
屍囚獄2巻ネタバレ感想
気味悪い男ばかりの八坂村。
斧を持った巨躯の男。腐った死体に殺された教授。
正気を失ったさよりは、鎌を振り下ろした・・・
6話
平然と食卓に着く沙霧。比奈は信じられない思いでそれを見ていた。
あれは悪い夢だったと思いたいが、確かに村人は殺されたし沙霧も恨み言を言い返してきた。何を言っても誰も信じようとしない。あの家で死体を見れば嫌でも分かるはず。
そう言って皆を連れて行こうとしたとき、あの天狗の面を被った男と背格好がそっくりな伊助が現れ、比奈は堪らず逃げ出した。
香坂は貴彦を探していたが、車の辺りにもいなかった。
そこにまた別の村の男が車でやって来た。送るから乗れと言うが、リアシートには血と髪がこびり付いた鋤があった。
さよりが言っていた事は本当かも知れないし、ここの住人は迂闊に信用できない。
申し出を断り二人が待つ小屋に戻り扉を開けた途端、鉄の匂いが溢れ出して来た。
さよりは地べたに座り、のこぎりで何かを切り刻んでいた。
鈍い音を立てて足元に転がってきたのは、変わり果てた美那の首だった。
7話
香坂に気付いたさよりはゆらりと立ち上がった。人を切り刻んでいたと思えないような微笑みを見せた次の瞬間、正気を失った顔に変わってしまう。
美琴はさっきまであった天狗の面が消えているのに気がついた。
その部屋の押入れから一匹の猫が飛び出してきて、しまってあったものをぶちまけながらどこかへ行ってしまった。
それは何冊かのアルバムだった。
好奇心に駆られ中を見ていくと、幼い頃の可愛らしい貴彦や、天野家、村人達が収められていた。しかし、その中にはたった一人も女性が写っていなかった。
村人達の母親でさえいない。
明治時代の写真も残されていたが、その頃から一切女性は写っていなかったのだ。
2階で息を潜めていた比奈を見つけた沙霧。
比奈が伊助が天狗男だと言うと、沙霧は既に知っていたらしい。
確かに村人を殺したが、あれは二人を助けるためだったと言い出す。
沙霧はあの男に部屋に案内されたが、そこにあったのは気持ち悪い女型フィギュアのコレクション部屋だった。
そして包丁で脅され、拘束されてしまったが、比奈が逃げ出した後に伊助は拘束を解いて何もせずに逃がしてくれていた。
助けてくれた理由は分からないが、今村の中で頼れるのは伊助だけのようだ。
そう伝え終わった時、天狗の面を着けた男が階段を上って来た。
比奈は沙霧の後ろに隠れるが、彼女は動じることもなく大丈夫だと声をかける。
しかし次の瞬間、男は斧をバットのスイングのように振り抜いた。
刃の裏側の峰打ちだったが、沙霧の首はあらぬ方に折れ曲がっていた。
8話
このはは風呂上りに携帯をチェックしたが、変わらず電波は受信できなかった。
兄へのメールを打ちながら、このフィールドワークに参加するきっかけになった出来事を思い出していた。
ブラコンのこのはは、久しぶりに帰省した時に兄と釣りに出かけることを楽しみにしていた。しかし、兄から婚約者を連れて帰るので遊びはまた今度と言われ、兄を盗られたような気持ちになって帰省を取りやめ、教授についてきたのだった。
部屋に戻る途中、美琴がアルバムを広げて見入っていた。
100年以上前から女性の気配がなく、しかも家系図では妻の名の箇所が「宇受売」ばかりだと教えられる。
さよりから逃げ出した香坂は誰かに助けを求めたかったが廃屋ばかりで、仕方なくその中一つに身を潜めることにした。
入った途端に異臭が鼻をつき、血の痕があるのを見つけた直後、後ろから殴られ意識を失ってしまう。
どれくらい経ったのか、目を覚ました香坂はシャツのボタンを外されていて、傍には軽トラ男がボコボコにされて気を失っていた。
天狗仮面から逃げようと、比奈は窓から屋根を伝い地面に滑り落ちた。
足を引きずりながら近くにあった軽トラに逃げ込むが、キーはささっておらず身を縮めて息を殺すしかなくなる。
だが足音は確実に近づいて来ていた。
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