
ゴブリンスレイヤー
35話36話ネタバレ感想
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訪れた収穫祭当日。
午前中、牛飼娘とデートした後、午後は受付嬢とのデートを始めたゴブリンスレイヤー。
ギルド職員だけが入れる区画に招かれた彼は、螺旋階段の先に案内され、街を見渡せる場所から天灯が夜空に昇っていく光景に息を飲む。
そして篝火に照らされたステージに現れたのは、厳かな雰囲気の女神官だった。
35話
神聖な儀式で神楽舞う巫女として現れたのは、口を引き結んでいつもの柔らかい雰囲気とは一線を画した女神官だった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年5号
真っ白な装束をたなびかせながらステージに登壇すると、厳かに祝詞を唱えながらひらりひらり神楽を舞い、地母神を崇め奉る。
流麗に舞い踊るほどに装束が後を追いかけ、穢れなき白い肌が篝火にぼうっと映え渡る。
大人と子供が同居した柔肌がチラチラと見える様を、誰もが黙って見つめ続けている。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年5号
練習したと、どこか消え入りそうな声で話す女神官。
装備を新調すると言った時は、気恥ずかしそうにしていた女神官。
この時を知っていたエルフは、内緒話を知って悪戯に微笑んでいた。
目を閉じ、女神官が夜空を仰いだ時、ゴブリンスレイヤーはどれだけ準備をしてゴブリンを屠っても、安心などしたことがないと言い出した。
殺しても殺しても得られるのは勝算であり、勝利が手に入ることはない。
だから敗北の色が常に背中に貼りついていると感じている彼は、天灯を作らなかったという。
それでも、死者を導く天灯が夜空に昇っていく光景を眺めると、どうか無事に帰って欲しいと思わずにはいられなかった。
そんな彼の想いを聞いた受付嬢は、「大丈夫ですよ」と答えた。
なぜなら、彼が命を救った女神官がこうして舞い踊っているのだからと。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年5号
受付嬢はこの5年間の彼の頑張りの成果を知っている者として歯痒さを感じていた。
この祭りが行えるのも、彼が女神官を助け、仲間と共にゴブリンの群れを打ち倒したからに他ならない。
ゴブリンスレイヤーと呼ばれるほどにゴブリンに憎しみを抱くようになった以前の彼を知らなくとも、ゴブリンにだけ執着して、他の多くの大切なことに気づかないのでは、あまりに報われない。
それと同時に、受付嬢は自分の想いが届かないと考えるのが辛かった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年5号
もちろん皆にも見せつけるようにアピールしたのに告白する勇気のない自分のことだけじゃなく、周りにいる彼を気にかける人たちのことを、これから出会うだろう誰かのことも気づいて欲しかった。
それがこの半日のデートで少しでも伝わったと思いたかった。
だからもう一度、気づいて欲しくて、彼を安心させたい笑顔で答えた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年5号