PR掲載中

 

87話

ミースの街のガーディアンは森の中でジーニアスの名を叫び、探していた。

 

もう夜で危険極まりなかったが、明日になってまた誰かが魔女に食われるまで何もせずに待っているわけにはいかなかった。

 

そこでジーニアスから何か有益な情報を訊き出そうと思っての行動だったが、現時点で最年長のリリアはもう自分が食われる覚悟ができていた。

 

そんな自己犠牲な台詞に構わず、後輩のキアは建設的にジーニアスを呼び続ける。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2019年32号

 

 

それは、もう枝にとまっているジーニアスを見つけて、文字通り呼びかけたものだった

 

鳥目で彼女たちが見えずに尻を向けていたジーニアスは教えられた方向に顔を向け直し、何の用件かと訊ねた。

 

キアが最初子供の姿でサンドワームになった魔女が現れたと説明すると、ジーニアスは最凶の魔女ガリアか…と訳知り顔で呟いた。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2019年32号

 

 

そして、倒す方法などないと断言した。

 

 

できることと言えば結界を守って侵入を防ぐだけだが、ミースの結界では範囲が狭すぎて守り切れないのだそうな。

 

明日喰われる可能性が確実的になったリリアは、とにかくヨータさえいればと願った。

 

ミサキは男なだけで万能じゃないとツッコむが、ジーニアスが希望あるニュースを話してくれた。

 

 

噂によれば、彼がリールの街の魔女を討ち取ったらしいと。

 

その希望ある話を聞いた抱かれた経験がある3人は、彼の武勇伝だけで興奮し始め、頬を染めて息を荒げた。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2019年32号

 

 

しかし、今サンドリオにいるらしいと聞けば、やはり楽観視できなくなった。

 

サンドリオは早馬を飛ばしても往復14日はかかる遠方の国だった。

 

その間にリリアどころか最低14人は喰われてしまうし、彼がジッとしている保証もない。

 

それでも唯一の希望なのだから連絡するしかないんだとミサキが大声を上げた直後、キアが一言物申した。

 

城壁に見張りがいたはずなのに、ガリアはどうやって街の中に入ったのか?と。

 

サンドワーム状態で地中を潜って来たにしては、誰も大穴に気づかず騒がないというのは考えにくいし、現にミサキに気づかれるまで悠々と闊歩していた。

 

そこでキアが導き出した答えは、街同士を繋ぐ扉を使って侵入したというものだった。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2019年32号

 

 

そんな都合のいいものは、ジーニアスによれば本当にあるようだった。

 

しかし、もう長いこと壊れたままになっている代物だという。

 

 

ともかく、扉は神殿の地下にあると教えられた彼女たちは、すぐ扉捜索に向かったのだった。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2019年32号

 

 

 

そして廃墟のビル群街のサンドリオは朝焼けに色づき、朝を迎えた。

 

 

朝っぱらから動き出していた彼は、交尾ばかりで身体がなまらないよう砂漠ランニングでトレーニングしていた。

 

すると前方に、よく見知った顔が歩いてくるのに気づいた。

 

それはここにいるはずのないリリアだった。

 

 

朝日を背負っているリリアを見た彼は感動や興奮よりも、病室から突き落した方なのかオナニストの方なのか判断がつかずに強張った。

 

そんな彼の恐怖など知る由もないリリアは再会に歓喜し、彼に飛びついた。

 

彼に抱きつき素肌を重ね合わせたリリアは最高に嬉しいことを言ってくれるが、肉体は本能のままに欲情の泉を放出させ、砂漠の地にとろりとした水分を降らせたのだった。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2019年32号

 

パラレルパラダイスを読むならこちら