
インフェクション
156話157話158話ネタバレ感想
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危機的状況で保菌者を退けた晴輝たち。
しかし、彼の部隊は多くの死者を出し、作戦遂行も危ぶまれる事態に陥った。
そこで彼は仕方なく、守るべきらぎ姉の力を借りることにしたのだった。
156話
一段強くなったながみんはしかし、体力の消耗までは解決できていなかった。
圧倒的薙刀捌きで保菌者を葬り、息を整えていると、間髪入れずに避難者の中からまた苦しそうな声が聞こえて来た。
次に変異しようとしていたのは年端もいかない男の子で、彼は恐怖のままにながみんに助けてと慈悲を請うた。
もちろんながみんにできるのは、保菌者を始末することだけ。
だから、相手が子供だろうと関係なく強くなることだけを頼み、短い人生の最期に容赦なき絶望を与えたのだった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
そして呻き声を上げながら、異形の保菌者に姿を変えた男の子。
ながみんの強さに比例してまた新たな進化をしたのか、長すぎる指を何本も生やしたビグザムみたいな形態を形作った。
元子供保菌者は何がおかしいのか高笑いをし始めると、ながみんもそれに呼応するようにバカみたいに笑い出し、先制攻撃を仕掛けてきた指を切り裂いた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
切れ飛んだ指が宙を舞い、避難者の中に落下した。
道の駅は全く統制が取れておらず、事あるごとに無作為に逃げ惑うばかり。
きららは子連れの麗を先導してできるだけ保菌者から離れようとするが、人混みは赤ちゃんの泣き声を聞いても道を開けようとせず、きららは焦りを募らせて怒鳴り声を張り上げる。
だから麗は姉として、一人で動いて巻き添えを食わないようにしろと促した。
晴輝に申し訳が立たないと言われたきららはしかし、子供扱いを許さず、せっかく死地を潜り抜けて再会できたのだから、彼がピンチでもこれからは残された最後の家族を選ぶと言い返した。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
それでも麗は、妹だけでも生き残れるように彼を頼れと促すが、きららは譲らず、もう裏切らないからと返し、家族が崩壊した時に何もできなかったことを詫びた。
保菌者騒動勃発時から一緒にいる彼の成長を見続け、きららも自然と誰かを守るために生きる道を知ったのだ。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
今のきららにできるのは、姉と甥を何が何でも守ると決めた誓いだった。
麗は見違えるほど立派になった妹に涙がちょちょぎれるが、きららは何の根拠もなく守ると息巻いているわけではなかった。
信を守ろうとする麗、麗を守ろうとするきらら、きららを守ろうとする晴輝。
この一方通行なら、必然的に彼が3人共守ってくれるだろうという打算を働かせていたのだ。
彼なら絶対助けに来てくれると信じている圧倒的な信頼が、この状況でもきららに笑顔を保たせていた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
一方、轟に動きを封じられているエリックはどんどん焦っていた。
命より重いものは神よりの信頼だと考えているエリックは、託されたアレを万全の状況で使えなければ信頼を裏切ることになると思い、汗を噴き出させていく。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
ながみんの体力が尽きていずれ避難者は全滅するだろうが、それでは計画が完璧に成功したとは言えない。
その焦燥を見抜いたのか、轟はまたねちっこく話しかけ、未来ある若者たちの信頼に応えられて幸せだと煽った。
そしてこの幸福感を逆にこちら側に寝返ることで共に感じよう、神に頼らない幸福生活をと誘いかけた。
直後、エリックはこのままでは不味いと思い、急に英語で兵士に指示を下した。
それは自分諸共撃ち抜かせる十字砲火の指示だった。
ここで死んでも、神に託されたアレはエリックが動かさなくても作動するシステムになっていたのだ。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
覚悟を決めた英語の指示に轟きが反応すると、英語を聴きとれていることをエリックは見透かし、それこそ狙い通りだと心中でほくそ笑んだ。
実はアレは、エリックの生態認証無しでは作動しないのだった。
つまり轟を騙し、自分に弾が当たらないよう守らせつつ、二心同体から抜け出すつもりだった。
もちろん二心同体しながら弾を避け続けるなんて不可能だと思っていたが、もう死を覚悟しているエリックは、轟のテリトリーから死ぬ間際にでも抜け出せたら、それで作動させるには十分だと踏んでいた。
これは命を懸けたギャンブルだった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
そして兵士は指示通り、十字砲火の射線上に位置取った。
すると轟はいい笑顔を見せつけ、エリックの成長さえ喜んだ。
轟は今こそ、自分の修行の成果を、武道家人生の全てを試されているのだと感じた。
Fireの掛け声とほぼ同時に引かれた引き金と飛び出す銃弾。
同時に腰を落とした轟は、最高の舞台で嗤いを零していた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット