
インフェクション65話
ネタバレ感想
急速に進化を遂げるメット。
それが呼ばれて保菌者の大群が現れ、3人は海に避難することに。
果たして無事に逃げ切れるのか!?
65話 晴輝への信頼
あの一緒に風呂に入った時。
もし今、この想いを断られたら、今まで通りに晴輝の力になれる自信がない。
だから・・・
そう言ってその場限りでも晴輝に受け入れてもらったらぎ姉の気持ちは、今も変わっていなかった。
何とか海まで逃げ切れれば、正面から襲われる心配はなくなる。
追って来ているのは、今や3種類にまで増えた保菌者たちだ。
ゆっくりにしか動けない通常の保菌者と、巨大で歪ながら機敏に動く新型、そして感染死したのが蘇って驚異的な身体能力を持った感染者。
後者の2種類には追いつかれるだろうが、新型をショットガンの晴輝が、素早い感染者にはらぎ姉の正確な狙撃で迎撃できれば、逃げ切れる公算は高い。
さっそく一体の感染者が集団を抜けて飛び出してきた。
しかしらぎ姉はぼーっとしていて、晴輝に声をかけられてようやく自分の役割を思い出した。
丸橋に噛まれたのが靴底じゃなかったら、らぎ姉も向こうの仲間入りをしていた。
そう思うと冷静じゃいられなかった。そもそも、丸橋の気配に気付かなかったのも、紗月がやはり晴輝にとって特別なのを見せつけられたのと、昨夜、きららと晴輝の情事を見てしまったからだった。
それでもしっかり仕留めて見せるらぎ姉に、晴輝は賛辞を惜しまない。
しかしもう一つ、お風呂での出来事で幸せを感じていたのも事実だが、高木に言われた「まだ晴輝の一番になれると思ってるのか?」と言う、ストレートな言葉に打ちひしがれていた。
晴輝がきららに電話をかけて救助を要請するが、手榴弾の爆発音が耳を劈いた。
きららの方も新型や感染者に追われていて、すぐには助けに来れないようだった。
とにかく晴輝たちは前に進むしかない。
その時、どこからか感染者の大群が現れ、猛スピードで迫っていた。
さすがにあの数に追いつかれて囲まれでもしたら勝ち目はない。
晴輝はきららに折り返し、近くにきたららぎ姉の方にかけてくれと指示した。
そしてそのすぐ後にらぎ姉に作戦を伝えようと振り向くと、彼女は涙を流してボーっとしていた。
東部道路の高架下にまで逃げたところで晴輝は作戦を伝えた。
このまま道路の下で晴輝が囮になりながら、一番近い新型を殲滅しつつ感染者を引きつける。その間に二人は道路の上にあがり、晴輝を追う感染者を後ろかららぎ姉が狙撃する、という作戦だった。
しかしらぎ姉は即座に却下した。
晴輝は自分を犠牲にして、自分たちを助けるつもりなのだろうと思った。そんな作戦には乗れないと捲くし立てたが、紗月はそれを無視するかのようにその作戦でいこうと言った。
[ad#co-1]
結局らぎ姉が従うしかなかった。
自分は彼を信じられず、紗月は信じた。
それが、この恋の結末を示している気がしてならなかった。
晴輝がギリギリで新型の攻撃を掻い潜りながら確実に仕留めている間、らぎ姉は、もしかつての日常に戻れたとしても、彼に選ばれることのない未来を思うと惨めさに襲われていく。
幼少期から様々な技術を叩きこまれたらぎ姉は、期待を超える実力をつけていった。
ただ侍女曰く、未来を見通すようなお嬢様でも、それが逆に足を引っ張ることもあるでしょうと、まだ幼い彼女に忠告した。
そう、例えば叶いそうもない恋をした時・・・
しかしちゃんとアドバイスもしてくれていた。
そんな叶いそうもない恋に挑む愚か者がいたなら、なぜそうできるのか秘密を学べと。
それを思い出したらぎ姉は、周りがどうだろうと自分の気持ちに素直になると決めた。
銃床で自分の額を打ち付けて冷静さを取り戻したらぎ姉は、思わず笑いがこみ上げた。
素直な自分の本心は、もうあのキスの時からハッキリしている。
彼に愛されたい、一番になりたい、また甘く愛して欲しいのだと。
らぎ姉が抱いていた不安はどこかに消え、背中から撃つ感染者は次々と倒れていった。
紗月が横にいるのも構わずに、自然と決意が口から滑り出ていた。
晴輝を追う感染者を全員仕留めて、指を立てて見せた。
しかし、振り返った晴輝はとんでもないものを見てしまう。
それは今までと変わらず、ただただ急速な進化を遂げるメットの姿だった。
感想
インフェクション65話でした。
心理的描写と緊迫感がいい感じに混ざり合ってましたね。
ただ、晴輝も逃げるだけじゃなくて感染者を撃てば良かったのでは?と思いました。
まあそれは置いといて、メットの気持ち悪さも急加速。そのうちだいだらぼっちみたいになりそうな勢いです。