
屍囚獄4巻ネタバレ感想
一人また一人と命を奪われていく女たち。
白シャツの男とさよりの抵抗はどこまで続くのか。
そして、美琴も凶刃の犠牲になってしまうのか・・・
16話
香坂はさよりが白シャツの男が犯人だと言っていたのを思い出し、思い切ってストレートに訊いてみると、男の目的は村人達に殺された恋人の復讐だと話し出した。
さよりが見たのは死体を埋めていたのではなく掘り返していたのだ。
その死体が彼の恋人らしい。
3ヶ月前、村の近くをドライブしていたとき、口喧嘩になり彼女は飛び出して行ってしまった。いくら待っても帰ってこずにこの八坂村に探しに入ると、偶然村人達の話が聞こえてきた。
その話を信じたくなかったが、あちこち掘り返してそれが真実だと分かったばかりだった。
そして彼は復讐を決意したのだ。だがまだ殺人は犯していない。
村人は痛めつけるのに止め、殺すのは首謀者の村長だけにするつもりだった。
着物の天狗は美智乃に斧を振り下ろした。衰えきった老婆はあっという間に事切れる。
すぐに美琴に振り向く着物天狗。
その時、伊助が天狗に体当たりして吹き飛ばした。
しかし、美琴を助けた訳ではなく無残な姿になった母に縋りついたのだった。
天狗はすぐに逃げ出した。
その後さよりが来て、伊助が美智乃を殺したと騒ぎ出した。
美琴が止めるのも聞かず騒ぎ立て始めると、村長が計ったように姿を見せた。
美智乃の前で泣きじゃくる伊助を見下ろし、火あぶりという非情な宣告をした。
縄で繋がれ男たちに引き摺られていく。美琴の言葉など誰の耳にも届かず、予定調和のように磔にされる。
暮れゆく空に、狂気の声が響きわたっていく。
17話
美琴の叫びは虚しく掻き消えた。
炎に包まれる伊助。
痛みからか、それとも母を悼んでか、彼の目からは涙が止め処なく流れていた。
邪魔者は消え、男たちはさっそくさよりに目を移した。
すると比奈が待っているからと漏らしてしまい、箍が外れているさよりは当たり前のように男たちを案内する。
貴彦専用の美琴は光も入らない蔵に閉じ込められてしまった。
比奈は民家に侵入して飢えを満たして眠り込んでいた。
だが、そこの住人が目を覚まして比奈に襲い掛かってきた。
不幸中の幸いか、相手はかなりの老人だったおかげで撃退することに成功する。
また暗い山の中に入って震えていると、さよりの声が聞こえてきた。笑顔を見せて振り向くが、すぐに顔が引きつっていく。
さよりは何人もの男を連れて来ていたのだから。
暗い中で害虫やねずみの這い回る音だけがやけに大きく聞こえてくる。
気が狂いそうになった美琴は重くて分厚い扉を叩き始める。
すると鍵が開けられ光が差し込んできた。開けてくれたのはうずめだった。
鍵は貴彦が託してくれたらしい。彼はずっと村人達からうずめを守ってきたのだ。
いつか本当の生活に戻してあげると希望を絶やさずにいてくれていた。
彼も美智乃や伊助と同じく、この因習に抵抗する一人だった。
神社に戻るため、うずめの後をついて山道を進んでいく。
その時、香坂の悲鳴が聞こえてきた。
急いで声の方に駆けつけると、白シャツの男が逃げていく姿が見えた。
そして、香坂もまた無残な姿で発見してしまう。
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