
監禁嬢2巻ネタバレ感想
気味悪い「カコ」という女に狙われ始めた岩野裕行。
監禁から解放されたものの、魔の手は一人娘の日輪子に伸びてしまう。
8話
裕行は柵を乗り越えて飛んだ。ほんの数秒あるかないかの間に、美沙子の出産シーンが思い出されていく。精一杯伸ばした手は、日輪子のおくるみに届いた。
落ちながら街路樹の枝やフェンスを片手で掴もうとして、なんとか衝撃を和らげられた。
日輪子に怪我はなく、すぐ病院に行って手を治療してもらい、美沙子にも何があったかを説明し、彼女の伯父の家にしばらく二人を匿ってもらうことにする。
カコは勢いのあまり赤ちゃんを投げたことを悔やんでいた。
周りの人間に躊躇しないといっても、裕行に怪我をさせたのでは元も子もない。
そう反省しつつ、鍵で自分の掌をぐちゃぐちゃに傷付けていた。
9話
藤森とヤッているところを美沙子が見ている。
カコが自分の中から出てくる。
そんな悪夢を見てしまった裕行。
美沙子と日輪子を伯父の家に預ける前に、妻の携帯からカコの情報を調べた。
翌朝になっても美沙子は半信半疑だったが、とにかくカコに近づかないよう言い聞かせた。
学校で藤森にも昨夜のことと夢のことを話してみた。
夢の中では自分が悪いかのように謝っていた裕行。
被害者でしかないはずなのに、なぜか謝っている自分。
そう聞かされた藤森は、彼自身にも分からない心理を、的確に説明してみせた。
10話
美沙子を装ってカコを呼び出した。可能な限りの金を渡して自分達の前から消えてもらうつもりだった。
しかし、カコの目的は金などではない。
自分は誰で何が目的か?その正解を導き出して欲しいだけなのだ。
厚みのある封筒を押しやり、圧倒的に有利な立場にあるのがどちらなのか、改めて突きつけてくる。
記憶は美化も劣化もする。1ヶ月の前に何をしていたか急に訊かれても、咄嗟に思い出せる人などそうはいない。
でもカコが「餃子」と一言口にしただけで、裕行の頭の中には夕食に餃子を包んでいた光景がまざまざと蘇ってきた。
カコの目的は最初から一つだった。
金は受け取らないが、自分から行動したことは褒めてあげますと言い、カコは鬼ごっこを挑んできた。
11話
会計している隙に走り出したカコ。
人ごみをすり抜けて全速力で駆けていく。
密かに後を尾けていた藤森は、あっという間に振り切られてしまう。
しかしその時、よく知った顔を見つけ、そっちについていくことにする。
ラブホ街に逃げ込んだところでようやく追いついて、腕を掴んだ。
するといきなりキスをしてくるカコ。
その背後にはいるはずのない美沙子が二人を見つめていた。
カコは猫を被り被害者面をし始める。
裕行が美沙子を装って連絡してきたことも初めから分かっていて、先に美沙子を呼び出していたのだった。
妻の目には、旦那が自分の友達と浮気しているようにしか見えなかった。
12話
あの状況を切り抜ける説明ができなかったが、美沙子は日輪子を連れて帰ってきた。
それからというもの、毎日のように求めてきた。
妊娠してから我慢させてばっかりで、男の性欲のことなど考えていなかった。
浮気しようとしたのは最低だが、原因は自分にもあると思っていたのだ。
一回の浮気で別れるくらいなら、初めから結婚などしていない。
そう言って、連夜の激しさは止まるところを知らなかった。
裕行が出しても美沙子は止まらない。
どこからかローターを出してくると、あっという間にイってしまう。今度は挿入しながらあそこに当てると、大量の潮を吹いた。
毎夜の営みは裕行への懺悔と言うより、女の喜びと嫉妬心から来るものだった。
激しく交わりながら思い出していたのは、カコがキスしてきたときに囁いた一言。監禁された部屋に行けば、思い出すヒントがあるかも知れない。