
ゴブリンスレイヤー10巻
45話46話ネタバレ感想
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仲間たちからも冷たい目を向けられ、一人で麓の村に物資の調達に戻ったご令嬢。
雪山の兵糧攻めでゴブリンを安心安全に駆逐できるはずだったのに、疲弊していったのは自分たちの方だった…
45話
一人で戻ってきた令嬢を村人たちは歓待しようとしたが、まだ戦ってすらいないと言われ、懐疑的な目を向けた。
今まで何をしていたか問われても、令嬢は食糧を分けて欲しいと気まずそうに切り出した。
しかし、雪の山村にこれ以上の余裕はなく、令嬢はいたたまれない思いでまた山の中へ戻らなければならなかった。
もっと綿密な準備を。
勇気ある撤退を。
しかし、ゴブリン相手に手をこまねいて攻略できなかったなど、恥ずかしいことだった。
令嬢はまだ無駄なプライドを保ちながら途中で体力が尽き、夜営することにした。
術で起こした小さな火を見つめながら、心身の疲れが頂点に達してゆく。
内に居る時は父や家柄の凄さがただ疎ましいだけで、自分の価値そのものではないと感じていた。
呪縛とも言える恵まれたものを捨てて逃げ、仲間と共に冒険に出て初めて、いい家に生まれただけの矮小な存在だと思い知った。
そんな自己満足に引きずり込んだ仲間たちに申し訳なく思いながら目を閉じた。
直後、テントの中に何か嫌な音がするモノが投げ込まれた。
それは切り落とされたエルフの耳だった。
吹雪をものともせずに聞こえてくる、不気味な笑い声。
すると天幕が倒れてきた。
幕に火が移り、令嬢が必死で抜け出すと、大きくなった火のおかげで笑い声の正体がよく見えていた。
無数のゴブリンが取り囲むようにいて、見世物のように令嬢を笑っていたのだ。
雪山に響くゲタゲタと下卑た笑い声。
令嬢が怯えるほど嬉しいのか、汚らしい笑顔で近づいてくる数匹がピクリとも動かないエルフを引きずってくる。
そして男たちの首を高らかに掲げ、勝利品のように令嬢に向けて見せつけた。
もう謝れる相手がいなくなったことに令嬢は悲鳴をあげ、後ずさり、それでも剣を抜いて戦おうとした。
しかし、冷気で剣と柄がくっついてしまい、非力な腕では抜けなくなっていた。