
鵜頭川村事件上下巻
ネタバレ感想
鵜頭川村事件のネタバレエログロ画像、漫画最新話、感想、あらすじ、結末、無料で読む方法を紹介。
櫛木理宇の小説を原作に、河野那歩也がおぞましい惨劇を描き出す。
昭和末期のとある山村で、若者たちが狂気に駆られてしまう…
鵜頭川村事件
悪い子でいるとエイキチが来る。
子供の頃にそうやって躾けられた岩森はまだ小さな娘の愛子を連れ、亡き妻の故郷に墓参りで訪れた昭和54年6月、人口900人ほどの鵜頭川村で、世にも恐ろしい虐殺惨劇が巻き起こされた。

著者名:櫛木理宇 引用元:鵜頭川村事件上巻
愛子が3歳まで住んでいた村に墓参りがてら訪れた矢先、岩森親子は矢萩大助が降谷辰樹に暴力を振るっている現場に鉢合わせた。
この村はほとんどが矢萩と降谷で締められており、若者の就職口が矢萩工業だけなことから、矢萩一族は我がもの顔で闊歩していた。
そこに従業員の一人が割って入り、思わず大助を殴り飛ばして新たな喧嘩が勃発したその時、矢萩一族のボスとも言える社長が顔を突っ込み、どうしようもないドラ息子の肩をいつものように持ち、若い従業員を権力で押さえつけてしまうのだった。

著者名:櫛木理宇 引用元:鵜頭川村事件上巻
辰樹とは少し親交のあった岩森は複雑な気持ちになったが、今夜泊まらせてもらうのは、義伯父にあたる矢萩社長の弟である元市の家だった。
妻の両親は他界しており頼るしかないが、息子夫婦と同居している元市の男尊女卑は凄まじく、息子の嫁へのセクハラも当たり前、なのに夫であり息子は見て見ぬふり、おまけに酒癖も悪く、岩森も元来東京者というだけで、ストレス発散の捌け口にされてしまう。

著者名:櫛木理宇 引用元:鵜頭川村事件上巻
元市がかつてなく荒れているのは、ここ最近、村の若者が大人に対して反抗的になっているからで、今まであらゆる力で押さえつけていた社長や元市ら矢萩連中は少しずつ怯えを感じていたのだ。
そんな空気の悪い夕食の最中、雷が近くに落ち、停電になった。
日帰りにすれば良かったと後悔しながら眠りについた翌朝、岩森は何日も続いているらしい豪雨の中、元市の息子の隆也と一緒にバスの時間を確認しに行くことに。
その途中、愛子の面倒をよく見てくれていた小百合と会った。

著者名:櫛木理宇 引用元:鵜頭川村事件上巻
亡き妻や当時の思い出話もそこそこに、電話を借りようとしたその時、死んでると大騒ぎして助けを求める村人が現れ、岩森たちは慌ててその現場に同行した。
既に何人か群がっている中心に、血まみれで倒れている男がいた。

著者名:櫛木理宇 引用元:鵜頭川村事件上巻
一番そばにいた辰樹が被害者は降谷敬一だと教えてくれた直後、村内放送で伝えられたのは警報発令中と村外へと続く唯一の道が土砂崩れで分断されたことだった。
事件を伝えるべき駐在所は村の外、敬一の全身を刺しまくって殺した殺人鬼は村の中。
敬一は母が勤める診療所に運ばれ、母子の非業の別れが遂げられる中、集まった仲間たちはどうしようもないドラ息子矢萩大助の犯行に違いないと鼻息荒くするが、今はまだ、仲間の死を弔い、子供に先立たれた母親の悲しみに寄り添う時間だった。

著者名:櫛木理宇 引用元:鵜頭川村事件上巻
そして雷と豪雨のせいか、村中の電気設備がイカれていることが分かり、警察に通報することができないばかりか、陸の孤島と化した状況で救助要請も叶わないことになった。