
ドメスティックな彼女3巻ネタバレ感想16話~20話
先生との恋に決着をつけた夏生。
気落ちしていた時に、モモの優しさに触れて心がほだされる。
そして、誘われるままビッチの家へ招かれて・・・
第16話
高級感溢れる高層マンションに住んでいた、お嬢様のモモ。両親は仕事でほとんど家にいないらしく、いっぱいいちゃいちゃできるねと、すぐに身体をすり寄せてくる。
部屋に行き、ベッドに腰掛け二回目のキスをする。先生のことを忘れるためにも、モモをもっと知って好きになって付き合おう。
そう思ったとき、不意に携帯の着信音が鳴った。
内容はなんでもない瑠衣から、夕飯のリクエストを聞くメールだった。夏生が家族と仲がいいのを知って、自分の家とのギャップに寂しそうな顔をするモモ。
それでもこの雰囲気には抗えない。彼女のブラウスのボタンを外していくが、手首に無数の傷痕があるのを見つけると、モモはさっと隠して言い訳を始める。
仲が悪く仕事で帰ってこない親。小さい頃の写真しか飾っていない写真立て。ふらふら落ち着きのない恋愛体質。この子は愛情に飢えてるだけだと知った夏生は、このまま流されるべきじゃないと思い直した。
食材を買い込み、唯一自信のある焼きうどんを振舞った。寂しくなったら声をかけていいよ。誰かと一緒に食べるだけでも、少しは寂しくなくなるよ。そう言われたモモは、この傷を引かずに受け止めてくれたのは初めてだと言って大粒の涙を零した。
第17話
翌日の現国の時間は自習だった。気分転換に文芸誌を手に屋上に行ってみると、現国教師の桐谷が煙草を吸いながらサボっているところに出くわしてしまう。
夏生が持っている雑誌に目を付け、好きな作家は誰ですかと国語教師らしい質問をする。夏生は朱川湊人、桐野夏生、蓮川要などを挙げると、気が合いそうだといって顎クイをしてきた。
教室に戻る途中、偶然会った瑠衣に放課後部活見学に付き合って欲しいと頼まれた。それと、モモが焼きうどん作ってくれて喜んでたと伝えてくるが、うちでは作ってくれたことないのにと、無意識に唇を尖らせる。
その表情があまりに可愛くて、心が揺らいでしまう夏生だった。
夏生の友達二人は女子の運動部が見たくてついてきて、一通り堪能して帰って行った。二人になってから文化部を回り始め、文芸部があることを知る。部室には誰もいなかったが、大量の本が棚に収めてあった。その中に蓮川要の著作もあり、夏生は読んだことのないタイトルを無断で持ち帰ってしまう。
後日、そろそろと部室に本を戻そうとした時、奥の方から声が聞こえてきた。そっと覗いてみると、あの桐谷と女子生徒が顔を重ねていた。
[ad#co-2]
第18話
後ずさりした時に物音を立ててしまい、二人に気付かれてしまった。こうなれば真っ向勝負で何をしてたんですかと訊くと、桐谷の目に入りそうなまつ毛を取っていただけだと判明。
おまけに無断で本を持ち出していたのがバレてしまい、脅迫紛いに入部を勧められていく。
女子生徒は部長の葦原美雨。新しい新入部員に打ち震えるほどに感動していた。
そして、さっそく部員勧誘のチラシ配りを指示される。放課後になり、美雨の作ったチラシを手にぽつぽつと文芸部の現状を聞いていくと、今は彼女一人しかおらず同好会扱い。勧誘のポスターは申し訳程度に貼っているだけだった。
顔を輝かせて歓迎してくれているのを見ると、本当のことを言い出せなかった。
正門を受け持った夏生が順調に配っていると、瑠衣がやってきた。桐谷に捕まってやってるけど、入るかどうかは分からないと話しているところに、当の桐谷が音もなく現れて、既に入部届けは出してますと言って去っていった。
全て配り終え、裏門の美雨を見に行くと、ほとんど減っていなかった。声も小さく、人に話しかけるのが苦手なことだけは痛いほど伝わってくる。見かねた夏生は励ますように言葉をかけて、チラシを受け取った。
翌日の放課後も強制的に部室に呼び出され、執筆の経験があるかと訊かれて、正直に最近は恋愛ものを書いていたと答える。
美雨も恋愛ものを書いているらしい。しかし、恋愛経験に乏しい二人では、それなりのものしか書けない。内容に深みを持たせるためには経験が大事だと言って、ここでキスするように言ってきた。
理解できず反論する夏生を横に、美雨はあっさりと目を閉じてしまう。
第19話
戸惑う夏生。女の子に恥をかかせてもいいんですかと言われ、彼女に向き直るが、その目からは今にも涙が零れそうに盛り上がっていた。
それを見て、そっとティッシュを渡す夏生。桐谷は若者のキスをただ見たかっただけかも知れなかったが、これで夏生の人となりが分かったと言って、書いたものを読ませて欲しいとお願いしてきた。
リビングで桐谷とのあれこれを話していると、瑠衣が入ろうかなと言い出す。陽菜は何事もなかったように振舞っているし、瑠衣も少しずつ心を開いていて、家族関係は順調に育まれているように見えた。
翌日、図書室に行くと美雨が静かに本を読んでいた。もしかしたら一人入部するかもと伝えると、満面の笑顔を見せてくれて、思わずドキッとしてしまう。
図書室を一緒に出た時に、美雨は持っていた本を何冊か落としてしまった。同時に伸ばした手が触れあい、美雨は一瞬で顔が赤くなり、夏生もつられて赤くなってしまう。その時にはもう、慌てて去っていく彼女の姿がキラキラ輝いて見えていた。
第20話
放課後になると、瑠衣にモモが引っ付いて来た。文芸には興味ないけど二人が入るなら自分も入りたいらしい。
部室に二人を連れて行くと、美雨はテストの順位表のトップ10に入っている柏原モモの名前を知っていた。やればできるし、彼氏がいるときは勉強が手につかずガクッと成績が落ちる、まさにやればできる子だった。
美雨と夏生が楽しそうに話しているのを見て、どこか二人だけの空間があるように見えて疎外感を感じてしまう瑠衣。
珍しく日曜にラマンを訪れた瑠衣。最近自分の中に感じている変な胸焼けが怖いとマスターに相談するが、それはどう考えても恋だった。
マスターは自身の経験から瑠衣にアドバイスする。今は思うように行動してれば、そのうちその胸焼けに名前が付けられるようになるわよと。
その日の夜、夏生の部屋に行って何を話すでもなくベッドに腰掛ける瑠衣。夏生が読んでいる本が部長から借りたものだと知り、そっけなく返事するだけ。
その直後、黙って手を重ねる。
感想
ドメスティックな彼女3巻前半でした。
ゆるふわビッチ可愛いです。寂しさを快楽で埋めるビッチ思考はいただけませんが、私なら酒のつまみを作ってあげたくなります。
控えめな地味かわ部長も可愛いし、瑠衣は相変わらず可愛いし、どいつもこいつも可愛い。ドメスティック要素はどこに?
[ad#co-3]