97話
洋子の豪快な反撃で警備隊員たちは吹っ飛ばされた。
千歌がすかさず堂島姉妹に走ってと叫び、逃走を促すが、ここに来て熱い友情に胸がいっぱいだった二人は自分たちだけ逃げるのを躊躇ってしまう。
重傷のため、一人でクルーザーに残っていたはずの洋子は運転席で衝突の衝撃に傷が痛み、喘いでいた。
洋子は嫌な予感を信じて逃走の手助けをできたことを不幸中の幸いと思い、殺人鬼が逃げた先に何があるのか知りたいがため、堂島姉妹に思いを託したのだった。

しかし、姉妹がもたついているうちに隊員たちが意地で起き上がり始めた。
さすが武術の猛者たちと言った風に姉妹に躍りかかろうとしたその時、バスの屋根にいたあやが軽やかに飛び降り、飛び蹴りで一人を蹴り倒した。

言葉少なに常に真顔で、他のメデューサと同じく姉妹の未来を明るいものにしようと奮闘するあや。
目線で感謝を送った姉妹は走り出すが、屈強な片目の隊長は豪快なタックルであやを吹き飛ばし返した。

だが今度は千歌と霧子が隊長に組み付き、追うのを止めようとした。
姉妹はもう振り返らず、涙だけ走る後に残していった。
千歌と霧子は殴り倒され、あえなく妨害を止められた。
洋子も為すすべなく運転手に組み伏せられ、カレンもカチュアも結局通常時では勝てる相手ではなかった。
それでも姉妹は仲間たちの分まで幸せになるため、必死で走り続けた。

組み伏せられ後ろ手に手錠をかけられた霧子は、小さくなっていく姉妹の背中を見送り、永遠の友情を誓った。
そして堂島姉妹は無事、通りかかったタクシーに乗り込み、警備隊の手を逃れることに成功したのだった。
追っ手に追いつかれることなく新大阪駅に着いていた姉妹は抜かりなく、目立たないカジュアルな服に着替えていた。

24時間営業の何でも揃っているけばけばしい店に驚き、感謝しながら慎重に動いていると、やはりというべきかスーツに変わっているが駅構内を警備隊の男たちがウロウロと歩き回っているのを見つけた。
警戒を怠らずに新幹線に乗り込んだ姉妹は、車内に入ってからようやく一心地つけ、自由席がある車両の方へ移動しようとした。
しかし、前の方から隊員らしき男が歩いて来た。
逃げようにも動き出した車内に逃げ場はない。
姉妹は仕方なく、トイレに籠城するしかなかった。
当然、新幹線に乗り込んでいた隊員たちは全車両を見回り、乗客の顔を一人一人確認してどこにも座っていないことを確認していた。
そうなれば次に考えるのはトイレだった。
息を潜めていた姉妹はドアを乱暴に叩かれ、生きた心地がしなくなった。

トイレも一つ一つ確認していった隊員たちは、一つだけ二人分の気配が感じられるのに開けられない個室に当たりをつけた。
隊長は回りくどく投降を促さず、力任せにドアを蹴り壊そうとし始めた。
姉妹はそれでも息を潜め、奇跡を願った。
程なくドアが破壊されたが、隊員たちが見たのは緊縛プレイを楽しんでいる男上司と女部下のはた迷惑な変態カップルだった。

上司はバイブを握りしめておいて毅然とした態度を取り、余計隊員を怒らせ、ショックで女は盛大に漏らした。
そして堂島姉妹が隠れているトイレをノックしていた男は諦め、漏れる前に他のトイレを探しに行った。
ただの乗客のノックに肝を冷やした姉妹は新神戸で一旦降り、改めて名古屋に向かおうとしていた。
感想
サタノファニ95話96話97話でした。
殺人鬼モードでも友情に篤い泣ける展開でしたが、またしても癖が強そうな男たちと戦わなければならなくなりそうだと思ったら、やはり為す術無し。
このままバスに乗って駅までは逃げられそうですが、名古屋港で追い詰められる未来が確定しているので、どんな道中になるのか期待したいと思います。
https://www.kuroneko0920.com/archives/59976




































