第11話 血塗られた歴史

東京で目撃された異常気象が超能力によるものなのか、他の要因なのかを議論する生番組だった。放送中にそれが自分たちの仕業だと名乗る一人と電話が繋がっていた。

その男は、他の局の殺人事件の容疑者が釈放された生のニュースを観るように言い、今からその犯人を超能力で爆破しますと言い出した。

 

テレビ局は過激な発言に慌て、視聴者はバカにした目で観ていた。直後、男の言葉が真実だと証明されてしまう

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

その事件を機に、世界中で能力者による無差別攻撃が始まった。

しかし、数で勝る非能力者は科学技術で抵抗し、能力者の数は激減していった。

だが、その危機はPKの進化を促し、大量殺戮兵器と同等の力を得るまでに至り、戦争は激化して先史文明は崩壊した。

 

僅かに生き残った人類はPKから如何に人類を守るかを考え、PKによる対人攻撃の防止の研究を進めていった。

具体的にはPKに目覚めた児童を一箇所に集め思想を矯正する心理誘導を施していく。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

その中で業魔や悪鬼になる危険性がある児童を見つけ出し処分する。

 

そして、PKで対人攻撃をしたと脳が判断したら、自分を自分のPKで攻撃する「愧死機構」を遺伝子に組み込んだ。そうして、早希たちの祖先は殺戮の歴史に終止符を打とうとした。

 

今の世界の仕組みが、血塗られた歴史から抜け出すための努力の成果だと知り、自分たちは間違ったことをしようとしてるのかと沈んでいく。

しかし、覚は希望を捨てずに、他の研究の記録はないのか質問した。

他に対人攻撃防止に有効とされたのは、「ボノボ型の愛の社会」への移行だった。

 

ボノボは同性間や未熟な個体同士でも擬似的な性行為を行い、様々なストレスを緩和する習性がある。それを人間の児童に応用したのだ。思春期の児童に同性間の性行為を推奨し、呪力に対するストレスを解消させていたのだ。

 

 

その事実を知った真理亜は、早希への想いが偽りのものかも知れない可能性を考え、深い絶望に陥ってしまう。

 

早希も驚愕するが、それでも瞬と麗子の犠牲が正しかったとは思いたくなかった。

さらに質問を重ねようとした時、守が呪力でミノシロモドキを空高く吹き飛ばした。

真理亜は守に賛成して、二人のことを心に留めて生きていこうと説得するが、早希は引き下がろうとしない。驚愕の真実の連続に真理亜はついに切れてしまい、早希を突き放した。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

 

町に戻ってから10日が経っていた。早希と覚は不浄猫から手がかりを見つけようと、全人学級の立入禁止の中庭に忍び込んだ。

おびただしい獣臭に当たりだと思った直後、寝床の扉が全て開いているのに気付く。そして二人の動きは大人たちに筒抜けだった。

 

 

真理亜は早希と仲直りしようと夜道を早希の家に向かって歩いていた。

月明かりも届かない茂みの中に無数の目が光っているのに気付き、何かを考える前に目の光を炎で焼き尽くした。
それは不浄猫の大群だった。炎は数匹を仕留めただけで、残りの不浄猫が牙を剥いて襲い掛かってきた。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

第12話 弱い環

捕まった早希は、町の最高責任者である倫理委員会議長の朝比奈富子の部屋に連れて行かれていた。

富子はおもむろに話し出した。

早希に自分の後を継いで欲しいと考えていると。その上でミノシロモドキが言及した、300万分の1の可能性が悪鬼の出現確率であると言い、富子の若い頃にも悪鬼がこの町に現れたのだと語り出した。

 

 

悪鬼になった子供は町の重鎮の子供だったこともあり、攻撃性を示すデータがあっても処分されずにいた。

やがてその子は悪鬼となり千人もの人間を虐殺した。

愧死機構により全滅も考えられたが、悪鬼はある医師の傍で死んでいたのだ。医師が何らかの方法で殺したと思われるが、それは未だに解明できていなかった。

その恐ろしい過去があるからこそ、例え親や子供本人にとって惨い仕打ちだとしても、多くの命を守るために危険因子になり得る子供は早期に処分しなければならなくなった。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

 

真理亜は必死に逃げていた。

知り合いの家はおろか、両親さえ守ってくれないかも知れない。

自分が瞬と麗子のことを忘れようと決断したのは、将来自分の子供が殺される可能性も受け入れることだと改めて思い、星降る夜空を仰ぎ死を受け入れようとした。

 

その時、守が現れて不浄猫を次々と殺し始めた。

守は自分らしいやり方で真理亜を守ると決めたのだ。町で生きられないなら外の世界で生きようと、大切な人が殺される町の仕組みから逃げ出すことを決断したのだった

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

 

富子は早希にどうして後を継いで欲しいのかを語りだした。

幼少期のテストで早希はとても高い心の強さを示したこと。

そして富子と同じ能力を持っていること。それは、自らのテロメアを修復する能力だ。

 

テロメアとは細胞内にあるDNAの末端部分のことで、細胞分裂の度に短くなっていく。

つまり寿命を表している。それを修復できるなら、寿命を自分の意思で無限に伸ばせるということだ。富子の年齢は267歳だった。

 

 

その時、真理亜と守が逃亡したとの報が舞い込んだ。

二人を連れて帰るなら処分は保留すると言われ、早希と覚はしぶしぶ町の外へと向かった。

もちろん早希は連れ帰るつもりなどなく、会って伝えたいことがあるだけだった。

 

思い出の河原には、早希へ宛てた真理亜の手紙があった。仲直りできないまま別れるのが一番辛い。もう一度好きだと伝えたかった。いつかまた笑って再会できる日が来ることを願っていますと綴られていた。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より3巻

 

 

感想

新世界より3巻でした。
面白度:☆8 驚愕度:☆8

割とあっさり記憶を取り戻しましたね。良が地味にけっこうなとばっちりを受けてますが、そんなの関係ねーですよ。早希たちにとっちゃあね。

真理亜とのくんずほぐれつも3巻で見納めだと思うと、寂しさで弾け飛びそうです。サラサラの赤髪のスレーンダー美少女よ、ありがとう。

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