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99話

金銭的問題で父親に売られてしまった堂島姉妹。

 

 

パパは償うべき罪を犯したのだから怒らないでくれと言い訳するが、瀬里は納得できなかった。

 

したくもない人殺しをしたのは羽黒に仕組まれたことだと説明していたのに、パパはそこを突かれると押し黙って視線を合わせようとしなかった。

 

真希もまさかの裏切りに号泣して訴えるが、今更、愛しているという言葉は空虚に響いた。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

パパに娘たちの最期を見る覚悟はなく、武本を残してそそくさと帰ろうとした。

 

姉妹はパパと呼び続けるが、パパは振り返らずエレベーターが来るのを待つ。

 

 

殺人姉妹のお涙頂戴などどうでもいい武本は殺された孫の遺影を抱きながら、因果応報と叫んで銃口を向けた。

 

しかし、所詮素人の動きは遅く、瀬里は銃を蹴り飛ばしてパパに追い縋ろうとした。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

パパが来るなとはねつけた直後、エレベーターが到着し、男たちが何人も下りてきた。

 

皆武本と同じように遺影を抱き、手に手に銃を持って喪服に身を固めていた。

 

そして訓練された犬のように因果応報と声を揃え、この場で誰よりも救いを欲している姉妹に銃口を向けた。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

 

一斉に引き金が引かれて銃弾が飛び出すが、やはり素人の腕ではしっかり狙いをつけた場所には飛ばず、姉妹はオブジェの裏に飛び込んで盾を得ることができた。

 

 

一人だけじゃない復讐者に瀬里は青ざめ、真希はパパの裏切りに心が折れかけて泣きじゃくっている。

 

瀬里は姉として気丈に振舞い続け、ここから見える階段から逃げようと励まし、バッグから銃を取り出して反撃を開始した。

 

女医の忌々しい言葉が蘇るが、これ以上の人殺しにならないよう急所を避けて遺族に傷を負わせる。

 

遺族たちもまさか銃で反撃されるとは思っていなかったらしく、怯えて道を開け、その隙に姉妹は一気に駆け抜けた。

 

 

遺族たちは背中に向けて撃ちまくるがあまりの腕の悪さに一発も当たらず、復讐心が奇跡を起こさないことを証明する形になった。

 

 

しかし、武本は一味違っていた。

 

無駄撃ちせずに両手でしっかり構え、引き金を引いた。

それが見事に瀬里の左肩に命中したのだった

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

 

まさかの被弾に瀬里は更に顔を青くしながらも反撃で怯ませているうちに真希を階段に飛び込ませ、自分も後を追ってドアに鍵をかけた。

 

 

 

非常階段は吹き抜けのらせん状になっていた。

 

鍵を壊すのに手間取っているうちにできるだけ逃げようと、瀬里は激痛を堪えて取りあえず傷口を縛り、急ごうと促した。

 

直後、階下から撃たれた弾が目の前で階段にぶち当たった。

 

 

それを皮切りに何発もの銃弾があちこちに当たり、甲高い音を響かせまくった。

 

非常階段からも何人もの遺族が上がって来ていたのだ

 

 

多くの人間に死を望まれていることを思い知った瀬里は、今度は洋子の言葉を思い出した。

 

へたり込んだ真希は実体のない罰というものに、自分の罪の重さをあてがった。

 

突破口がないのを受け入れた瀬里は、抵抗の意思を消した。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

それでも、妹だけは助けて欲しいと神に祈った。

 

 

 

広い場所に連れて行かれると、まず瀬里から罰を受けさせられ始めた。

 

抵抗できないよう掴まれ、手足に一発ずつ銃弾が撃ち込まれていく地獄の責め苦だった。

 

猿ぐつわをされて目から鼻から体液を垂れ流し、体中が穴だらけになっていく敵の姿に、武本は恍惚の表情を見せながら一人一発ずつだとほくそ笑んだ。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

因果応報を合い言葉に穴が増えるたび、体中が痙攣してしまう瀬里を眺めながら、武本は殺された孫自慢を語るも、瀬里にできるのは心の中で祈ることだけだった。

 

姉がボロボロになっていく様を見せられる真希には、全身に穴を作られる罰ではなく、既にあるメス穴を犯される罰が一人の裁量で決定した。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年33号

 

 

まさに因果応報。

 

 

多くの若者たちの顔を潰し殺してきた姉妹にお似合いの罰が下されゆく中、瀬里は思い直した。

 

やはり自分たちは殺人鬼で、神に助けられる存在ではないと。

 

 

ならば、悪魔に頼るしかなかった。

 

 

その悪魔はもちろん、自分たちに殺人を犯させた張本人の、植え付けられた殺人鬼の人格だった。

 

妹を助けたい一心で悪魔に呼びかけた直後、瀬里の中でかつてない大きな発火現象が起きた。

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