終末のハーレムアフターワールド45話46話47話
ネタバレ感想
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美来を救うため、孤島での研究生活を始めた怜人たち。
一緒に残ったクロエは自然に癒されながら、新たな生きる意味として彼との子供を作ろうと考えるのだった…
45話
子供を授けてくれ。
クロエのストレートな子作りおねだり宣言だが、そこに恥じらいなどはなかったし、彼もドキドキすることなく即座に断った。
そういえばクロエは火野を殺した実行犯で、だから憎んでいるのだろうと自ら罪を掘り返すが、彼はまた冷静に今は違うと否定した。
それはもちろん、クロエもとんでもない思想家のハゲに利用され操られていただけだと知ったから。
火野は道半ばで逝ってしまったが、彼が残した子供たちは健やかに育っており、元担当官や芸能人が子育てに励んでおり、すっかり出番がなくなった怜人の妹も本当の姉のようにお世話に励んでいて、生き甲斐を見出しているのだ。
これから未来を創る子供たちを育てる未来。
怜人は直接そこに加わることなく、何年かかろうが美来を治すための研究に人生をかける覚悟だった。
果たしてそれは生きている間に結果が出ないかも知れないが、とある学者が世界滅亡の前日でも木を植えるだろうと言っていたように、怜人の心境も選んだことを最後までやりきるだけ。
そうして強い覚悟を持っている怜人は、かつてない真っすぐさでクロエに前を向かせるのだった。
手近な男が愛した男と重なって見えたクロエは、呆れながらも感心するしかなかった。
一方、怜人が恋敵の陸は失恋した後でも溌剌として日々を送っていた。
学校が終われば友達の誘いを断って足繁く通っている所はバイト先の高齢者施設で、元美人のばあちゃんたちの孫的存在として可愛がられていたのだ。
私はダイナマイトボディの美人だった、死んだ旦那にそっくりだ、孫娘をもらってくれ等々、可愛い系男子の陸は人気者でアイドル的存在で、柔らかな笑顔に高齢者たちは癒されまくっていた。
そんな彼のバイト風景を撮っているのが乃薔薇で、なぜだか隣で付き合っているのが片桐女史。
失恋もなんのその、前向きに働いている陸の姿を撮っているのはゲスい金儲けのためで、まだカレンの死を知らない乃薔薇は指示がないので独断でやりたいことをやっているだけだった。
そしてここにはまた懐かしきおばあちゃん、怜人たちと色々関りがあったあのひねくれ婆ちゃんも入所していた。
やはり可愛い男子だろうと簡単に心を許さない婆だが、衰えて軟化したのか程なく陸の優しさを受け入れ始める。
それは人類の救世主とも言える怜人と近いものがあり、それを感じ取ったからかも知れなかった。
その怜人はついに、美来を救う特効薬を開発し、彼女を永い眠りから目覚めさせることに成功した。
一体どれだけの年月がかかったのか、目覚めたばかりの彼女は起こしてくれた彼を見て衝撃を受け、涙が溢れて泣き縋り、感謝するよりも人生をかけさせたことを詫びた。
なぜなら怜人は、若いままの美来を置いてずっと早く天寿を全うするだろうほどに年老いてしまっていた。
果たしてそれは恐ろしい悪夢だったが、このままでは正夢にもならないかも知れない現実に彼は打ちひしがれるしかなかった。
