DUGA
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

インフェクション88話89話
ネタバレ感想

漫画インフェクション88話と89話のネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。

 

漆原殺しの犯人探しは次第に熱を帯びていく。

議論の間中ずっとパソコンを操作していた鹿島はついに、天宮教授が保菌者騒動の犯人だと証明するデータを見つけたと言い出した。

果たして、本当に彼が犯人なのか?

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88話

榎並は小鳥に鮫島側のパソコンデータを盗ませ、自分では天宮側のパソコンデータを盗み、それを鹿島に解析させていた。

 

興奮した鹿島がデータをサーバーにあげたというので、小鳥と榎並もすぐにスマホで確認した。

そこには、方角といくつかの数字が羅列された表があった。

 

 

小鳥は単純に理解できなかった。

この表と数字が何を示しているのかさっぱり分からなかった。

 

しかし、会場にいる研究者たちはその数字の意味をすぐに理解し、信じられないといった驚きの表情を見せている。

 

小鳥は一緒に画面を見ていた榎並を見た。

榎並がいつもと変わらない人を食ったような笑顔を見せるので、こいつも理解できないんだなと思い、頼るのを諦めた。

 

取り残された二人は、誰かの解説を心の底から願った。

その時、願いが通じたのか天宮のアシスタントが誰に聞かせるともなく丁寧に説明してくれたので、議論についていけそうだった。

ただ天宮は記憶にないという。しかし、鹿島は追窮の手を緩めようとはしなかった。

 

それでも天宮は記憶にないとしか答えられない。

 

すると鮫島が、二重人格だと疑っている事を明かし、今まで意識が飛んだ経験はないか?と訊く。

それを天宮は肯定した。

 

ここ10年はそういう症状は全くないとも補足したが、自分でもコントロールできない時間を過ごした事がある事実は、彼への不信感を募らせるのに十分なものだった。

 

 

鮫島教授の特殊能力のような特技が実証されはしたが、まだ晴輝がいつ死んでもおかしくない死地を潜り抜け、香里に至っては保菌者に噛まれて死んだ事実がある。

自分の子供二人を顧みず、そんなことをしたと覆せるだけの証拠に気象データがなり得るとは疑問が残る

そう思ったが、小鳥が今それを言い出しても信頼を回復できそうな空気ではなかった。

 

自分が無実であると自分でも分からないらしい天宮は立ち上がり、自分の認識では保菌者騒動と関わりはないと前置いてから、隠していたことがあると切り出した。

 

天宮は保菌者に噛まれて死んだ娘の香里が蘇った事を口にしようとした

 

 

しかしその時、「僕が犯人です」と大きな声で遮る者がいた。

 

それはこの場で一番幼い栄太だった。

 

 

自分たち子供をいじめる大人たち全員を殺すためにダクトに細工して感染者を引き込んだのは自分だという栄太。

だからあえて避難地域に行かずに残ったのに、助けるべき小鳥や天宮が疑われてしまったのは失敗だ、などと見せた事のない邪気を孕んだ表情をした。

 

小学生ができることじゃないと言われれば、いつ何を使ってダクトに穴を開けたのか白状し、逆に小さな身体の子供の方がやりやすいだろうと、挑戦的な目つきであっさり暴露していく。

 

会場は彼の証言を鵜呑みにし始めるが、小鳥は天宮を庇うための嘘だとしか思えなかった。

 

そして栄太は、自分たちを守り、そのせいで保菌者に噛まれて死んでしまった香里のように、自分も誰かを守れる人になりたいと思ったと言った。

 

 

小鳥は自分が苦しみから逃れることばかり考えていたことを恥じた。

自分よりも子供な栄太でさえ、恩を返そうと自分を後回しにしている。

 

今度は栄太への疑惑を解消するとともに、保菌者騒動の犯人探しに論点がずれてしまっているのを修正しなければならない。

 

そのために奴が吐いているを証明するための決定的な証拠がいる。

そう考えた瞬間、フッと視界が開けた。

 

 

小鳥がマイクを持つと鮫島が黙らせようとしてくるが、その鮫島も鹿島が天宮を犯人に仕立て上げるために提示した捏造データに踊らされているだけだと突きつけた。

 

ただし鹿島が犯人ではなく、彼も誰かを助けようとしただけだった。

つまり、犯人が誰か知り、庇うためにした行動だという。

 

もちろん証拠はある、はずだった。

それは、パソコンにインストールしていた盗難防止アプリにより犯人の行動が記録され、それを見た鹿島は犯人を庇うと決めた

 

そう問われた本人は、ついに否定できなくなった。

 

 

小鳥はそのパソコンの解析を自衛隊に頼み、一旦休憩となった。

 

榎並は小鳥が答えに辿り着いたことに満面の笑みを向け、自分もついこの前まで盗難防止のアプリが入っているパソコンがあるなど知らなかったと言い、意味深な笑顔を見せた。

 

そして小鳥が何か言うのを待たず、晴輝に頼まれて気にかけて見ているうちに、小鳥が妹の亡霊に囚われていることに気づいたという。

 

亡霊の言葉は自分の言葉、許すも許さないも自分次第。

そう言った後で、まだ理解できていない小鳥をさらに戸惑わせるような言葉をかけた。

 

 

パソコン解析の準備が整い、不正防止のために作業画面を映したモニターが会場に運び込まれてきた。

 

その直後、小鳥は榎並の後ろに見た事のない男が何か呟きながら立ち尽くしているのに気づいた。

それだけじゃなく、死んだはずの自分の父もいた。

 

幻覚だとは分かったが、榎並を取り囲むように何人もの亡霊が現れ、悪寒を感じずにはいられない。

 

 

パソコンを調べられ始めた鹿島は、自衛隊員に飛び掛ったがあっけなく突き飛ばされ、榎並の目の前に倒れ込んだ。

そして振り返り「ごめんなさい、榎並ちゃん」と声をかけた。

 

すると榎並は小鳥にありがとうと言い、最高の笑顔を見せた。

 

 

89話

榎並が鹿島と組んでいた。

いや、榎並からデータ盗難を持ちかけたのならあの装置も作らせて、天宮教授のデータを盗んだんだろうと小鳥が問い詰めると、隣に座っていた研究者の女性にも聞こえてしまったので、これ以上ややこしくならないように口を閉じた。

 

すると榎並は、「もうあなたに危害を加えるつもりはない」と答えた。

「もう」という言葉に反応した小鳥に「あなたは死んでいるはずだった」と榎並は続けた。

 

その時、盗難防止アプリで撮影された映像の復元が完了した。

 

再生された映像に映っていたのは、脚立を持ちダクトを見上げている榎並だった。

場内は騒然となり、榎並が犯人な訳がないと擁護する声がそこかしこであがっていく。

 

いつの間にか築いていたとてつもない信頼に小鳥は驚くが、榎並本人はすました顔で頬杖をついている。

 

だが映像の日付が栄太の証言と同じなのが分かり、榎並を疑う空気が徐々に充満していく。

 

小鳥は榎並が栄太に入れ知恵したのだと分かった。

榎並の計画では、小鳥が殺され栄太を利用する予定だったが、自分の部屋のドアが壊された事と小鳥が生き残ってしまったことが計算外だった。

 

あの時の表情の意味が分かった小鳥は寒気がした。

そして、あの時、榎並が部屋の中にいなかったことに気づいた。

 

つまり、圧倒的な信頼感で容疑をかけられることなくこの場をしのぎ、事件が起きた時にはあの部屋の中で隠れて様子を窺っていた

 

 

映像の中の榎並は、電動のこぎりを取り出してダクトに穴を開けようとしていた。

鹿島は性懲りもなく榎並を庇おうと声を張り上げるが、もはや誰も耳を貸さなかった。

 

小鳥は噂を流したのもお前か?と訊くと、榎並は笑いながら少しでも私じゃないって思った?とふてぶてしく訊き返した。

全てを暴露しようとしているのに相変わらず榎並の表情は変わらない。

 

小鳥は、全て自分を追い詰めてデータを盗ませるためだったと思った。

 

しかし、小鳥には自分を疑うように誘導していたとしか思えない。

どうして安全に過ごせるこの場所を壊すようなことをしたのか、動機が一番の謎だった。

 

すると榎並は、「人間万事塞翁が馬・・・私は普通の幸福な少女だった」と切り出した。

 

恐怖に負けて恋人を死に追いやり、それがきっかけで他人を蹴落とし、利用して生きる事に躊躇しなくなっていった。しかし、その度重なる後悔の末に多くの人を救えたとしたら素敵だと思わない?と、小鳥には妹を死なせたことを例に出して訊ねた。

 

何が言いたいのか分からず小鳥が戸惑った直後、事件直前の時間帯の映像が再生され始めた。

 

そこにはやはり、脚立を運び込んできた榎並が映っていた。

榎並を信頼、いや惑わされていた大人たちはもう何も言えなかった。

 

そして本人は、犯人を突き止めたことに賛辞を送る拍手をしてから、最高の笑顔を見せた。

 

 

 

その直後、鮫島は突然立ち上がり、つかつかと榎並の前まで歩き、普通の女性ではあり得ないような怪力で机を放り投げた。

しかし榎並は気圧されず、感情がない異常者のくせに怒ったフリはしなくていいと煽り、漆原もあなたの陰口を言っていたから大丈夫ですと言った。

それが図星だったせいか、それとも罪に対する制裁か、見事な回し蹴りを榎並の横っ面に叩き込んだ

 

 

歯が一本飛び、血反吐を吐いた榎並はついに心にもなかった敬語をやめ、保菌者騒動の犯人候補だった漆原を殺した自分の方が騒動解決に貢献していると叫び、疑わしい天宮をさっさと殺さない鮫島を詰った。

 

研究者たちは、それを自分勝手で狂った理屈だと騒ぎ出した。

しかし、榎並はその態度に怒りがこみ上げ、感情を乗せた言葉で罵倒し始めた。

 

握り締めたマイクに血が飛ばないように雑に拭うと、騒動が起きてから自分が見てきた人たちは、小さな子供でも他人を助けるために命を懸け、罪も犯してきた。

なのに、理不尽に死んでいった人が入りたかったこの安全な場所でやっているのは下らない仲間割れだと突きつけ、本音をぶちまけた。

 

 

次は天宮の前に行き、平岡大学には研究に必要な設備があるが危険だから行かないと言ったことを持ち出し、この未曾有の事態でそんな甘えを優先しているのはお前らだけだと言った。

さっきまで犯人探しで威勢よく議論し合っていた研究者たちは何も言い返せず、榎並の厳しすぎる言葉を、それでも否定できない真実として受け止めていた。

 

 

この安全圏の外はまさに地獄絵図でみんな死んだ。

自分の同級生も全員死に、戻れる日常なんてとうにない

 

この保菌者騒動を解決に導ける可能性がある研究者なら、せめて責任を果たすために命を懸けろと思いの丈をぶつけた。

 

 

しかし、自衛隊員が人を殺してもいい理由にはならないと反論した。

それにも小鳥はぐうの音も出ない答えを用意していた。

 

ちゃんと自分が犯人だと分かる証拠を現場に残していたのに、それでさっさと解決しないということは、隊員の誰かが自分勝手な理由で揉み消したんだろと返した。

そして自衛隊の意気地のなさも詰って吐き捨てた。

 

 

榎並の声だけがこだまする場内。

彼女は口に溜まる血を吐き、犯罪者は消えるけどその前に一言と断ってから穏やかな様子に戻し、あくまでここにいる研究者たちが保菌者騒動を解決する最後の希望なのだと念を押した。

 

小鳥は理解した。

人間性を捨てて人を死に追いやろうとも、自分が危険な目に遭おうとも、この腐りきった研究者たちを発奮させて、榎並は保菌者騒動を解決に導こうとしたのだと。

 

 

感想

インフェクション88話と89話でした。

想定の範囲内でしたが、榎並も人並みに自分の外道行為を悔いていたんですね。人として最低だとは分かってても、思わずやっちゃうジレンマ。

これが偽りない本音なら、保菌者騒動で箍が外れたんですね。

https://kuroneko0920.com/archives/39580

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