
インフェクション
168話169話170話ネタバレ感想
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明石の変異体化、香里たちの瓦解。
晴輝たちは順調に脱出を進め、ついに残すは自分たちだけとなった。
しかし、脱出目前にして犯人が現れ・・・
168話
真っ黒な影の犯人は熟成が極まったと独り言ちた。
その声は人工的に変えたような、老若男女全て合わさったような気持ち悪さだった。
その気色悪さに拍車をかけるかのように、犯人は口元をいじり、歯と歯茎と唇を可視化した。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
晴輝たちは突然の犯人出現に呆気に取られ、かつてない緊張感に何も行動に移せないでいた。
なぜこのタイミングで現れたのか、熟成とは何なのか。
彼は頭をフル回転させ、生き残るために必死で思惑を勘繰った。
隔離地域から逃がさないためなら、9割方脱出した後で姿を見せるのが解せないが、しかし姿を現した以上、足止めする意味があるはずだった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
このタイミングで来た意味を必死で彼が考え始めると、犯人は思考を読んだかのように、考えな?と促した。
ここまで身体能力向上を主に進化してきた保菌者だが、彼は高木の感染による革命という言葉がここに来て引っかかった。
だとして、何をどうやって革命するつもりなのか?
もし巨大モンスターのような変異体が世界の軍隊相手に戦ったとしても、戦闘機や近代兵器にはとても勝てると思えない。
メットよりも強い個体であったとしても最新の軍隊相手では勝てないのなら、この実験の目的は何なのか?

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
彼がその答えに辿り着きそうになったその時、轟は怖いもの知らずにも犯人に話しかけ、姿を見せた意味を問い質した。
しかし犯人は無視し、思考を読んで彼とだけコミュニケーションを取り続ける。
戦争とは陣取りゲーム。
領土を攻め、奪い、支配し、また別の場所に遠隔攻撃して陣地を増やしていくのが戦争だとして、犯人は今までと変わらないそんな方法で戦争を仕掛けるつもりなのか。
この隔離地域で戦ってきた彼はそうではないと気づいた。
人が突然変異してしまうのだから、進化情報さえ流せば相手の兵士の中から次々に保菌者が生まれ、勝手に殺し合ってくれるのだから、それを傍観していればいい。
だから兵器に勝てなくても、兵器を操作する兵士に勝てる白兵戦最強のレベルであれば事足りるのだ。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
犯人と会話しているのが彼だけの状況に、轟たちはどうしていいか分からず、ながみんは戦いたい欲求を疼かせ始める。
そうこうしているうち、最後の迎えのバスが到着しようとしていた。
そして熟成の意味を察した彼は、高木がそれに与したかと思うと寒気を感じた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット
それだけは信じたくなかったが、犯人は煽るように正解だと答え、賞賛して拍手を送り、熟成されたのは君たちのことだと白状した。
犯人はとても嬉しそうに、晴輝、轟、ながみんを名指しで労い、戦い続けたおかげで人を越えた能力を手に入れているんだという。
3人も自覚はあった。
ハードスケジュールで働いているのに疲れないどころか最盛期を迎えた轟、瀕死の重傷を負ったのに、再び立ち上がって躍動したながみん。
そして人類最速の走力を手に入れた晴輝。
つまり保菌者は咬ませ犬であり、死地を潜り抜けた彼らの進化情報を利用し、白兵戦最強の生物を作り上げるのが犯人の目的。
そこに気づいた彼は、すぐに撤退を指示した。
全員が瞬時に理解できず咄嗟に動けない間に、犯人は入れ歯を具現化し、最後の変異体ゴリラをがぶっと噛み、進化情報を取り込んだ。
これはヤバいと見た彼は説明は後回しにすぐ車に乗れと叫んだ。
しかし逃げられるはずもなく、瞬間移動もできる犯人はながみんの背後を取り、肩口に入れ歯を噛みつかせたのだった。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット