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インフェクション

インフェクション67話
ネタバレ感想

巨大におぞましく進化を続けるメット。

晴輝が真っ向勝負を挑もうとした時、最も頼りになる男、神城が助けに来てくれた。

 

 

67話 最強の帰還

足を切り刻まれたメットは野原に倒れ伏した。

 

神城の背中を見た晴輝はまだ信じられなかった。

高層マンションに群がっていた、あの何百何千という感染者に一人で立ち向かって生きているなんて。

 

あの時言ったこと嘘じゃなかったろ

そう平然と言ってのける神城。

 

消防士が死んだら誰が市民を助けるんだ?俺一人で十分なんて、自分を奮い立たせるための言葉でしかないと思っていたが、それが自信から来る言葉だと神城は証明してみせた。

 

そして、お前も死ぬなよという約束を守った晴輝に、彼なりの最高の賛辞を送った。

 

 

だが、二人が感動の再会を果たしている間に、メットは起き上がって牙を剥こうとしていた。

 

それを神城が助けた市民の一人が見て、バスの中で絶叫していた。

 

あんなビルみたいな相手に人間が敵うわけがない。早くバスを動かせと取り乱すが、焦っているのはその男性一人しかいなかった。

 

他の避難民は悟り切った様子で平然と座っており、神城が負ける時は自分たちも死ぬ時だとさえ言い放つ。

しかしそれは死を覚悟しながらも、決して神城が負けるとは思っていないからこそ言える言葉だった。

 

 

そんな市民たちの期待に応えるかのように、彼は刀一本でメットの首を切り落とした。

 

進化した人間と言える超人的な身体能力だった。

 

 

自分の巨大な頭が地面に落ちたメットは、不意に人間だった頃の記憶が蘇り始めた。

 

紗月たちを襲った当初と変わらない、自転車用のメットとゴーグル、サイクルウェアを着た彼は、出社前に自慢の愛車を転がしに行こうとしていた。

しかし妻は、そんな時間があるなら子育て手伝ってよとイライラを見せる。

 

それでもメットは、我が子の泣き声と妻の苛立ちを振り切って出ていった。

 

 

しばらく走っていると、自転車屋の店長から電話がかかってきた。

 

以前から自分のロードバイクを買い取ってくれる客を探してもらっていて、その買い手が見つかったとの連絡だった。

だが店長も、高校生からコツコツカスタマイズしてきた愛車なのに本当にいいのか?と再度確認してきた。

 

でもメットは、父親としての自覚が芽生えてきたから、趣味に時間や金を使うより、我が子に尽くしたいと思えるようになってきたから後悔はなかった。

メットとは長い付き合いの店長も彼の決断を尊重し、さっそく今日店に来てもらうことにした。

 

だが店に向かう途中、彼の身体にいきなり衝撃が走り、道半ばで倒れてしまった。

 

 

どれほどの時間が経ったのか、妻からの着信音で意識を取り戻した彼は、割れた画面に触れて妻の取り乱している声を聞いた。

 

あなた!?やっと繋がった!早く帰ってきて!赤ちゃんが!私達の赤ちゃんが!!

 

その悲痛な叫びが彼の父親の部分を刺激したのか、既に蛆虫に侵食されながらも我が家を目指して歩き出していた。

 

 

その途中で不思議なを見た。

 

蛍のような小さな光が寄り集まってできたその光に近づくと、スッと憑くようにメットの身体に吸い込まれた。

 

その直後から、彼の耳に赤ちゃんの鳴き声が聞こえるようになった。

 

それと、赤ちゃん以外の人間が、全て化物に見えるようにもなった。

 

 

刀と銃で襲いかかってくる化物二人を認めたメットは、更なる進化を願って形を変え始めた。

 

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ようやく合流地点まできたきららたちにも、巨大な何かが見えた。

紗月とらぎ姉もメットの進化に驚いていた。

 

晴輝はさっさと止めを刺してくれと頼むが、神城はあくまでも自分が負けることを想定せずに、保菌者のスペックを把握するつもりだった。

 

もちろん、そんな慢心に晴輝は正気を疑うが、それも簡単に撥ね退けられてしまう。

 

俺の隣が隔離地域で一番の安全地帯なんだよ」と言われれば、何も言い返せなかった。

 

 

進化の途中のメットには、またあの時の光が見えていた。

その光を吸収すれば、進化できると分かっていた。

だからありったけの光を取り込んでいった。

そうして出来上がった姿は、化物以外の何者でもなかった。

 

 

身体が出来上がったのなら、今度は脳に光を取り込んで知性をつけようとした。

 

その直後、我が子の泣き声に導かれて家に戻った時の記憶が蘇ってきた。

 

 

蛆虫が湧いてしまった我が子を抱いて取り乱す妻。

しかし彼には、妻さえも化物に見えていた。

 

妻を殺した彼は、我が子の中身を吸って、また次の泣き声に導かれて進化の彷徨に出た。

 

 

そんな自分の凶行を思い出した彼は、涙を流した。

 

そして進化を止め、ドロドロの液状に姿を変えて後悔と悲しみを抱えたまま死んだ。

 

 

感想

インフェクション67話でした。

メットも多くの被害者の一人だとは思ってましたが、保菌者になったタイミングと父性の強さが重なって、感染の力を引き出してしまったんですね。

もちろん自分の凶行を思い出したメットも可哀想ですが、いきなり夫に蹴り殺された妻が悲惨過ぎて。

ここからまた復活するとは思えないし、して欲しくないですね。

取りあえずメットは片付いたとしても、光やら生前の感情との因果関係やら、謎ばっかです。