
インフェクション249話250話251話
ネタバレ感想
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自分の過去を見せた渚は、我が家にいることを伝えた。
何度もただいまを言ってきた我が家に帰ってやっと母と対峙した晴輝は、保菌者騒動を経験したが故の答えを求められた。
インフェクション249話
人から死を奪っていいか?
晴輝の答えによっては被害者を生き返らせた後は、今まで通りに人が死ぬ世界に戻すと念を押し、息子にここまで来た答えを訊ねた。
保菌者騒動で惨たらしい死をたくさん見てきた晴輝はもちろん、妹が殺された小鳥も死は無くすべきだと息巻いた。
そう言わせるための保菌者騒動だろうと晴輝が指摘すると、渚は淡々と、騒動の目的は進化情報の熟成と、人類に死を体験させることだと明かした。
まさに神の如き言い草にキレた神城は虐殺の目的を問い詰めるが、渚は穏やかに死を無くすことと問いの答えを聞くのが目的で、それらが済めば死ぬつもりだとも明かした。
不死の世界を創って世界から退場するなんて言われれば、もう神城も神と呼べる業に怒ることもできず、神だと認めるしかなかった。
誰もがハッピーな楽園が待っているわけではないとバカでも分かるが、例えば轟は歓喜して武の道を追究し続けるだろうし、エリックのような悪人も怖いもの知らずで欲望に忠実に生きるだろう。
そして平和を守るために、今は亡き消防隊員たちと共にまた働ける未来を提示された神城は、あれほど殺意を覚えていた相手についに感謝してしまった。
この流れは紗月にとって分が悪いものだった。
渚を悪者にしたまま自分の思い描いた流れに持っていきたかった紗月は、急にいい人っぽい空気になっていることに焦った。
人智を越えた科学力で死を無くそうとしているなどと、とんでもないことを明かしたものの、その実、最後に自分がなぜこんなことをしでかしたのか、きっかけになる悲しい過去を子供たちに見せつけたのは同情を誘うためだと、紗月は見透かしていた。
そんなお涙頂戴な感情を抜きにすれば、天才が才能を思う存分振るいたかっただけのマッドサイエンティストに過ぎず、やはり稀代の極悪人には違いない。
渚にとっての一番の幸せは、家族との穏やかな時間ではなく、亡き母の気持ちを解き明かそうと未知の科学に挑戦した時間に他ならない。
穏やかな日常よりまた刺激が欲しくなった天才主婦は行動こそ起こさないまま、才能を発揮する出来事を待ち望んでいた。
その時に起こったのが津波災害で、多くの死がもたらす悲しみを口実に、人類を掌の上で弄んだのだ。
他者の弱みを見透かせてしまう紗月はどうしても、渚が極悪人にしか見えなかった。
それはふざけた記憶改竄で、自分を五月雨家で育てさせた恨みがあったからかも知れない。
例えそうだとしても、晴輝が死なせたくないと思ったのだから、その思いを汲んで説得し、自殺を阻止するのが紗月の狙いだった。
渚は改めて今まで見てきた死について問い質した。
小鳥が妹の死は悲惨だったと答えれば、実際に一度死んだらぎ姉は、彼に看取られながら逝けたのは幸福の絶頂で、生き返った後の方が不安だと答えた。
すると香里は二度と死にたくないと答え、関は死によって人生が完成したと思えて満足したという。
そんな女性陣の意見が出てから渚は改めて、死には人を進化させる力があると伝え、また改めて答えを訊ねた。
訊ねられたのは果たして晴輝だったのか、それとも神父だったのか。
おもむろに立ち上がった神父は背中の銃に手をかけ、神は人を死ぬように作ったのにそれを無くそうとするなど冒涜だと完全否定し、渚の頭を撃ち抜いた。