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蘇った怪物

部屋に盗聴器が仕掛けられていたらしく、彼の行動は筒抜けだった。

 

仕方なく、ミドウが四谷にしたことを話すと、当然巻き込んだ彼に怒りの矛先が向けられた。

 

彼がミドウを殺して決着をつけるつもりだと言うと落ち着きを取り戻したが、結局、ミドウがいる目的地までついてきた。

 

 

興信所の人間に案内されて辿り着いた先は、なんの変哲もない幼稚園で、ミドウはそこで先生として働いていた

 

一人を殺し、一人の人生をめちゃくちゃにしておきながら、自分だけまともな人生を送っていることに彼の怒りは再燃し、車を下りた。

著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻

 

 

 

子供と手を繋いで門扉の前にいたミドウに声をかけると、「保護者の方ですか?」と返された。

 

煽られている気がした彼が胸倉を掴んで怒声を浴びせると、子供を守るように手を伸ばし「警察が来ますよ」と言った。

 

ミドウは目に涙を溜めていて、子供も泣き出してしまう。

 

それでも彼は性質の悪い演技だと信じて声を荒げるが、そこで警備員に咎められ、本当に警察を呼ばれてしまう。

ミドウは本当に、演技をしているように見えなかった。

著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻

 

 

 

警察はすぐに事情を察してくれ、ミドウが「全生活史健忘症」だと教えてくれた。

 

生活に必要な知識だけが残り、人間関係や経験した出来事は忘れる病気で、ほとんどが精神的な理由で起こるらしかった。

 

もちろん警察はミドウの犯罪歴を把握しているが、今の彼女しか知らない人のためにも慎重に行動するようにと釘を刺した。

 

 

 

殺人、傷害、脅迫、監禁を忘れ、のうのうと人生を再スタートさせていたミドウ

 

だからと言って許せるわけもなく、彼は復讐するつもりだった。

 

しかし、四谷の家族にとってミドウの記憶喪失は歓迎するところだった。

 

 

事件の記憶がないのなら四谷の卑猥な写真をばら撒かれる恐れもなく、このまま知らない所で平穏に過ごしてもらえれば少しは気が楽だし、写真もどうにかして処理できれば怯える必要もなくなる。

 

しかし彼は納得せず、四谷とフミカのためにも復讐するんだと息巻いた。

 

すると四穂は、本当の被害者を盾にして自分の怒りを晴らそうとするなと言った。

 

その場に居合わせただけの目撃者の分際で、これ以上事を荒立てて波風を立てるなと突きつけたのだ。

著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻

 

 

彼が何も言い返せず黙ってしまった時、そこにミドウが現れた。

 

記憶を失う前の知り合いに会ったのは初めただと言う彼女は、自分を知るために二人を探していた。

 

 

もちろん彼はふざけるなと言い返してやりたかったが、四穂が写真を見つけるためにミドウの家で話すのを条件に受け入れ、彼がついて行くのも許さなかった。

 

 

彼は一人でホテルに帰り、四穂の言葉を反芻して、不本意ながらも納得できていた。

 

 

 

翌日、東京に向かう駅に、なぜかミドウも一緒にやって来た。

 

彼女はあの時のように彼を「カズミ」と呼び、車内でも彼の隣に座り、彼女気取りで甘えた声を出し、四穂を完全に支配化に置いていた。

 

記憶を完全に取り戻した彼女の中には、反省も後悔もなかったのだ。

著者名:千田大輔 引用元:異常者の愛2巻

 

 

感想

異常者の愛2巻でした。
面白度☆7 生温い度☆8

姉の卑猥な写真を人質にされたのは仕方ないとしても、あっさり奴隷化した四穂には拍子抜けです。

図星を指されてあっさり納得したカズミの5年間は何だったんだって感じですし、アホみたいにバイトして金を稼いだのがただの捜査費用だったのなら、それもなんだかなあ。

ミドウの邪知暴虐はどこまでいってしまうのでしょうか。

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