新世界より4巻ネタバレ感想

悪夢の夏季キャンプから帰還したのも束の間、麗子、瞬に続き、真理亜と守とも今生の別れを強いられた早希と覚。

6人いた幼馴染みは次々と不幸な運命に消えていき、二人きりになってしまう。

 

 

第13話 紅い花

真理亜と麗子と仲良く体を重ねている早希。二人の柔らかい肌に触れていると、この上ない程の安心感に包まれた。でもいつの間にか自分だけが大人に成長していて、二人は最後に見たときのままだった。

 

夢から覚めると全身寝汗でびっしょりだった。全人学級を卒業してから6年。早希は親友たちを置いて大人になっていた。

 

 

 

覚は妙法農場の品種改良の研究員として働いていた。

覚と早希はいつの頃からか、お互いに幼馴染み以上の感情を抱くようになっていた。

特に覚の思いは周囲にバレバレで、いつプロポーズするのかとからかわれることも少なくなかった。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より4巻

 

 

その日は八丁標の外に仕事で来ていた。バケネズミ同士の戦争が勃発していて、鳥獣保護官の乾の護衛付きで調査している早希と共に、見学に来ていた。

 

戦っているのはスクイーラ率いる塩屋虻コロニーと奇狼丸率いる大雀蜂コロニーだった。

いつの間にか塩屋虻は大雀蜂に匹敵するほどの大所帯になっており、拮抗した戦いをするようになっていた。

それも「火縄銃」を開発し戦争に利用するようになったことが、大きく戦力を拡大させた理由のようだった。本来の火縄銃を改良し性能を飛躍的に上げているらしく、戦闘力の高い大雀蜂相手にも引けを取っていなかった。

 

だが、結局大雀蜂が勝利を掴んだようだった。

 

 

その日の夜、覚は早希を夕食に誘い、プロポーズするつもりだった。

もう26歳だしと切り出そうとすると、早希は26歳になっても子供を犠牲にする仕組みを何一つ変えられていないと嘆き出す。

あの頃から、早希はずっと思い悩んでいたのだった。

 

 

数日後、大雀蜂が塩屋虻に全滅させられたと報告が入り、早希と覚は安全保障会議に招集された。

劣勢だったあの状況からどうやって逆転したのか。

現地に残された死体や武器は燃やされており、まるで証拠隠滅を図ったかのようだった。図書館司書を担う早希の母親によると、ミノシロモドキから知識を得ていることは明白であり、先史文明時代の大量殺戮兵器を使用している可能性もあった。

 

だが、最強の呪力使いの鏑木肆星はその可能性を否定した。僅かに燃え残った大雀蜂の矢の状態が全くの無傷であったことから、空中で「呪力」によって止められたはずだと。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より4巻

 

 

しかし、この町に塩屋虻に協力する人間がいるとは考えられない。ならば過去に町を出て行った人間ならと発言が出ると、早希と覚は真理亜と守の顔が真っ先に浮かんだ。

 

しかし、その可能性はなかった。失踪から数年後に遺骨が発見されていたのだ。歯型、DNAとも一致し、間違いなく二人は亡くなっていたのだった。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より4巻

 

 

驚愕の事実に早希は気を失った。

自宅に運ばれ傍で見守る覚。彼は頭のどこかで二人の死を受け入れる準備をしていたおかげで、それほどショックを受けずに済んでいた。

 

 

教育委員会議長の鳥飼は、何が起こるか分からないこの状況で、1週間後の夏祭りを開催すべきでないと富子に進言したが、あえて不安を煽らない為にも例年通り開催しようと言われ、敬愛する富子の言葉に大人しく従うことに。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より4巻

しかし、嫌な予感がして仕方なかった。

 

 

 

覚はなんとか元気になってもらおうと祭りに誘うが、早希は真理亜の幻覚を見てしまい、大粒の涙を零していく。

 

泣き叫ぶ早希を見て、覚は勢い余ってプロポーズをした。

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著者名:及川徹 引用元:新世界より4巻

慌てふためいて訂正しようとする覚は、あいつらに自慢できるような理想の町を作ってからでもいいけどと言い直し、早希はやっと笑顔を取り戻した。

 

 

 

時を同じくして、祭りの賑わいの中にいた富子と鳥飼。

塩屋虻の駆除に向かった鳥獣保護官からの連絡が未だないことに心配を募らせる鳥飼に、優しく言葉をかけ、この町が平和を維持できているのもあなたのおかげだと労い、これからもよろしくと言った富子。

 

その直後、鳥飼の頭が吹っ飛んだ

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著者名:及川徹 引用元:新世界より4巻

 

 

暗闇から放たれる無数の銃弾。目で捉えることが出来ず、人々は自分の身に何が起きたか知る間もなく殺されていく。

 

早希と覚は聞き覚えのある火縄銃の爆音を聞き、急いで会場に戻り出す。

途中、火縄銃を抱え人間の扮装をした大量のバケネズミを目撃。覚は躊躇なく神の如き呪力を使い、炎で包み込んでいく。

 

偽りの神バケネズミの血みどろの戦争が始まろうとしていた。

 

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