いちご100%続編最終回4話
ネタバレ感想
東城への想いを断ち切ろうとしたが、運命の悪戯が二人を出会わせる。
相手の体温が感じられるほど密着してしまい、彼のやはり心穏やかではいられなくなる。
手に、背中に感じる柔らかさ。
それは、憧れの小説家で好きな人の感触だった。
最終回4話
諦めるって決めたはずだった。
しかし、背中と手に感じる体温と共に、彼女の香りが心を乱させる。
いや、今はとにかく怪我をした彼女に早く治療を受けてもらわないといけない。
だから、この攣りそうな腕は彼女が重いからじゃなく、自分が非力なせいだと自分自身の不甲斐なさを叱咤して、情けない所を見せないように踏ん張るしかなかった。
でも、指先は言うことを聞いてくれず、彼女の鞄を落としてしまった。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
地面に落ちた鞄から小説の原稿が飛び出し、風に吹かれて辺りを舞い始めた。
失敗作だったから構わないと彼女は言ってくれるが、彼はその言葉に甘えてすぐに諦めようとはしなかった。
そんな必死にかき集める彼を、彼女は複雑な顔で見つめる。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
川の傍で落としたタイミングの悪さで、結局全て集めきることはできなかった。
彼は好きな人も満足に背負えない非力さと、逆に気を使ってくれることに情けなさが膨れ上がっていく。
しかし彼女は、あくまで酷い内容だったし、これをまた誰かに読まれて何を思われるか考えると、書くのが苦手になったかも知れないと言った。
やがて接骨院に着くと、彼は改まって話しだした。
「今日はありがとうございました。
いろいろ勉強になりました。
映画も、あの東城綾と一緒に観れて・・・
今までありがとうございました」
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
今生の別れを伝えるように、未練を断ち切るためにそう告げて彼は走り去った。
肩で息をし始めた頃、膝に手をついて立ち止まると、また風の悪戯で集め切れなかった原稿が彼の足に運ばれてきた。
その時、集めた分の原稿を渡すのを忘れていたことに気付き、ふと彼女の名前と小説のレビューを検索してみた。
すると、女子高生でデビューした肩書きに対する中傷や、話題性、顔で売れたなどというものばかりで、小説の内容に対する正当な評価はほとんどないことが分かった。
そんな悪意に彼女が悩まされていたことを知り、彼は川の中にまで入って残りの原稿を探し始めた。
翌日。
彼は大学の前で彼女を待ち、それに気付いた彼女から声をかけてくれた。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
公園に行き、彼女はベンチに座り、彼は正面に立った。
そして
「俺、小説家になりたいんです」
と打ち明けた。
でも、周りの空気に流されて今まで一行も書かずにいた時、あなたが自分と同じ年で賞を獲ってデビューして、それを知ってヤル気は出たけど、やっぱり才能の差はどうしようもないんだとも思ってしまった。
それとは別に、憧れの作家があなただと分かった時は嬉しかった。
うまく纏まりきっていない伝えたい思いを、彼は話していく。
そして、川の中にも飛ばされた原稿を見せ、全部集めて読んだと伝えた。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
失敗作だって、辛そうに謙遜していたその原稿。
でも、やっぱりそれは東城綾らしさが出てて、
「好きだなあって・・・」
そう感じた。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
プロだから浴びる中傷もあるかも知れないけど、それでも書いているあなたを思うと、自分も頑張ろうと思った。
しかし、彼の励ましと決意に彼女は、今でも好きだった人を忘れられない自分は君を利用して逃げているだけだと、本音を吐き出した。
その弱音にも、彼は精一杯励ましの言葉をかけた。
ずっと好きだった人を忘れるなんて簡単じゃない。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
その代わり、自分が前に進んでただの似た人じゃなく、一人の男として会えるようになるまで頑張ります。
だから、小説家を続けて下さいと。
「あなたは、俺の目標なんです」
その言葉に、彼女はやっと心からの笑顔を見せてくれた。
著者名:河下水希 引用元:ジャンプGIGA
彼が一人前の男になって胸を張って会えるようになるまで、会わないと決めた誓い。
彼の夢の先に彼女が待っているとは限らないが、二人は前に進むために筆を進めていた。
感想
いちご100%イーストサイドストーリー最終話までの全話でした。
やっぱり西野と真中は出てきませんでしたね。
期待してたんですが、ここに真中が出てきたら、こじれまくって収拾がつかなくなりそうなんで仕方ないでしょう。
他のサイド方向からのストーリーも、是非読んでみたいです。
特に、南がどうなってるのか気になります。
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