
ヒメノスピア5巻
ネタバレ感想
ヒメノスピアのエログロ画像、ネタバレ、漫画最新話と最終回、最終話、最新刊、感想、あらすじ、結末、無料で読む方法を紹介。
大国の女王、セレナ・セルバンテス。
彼女から女王の真実と彼女自身の悲惨な人生を聞かされた姫乃は、上辺だけの友情を培った。
一方瑞に、一緒に姫乃を殺そうと持ちかける謎の女子高生兵士が近づいていた。
21話
安達瑞はいつになってもヒメノスピアの異様さに慣れなかった。
駅から出れば、整備された花壇にさえ吐き気を催し、歩いているのが女ばかりの光景に反吐が出る思い。
女子校に通う女子学生たち、公務員も女ばかりで占められ、時には外で堂々と授乳する女もいるし、たまに力仕事で男を見かけてもその中にも女がいないことはない。
ヒメノスピアの人口は女が7割だった。
何もかもが女性優先。
それが忠実に守られているのは、間違いなく多くの兵士が目を光らせているからだった。
つまり、ヒメノスピアの兵士が姫乃に害を為そうとする訳がないのに、瑞に近づいて来た兵士は一緒に女王を殺そうと誘ってきたのだ。

著者名:柳井伸彦 引用元:ヒメノスピア5巻
最早生物学的にあり得ない提案。
混乱しながらも冷静に考えた瑞は、自分を試す罠だと思い、今はもう姫乃に殺意はなく、ただ本人の価値を見定めようとしているだけだと答えた。
その時、一匹の蝿が二人の周りを飛び、机に着地した。
直後、静かに瑞の話を聞いていた彼女は憤怒の表情で蝿を叩き潰した。
しかし一発では怒りが治まらないようで、虫を虫けらと罵り叫びながら何発も叩き、情緒不安定な一面を現した。

著者名:柳井伸彦 引用元:ヒメノスピア5巻
たかが虫一匹にキレ散らかす異常な女。
自分よりこの女を侍らす方が姫乃にとって危険だろうと思わずにはいられないほど瑞を引かせた彼女は、十分に蝿を叩き潰して気が治まると、なんでもないように手をハンカチで拭い、元のテンションに戻った。
そして所属クラスと玄野二穂だと名乗った。

著者名:柳井伸彦 引用元:ヒメノスピア5巻
勧誘するだけした玄野は、戸惑う瑞を置いて出て行った。
買い物から寮に戻った姫乃は服部たちに付き合ってもらっていたが、部屋の中までの護衛は遠慮し、笑顔で別れた。
姫乃をイジメ、今では側近的立場になっている服部はしかし、姫乃がまだまだ不安を募らせているのを見抜いていた。
一人になった姫乃はまずシャワーを浴び、セレナから聞いた話を整理した。
女王に与えられた恐ろしく長い寿命。
いつかは今傍にいる仲間たちがこの世を去るのを見届けなければならない残酷な現実を思うと、今から悲しくなるが、それ以上に女王として重大でどうしようもない事実を思い知らされていた。
現時点で自分の10倍は生きているセレナとの、圧倒的な人生経験の差。
女王としても人としても格が違い過ぎて、セレナの手の平で踊らされたのを認めないわけにはいかなかった。

著者名:柳井伸彦 引用元:ヒメノスピア5巻
このままではいい様に利用され、また権力と暴力を使われ、兵士たちが大量虐殺されてしまうかも知れない。
ヒメノスピアの女王としても、この高校に通う一人の生徒としても、それは耐えられない悲劇。
姫乃はそれだけはさせまいと、決意を新たにした。

著者名:柳井伸彦 引用元:ヒメノスピア5巻