
インフェクション237話238話239話
ネタバレ感想
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ながみんは更なる境地に達し、碇マンを斬り伏せた。
神城は轟を越え、師とも呼べる武闘家を葬った。
そして晴輝はここで仕掛けてきたエリックを追い詰めた。
インフェクション237話
特効薬は妹が作ったもので愛する人を守れる、個人的にも特別な代物。
その結果、母を殺すか否かでも死ぬほど悩まされたと語る晴輝は、情報エネルギーを使えるようになってまず、特効薬のような一撃を放てる力を欲した。
進化情報を消し去れるならそれはもう神と同等の能力を有していることに他ならず、エリックは全身を震わせて青ざめた。
ただ晴輝の力もまだ万能ではなく、彼一人しか使えないまさに特別な力なので、世界に拡散できたときに世界中の進化情報を消し去り、保菌者騒動を終わらせることができると考えていた。
終わる可能性。
それがあるだけでエリックは早くも絶望したように騒ぎ悶え、号泣して絶叫しだした。
息子がやることならば、神は止めようとしないのかという疑問もエリックを恐れさせる一因だった。
そんな慟哭に構わず、晴輝は悠々と銃口を突きつけた。
これまで数え切れない命を奪って来ておきながら、エリックは往生際悪く情けない声を漏らし、ゴミでも見るような静かな目に耐えがたい屈辱を覚えた。
すると恐怖よりもまだ死ねないという使命感が再燃し、神が作る新たな世界でしか救われない者たちのためにも、そいつらを導くのは俺だと、強く拳を握りしめた。
だから鼬の最後っ屁のつもりではなく、唯一の能力を放った。
多く仲間を勧誘したエリックの能力は、自身の思想や経験を脳内に直接送って、相手に因らずに瞬時に理解させることができる。
仲間を増やすには最適な能力だが、対戦においては特に役立つものではない。
だがエリック情報を脳内に送り込まれた晴輝は、まるで激しい頭痛にでも襲われたように顔色を悪くし、動揺し始めた。
相手の動揺で逆に落ち着けたエリックは、スカウトしてきた米兵とは違い、言ってもまだ子供の高校生が知るにはあまりに衝撃的すぎて混乱を制御し切れないのだと悟った。
そして晴輝が我に戻った時にはもう、エリックは全裸疾走で見えないところまで逃げていた。
エリックはどんな思想や経験を流し込んだのか、それを知るには数年前のアメリカでの活動を振り返る必要があった。
どこかのレストランの端の席で手を震わせている男に気づいた爺さんは、お国のために戦った帰還兵だろうと察し、粋に一杯奢った。
それで爺さんがカッコよく立ち去ってすぐ前に座ったエリックは、帰還兵はそうでも、戦争の恐怖体験の震えではなく、欲求が体外に出てしまう興奮の反射運動だろうと指摘した。
戦争で知った殺しの楽しさ、しかし日常ではもちろん許されざる行為。
そんなリチャードの危険な葛藤を見透かしたエリックは、この世界が法が間違っていて、生まれたままの欲求を抑える必要はないのだと諭した。
テロの勧誘かとリチャードは訝しむが、どうしようもない手の震えを酒でごまかすよりマシかと思い、怪しい新興宗教にでも引き込んできそうなエリックの話を聞くことにした。
そこでエリックは晴輝にしたのと同じように、直接脳内に送り込んで自身を知ってもらうことにしたのだった。