
聖女の揺籃,毒女の柩1巻
ネタバレ感想
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母親が亡くなったのをきっかけに、父親の虐待が始まって苦しみの日々を送っていた14歳のジューゴと10歳のシローの兄弟。
やがて父も亡くなり、両親とも失った兄弟は運良く二人揃って孤島にある養護施設に引き取られることになった。
しかも、シスター・コレーはとても暖かく優しい笑顔で迎え入れてくれ、大きな胸で抱きしめてくれた…
聖女の揺籃,毒女の柩1巻
大きな瞳、長い睫毛、口元のほくろ、溢れ出る母性。
出会ったばかりで抱きしめられ、お母さんと呼ぶことを促されたシローは涙を流して喜び、シスターの胸に抱かれた。
そして週一回の定期便に乗って常世島に降り立ったジューゴとシローの二人を待ち受けていたのは、リゾートホテルのような瀟洒な建物と、農作業をしているらしいこれから一緒に暮らす子供たちだった。
彼らもシスターを心から慕っているようだったが、さすがに懐いているというレベルを超えているように見えた。
そしてジューゴは、自分たちに一瞬向けられた鋭い視線に寒気がした。
ただそれも、気のせいと思えるほどの一瞬の視線だった。
養護園エリュシオンを案内してくれたのはミトというクールな美少女。
ギリシャ語で楽園という意味の言葉に相応しく、建物の中は生活するのに何不自由なさそうで、兄弟はこれからの生活が楽しくなりそうな予感を膨らませていく。
ただ、ミステリ好きのジューゴはミトのスカートについている赤い染みが血としか思えず、好奇心のままに指摘した後、デリカシーなく笑い話にしようとした。
その染みはざくろらしく、自分たちで育てて出荷もしているらしい。
果たして、ジューゴはそれが本当にザクロの染みなのかまで調べようとは、この時まだ思いもしなかった。
その日の夜、他の子供たちとお揃いの服に着替えた二人が食堂に行くと、自分たちだけ席が離れているのが気になったが、シスターが心から自分たちのことを大切に思ってくれている挨拶に胸打たれた。
そしてざくろジュースも夕食もとても美味しく、兄弟は久しぶりに幸せな時間を過ごした。
しかし、シローがどうしても食べられないトマトを代わりにジューゴが食べようとしたその時、シスターが急に恐ろしい表情に変わってジューゴを止め、カッと目を見開いてシローを凝視した。
そして号泣しながら食べ物は愛だと語り出した。
いわゆる、農家が苦労して育てた愛と、子供たちを思ってシスターが用意した愛が詰まっているから、それを無下にするのは考えられない行為だということだった。
だからジューゴは無駄にしないよう代わりに食べると言うがシスターにその理屈は通じず、更に子供たちもシスターの悲しみに乗っかって兄弟を悪い子だと連呼し、全員で身動きを封じた。
そしておなかいっぱいの犬の刑と称して、シローに犬のマスクを被せた。
地べたに置いた皿に盛ったトマトを食べろと指示されたシロー。
シスターは情緒不安定のように笑顔と涙を繰り返し、ジューゴが激昂してもシローが食べきるまで許さない。
シローはマスクに残っているすえた臭いとトマトで吐き気を催しどうしても食べられずに許しを請うと、子供たちが無理やりねじ込もうとする。
それは止めたシスターはしかし、許したわけではなく、愛ゆえに、あなたのために、できるまで見ていてあげますと穏やかに追い詰めていく。
だからシローが諦め、意地で食べきると、シスターは満面の笑みで喜んだ。