
屍囚獄1巻ネタバレ感想
大学教授のフィールドワークに同行した女子大学生達。
携帯の電波も届かないような村に、不満を漏らす彼女たち。
やがてその声が悲鳴に変わっていく・・・
1話
泣き叫んで許しを請う女性。
だが、声は断末魔の悲鳴に変わる。
鋭い斧の一閃が腕を足を寸断し、女性はあっけなく事切れた。
教授の運転する車は、山間の道を縫ってようやく山深い八坂村に辿り着いた。
人口43人という消滅寸前の集落だった。
猿田彦という祭事の際の名を持つ天野村長の家で1週間お世話になる予定だ。
右から沙霧、比奈、助手の香坂、美琴、関西人のこのは、さより、美那。
家はかやぶき屋根で古臭そうな外観にさっそく彼女たちは不平を漏らし始める。
村長に挨拶していると、額に納められた夫人の写真の話題になった。
若い頃の写真は確かに美人だが、どこか生気が感じられない。夫人を「宇受売(ウズメ)」と呼ぶが、その意味は語らなかった。
その時、息子の貴彦が姿を見せた。そこそこイケメンだが、無職で独身だという。
つまり、女っ気のない村に女子大生を連れてくることで、調査をしやすくしようというのが教授の思惑だったようだ。
そしてもう一人息子がいた。巨躯を持て余すように知能が遅れている伊助。
隠されるように床に臥せっている母親の看病が、彼の仕事であるようだった。
その日の夕食は、女を求めて村の男達が天野家に集った。
何の肉か分からない鍋と酒を振舞われた晩餐の話題は、50年もの間女の子が生まれていないというこの村のこと。
それはウズメ様の祟りだと、気味悪い顔で村の男は呟く。
翌日のフィールドワークをサボった比奈は、沙霧を連れて他の家にウォシュレット付きのトイレを借りに行っていた。
用を足し終わった比奈が沙霧を探していると、いきなり背後からトイレを貸してくれた男が胸を鷲掴みにしてきた。
隣の家まで300mは離れているらしく、男はベルトに手をかけて息を荒くしていく。
若い女を見て我慢できるはずもなく、欲望のままに襲い掛かろうとする。
その時、さらに背後から振り下ろされた斧が、男の脳天を真っ二つにした。
2話
天狗の面を被って血まみれの斧を持つ男。
比奈の服は夥しい鮮血で紅く染められていた。
その頃、村長に連れられて教授、香坂、このは、美琴、さよりが珍しいご神体を見学していた。まさに男根をそのまま象っていて、日本各地にも同じようなものが伝わっている。
美那にパシリ扱いされているさよりは、こんな時でもいい様に使われて、煙草を買いに抜け出して行った。
比奈は悲鳴を上げながら隣の部屋に転がり込むと、手足を縛られた沙霧がいた。
しかし、助けようという考えが浮かぶ間もなく、彼女を突き飛ばして我先にと逃げ出す。
外が土砂降りになりだした頃、比奈は一人で帰ってきた。
小さな声でブツブツ呟いていたかと思うと、天狗のお面を見た途端に叫び出し、気を失ってしまった。
それから程なくして沙霧も何事もなかったように帰ってきた。
比奈と一緒にいたはずだが、何も知らないとすげなく答え、冷えた身体を温めに浴室へと消えた。
ぬかるむ道を急いでいたさより。
せっかく買った煙草もびしょ濡れになってしまっていた。
小さな社を見つけて雨宿りしていると、すぐ近くの繁みに人影が見えた。雷鳴が轟いた瞬間、目と目が合ったその男はどこかへ逃げ出してしまった。
何をしていたのか確かめようと繁みをかき分けると、急に空いていた穴に足を滑らせて落ちてしまう。
そしてそこには、手足が寸断され腐り始めた女性の遺体が遺棄されていた。
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