように真っ赤に染まった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号
街に入るとすぐにいつもより人がかなり多く、彼にチラチラ視線を送る率も高くなる。
牛飼娘は自分たちの取り合わせがお嬢様と護衛に見えるなら、あながち嘘でもないと思い、それらしい上品な言葉遣いで彼にエスコートを頼んでみた。
着替えに時間がかかってまだ朝食を食べていなかった二人は屋台で軽く腹に入れつつ、牛飼娘はできるだけ手を繋ぎ続けた。
しかし何かを見つけた彼は待てと言って雑踏の中に消え、牛飼娘は取り残された。
すると、村が滅んでから5年後に彼と再会するまで、牧場で一人佇んで寂しく彼に思いを馳せていた時のことを思い出した。
もし自分も村に残っていたなら、どんな未来になったのか。
どちらか死ぬとしても、自分だけ生き残る未来は考えたくないと思った。
そんな後ろ向きなたらればを考えているうち、戻って来た彼が差し出したのは安っぽいリングだった。
彼の中での牛飼娘の趣味はまだ子供の時のまま止まっていて彼女は思わず笑みが零れるが、今でも好きだと答え、喜んで受け取った。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号