五年
五年の月日が流れ、カズミは22歳になっていた。
みっちりとバイトを入れて働く合間に、数人のセフレと気ままに会って気ままにセックスをする日々を送っていた。
その日は夜勤明けの年上の女性とホテルで会ってから、最初の職場に向かった。
二つ三つとかけ持ちし、日付が変わる頃になって、あれからずっと付き合いが続いている五条と会って飲み始めていた。
彼にも、四谷が学校に来なくなった理由や、自分が人を遠ざけるようになった理由を一切話していなかった。
ただ人探しをしていることだけは伝えていたので、何かと出会いの場には誘ってもらっていた。
そして後日、興信所からミドウを見つけたと連絡が入った。
著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻
それから三日後に直接会いにいく段取りをつけ、またいつものバイト漬けの日々になった。
ミドウを見つけ、もう少しで目的を果たせる嬉しさでいつもよりテンションが上がっていたのが居酒屋の後輩バイトにバレ、久しぶりに彼女とでも会えるんだろうと詮索されてしまう。
そうやって彼の恋バナに首を突っ込む後輩こそ、彼とはセフレの関係でもあった。
恋人か好きな人と会えるみたいに話すから、聞いたこっちもムラムラしてきたなどと特殊な性癖を打ち明けつつ、セフレが何人かいても、誰も好きじゃないカズミとなら、割り切ってできるから彼氏がいても気が楽だと、どんどん打ち明けていく。
そんな風にあっけらかんとした彼女の性欲は旺盛で、仕事終わりにも関わらず二回戦目を誘ってきた。
著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻
彼が腰に痛みを感じながらアパートの部屋に帰ると、なぜか鍵が開いていて、中に一人の女がいた。
女が居酒屋のスタッフルームに忍びこんで盗んだ鍵を見せて、ようやく鞄に鍵が入っていないのに気付いた。
女は四谷四乃の妹で四穂と名乗った。
著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻
彼は言われるままファミレスに移動して正面に座ると、「ミドウさん、見つかったらしいですね」と切り出してきた。
興信所に極秘で調べてもらっていたことをなぜ知っているのか、彼は思わずテーブルを叩いて立ち上がるほど驚いた。
その動揺する様を見て四穂は震え出し、本当に見つかったんだと言って笑った。
四穂が中学3年の頃に四谷はミドウに襲われ脅され、心身を病んだ。
部屋に引きこもり、泣きはらす日々を送るなか、何度も「一之瀬」くんと呼んでいた。
20歳になって自由に動けるようになった今、四穂はフミカがミドウに殺された事件にカズミが巻き込まれた事を調べ、彼を尾行し、爛れた生活を送っている事を突き止めた。
しかし、姉の口からミドウの名前が出てくる理由が分からず、何かを知っていそうなカズミに接触して来たのだった。
彼はその事実で、もしかして四谷は元気になったのかと思って訊いた。
すると四穂は飲んでいたジュースを彼の頭にぶちまけ、そんなわけないだろうと怒り、四谷がどんな状態か話し出した。
著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻
四谷は一人になるのを恐れた。
部屋も風呂も四穂が一緒に入り、トイレの時はドアを開けたまま四穂の姿を見ていないと、パニックに陥るのだった。
そして半年前から、もっと酷い状態になり始めたらしいが、四穂はそこまでで話を終わらせて帰っていった。
彼が何も話さないなら、フェアじゃないという理由だった。
彼はその一部始終は話さずに、高校時代の保健の先生に四谷を覚えているか訊いた。
彼女ともセフレの関係で、妹が会いに来て色々訊き出そうとしてきたことまで話したが、お互いプライベートは詮索しない約束を持ち出されたら、何も言えなくなった。
悩んでいる理由が分からなくても、先生らしく慰めようとする彼女を逆に押し倒し、ベッドの上では可愛い彼女を見て、束の間、全てを忘れようとした。
著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻
彼はしばらく遠出する予定を先生に伝え、ミドウを殺す決意を強くして、目的地に向かう新幹線に乗ったが、なぜかそこにまた四穂が現れた。



















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