
ガンニバル10巻
ネタバレ感想
ガンニバルのネタバレエログロ画像、漫画最新話と最終回、最終話、最新刊、感想、あらすじ、結末、無料で読む方法を紹介。
攫われた妻子を助けるためにじめじめしたトンネルで後藤家と相対した大悟。
恵介の助太刀で助けられるかに思えたが、突然のあの人の乱入でましろが奪われてしまう。
小さな村でそれぞれがそれぞれを憎み合う負の連鎖は、いよいよ自衛隊まで動かしていく…
ガンニバル10巻
これは死にぞこないの神主、正宗の若かりし頃の記憶である。
初めて後藤銀を見た正宗はその美しさに目を奪われ、彼女も彼の方を確かに見つめ返したが、視線を合わすことさえ許さず長い髪を引っ張っていく乱暴で酷い男が傍にいた。
それが次の当主と目される後藤金次で、とにかく乱暴者で村人から恐れられ憎まれている存在だった。
正宗の父、吉宗は現当主の後藤定と話し合ってうまく事を運ぶと息子に言い繕っていたが、彼なりの村を思う行動はやがて色に狂わされる息子と相容れるものではなかった。
金次と銀は腹違いの兄妹と言われていた。
そんなことは関係なく、金次は銀を執拗に犯して凌辱しまくっていた。
気に入らない村人に暴力を振るい、蔑みながらも銀の身体を求めて乳房に齧りつき、病に臥せっている父にまともな治療を受けさせずに死を願う暴君が金次だった。
私利私欲、快楽、復讐。
様々な思いが絡み合い、一人の男と女、異常な一族により起こされる罪悪に塗れた物語は現代まで尾を引くべくして引いた。
暴力という言葉では生温い、殺されかけた村人の陳情を受けた吉宗は息子を伴い、後藤家に物申しに行った。
不遜な態度で迎える金次に対し、まずは定の様子から切り出した吉宗は、狂い病だとバレないようにする思惑はなんだと核心を突き、人肉食について切り込んだが、それはヤクザ紛いの後藤家に引き金を引かせかねない指摘だった。
表面的には恩義のある吉宗に手を出したくない金次。
村人との緩衝材になっている自負がある吉宗。
然るべき落とし前をつけさせに来たはずの吉宗はしかし、供花村の支配を目論む金次に手を貸すことを約束したのだった。
そこにどんな思惑があるのか正宗は知る由もなかったが、確かに後藤家には村人を憎む相応の理由があった。
それでも正宗が納得し切れないで自分にできることを模索し始めた時、タイミングを計って接触したのが銀だった。
秘密の逢瀬を演出して近づいた銀は、ゆっくり話をするにはおあつらえ向きな神社の御本尊がある神聖で妖しい空間に連れ込み、乳輪の周りに残された深い歯型を見せた。
それは許されざる行為の証拠、後藤家内でも村人からも蔑まれている現状。
ただの一人の女性として扱われるべきだと義憤に駆られた正宗のバカ正直さを見抜いた銀は、散々搾取されてきた自慢の色香で骨抜きにしたのだった。
二人がちょこちょこ会い出すようになると、あわや殺されかけた村人本人でさえ、金次に媚を売るようになっていた。
果たして吉宗がどんな働きかけをしたのか、ともあれ怒りの矛先を向けられなくなった金次はだからこそ、自分でなにもしようとしない村人を卑怯者だと蔑み続けていた。
そして、銀がこそこそ会っているのが吉宗でないと分かると、一肌脱いでくれた兄貴分に忠告した。
誘ってきたのは銀からで、ここに来るまで多くの男を色香で手懐けてきた毒だと言われている本人は、現時点で最大限利用できる正宗の上で腰を振っていた。