160話
桜川はセック〇と愛の言葉で龍野にマインドコントロールされ続けてきた。
あやの強さを思い知って再戦することに怯えて見せるが、マッドサイエンティストにとってサンプルがめんどくさいことを言っているに過ぎなかった。

キス一つでキュンとさせられ、今の最高傑作はお前だと言われれば鵜呑みにし、あやを殺す約束をしてしまうのは、自分も名前で呼んでほしいからだった。
だから右目に痛々しい傷痕を残したまま、雄叫びをあげてあやに殴り掛かった。
しなったハンマーは壁を抉り壊し、躱したあやは足を斬りつけて行動不能にしてやろうとするが、桜川もハンマーの柄を支点にしてアクロバティックに防ぐ。
そのまま全体重を乗せて踏みつけてやろうとするが、あやが先にアクロバティック返しで顎を蹴り上げた。
改めて強さを思い知った桜川は嫉妬も強くし、龍野の変わり様を思い出した。
ヘリで逃げる際あやと再会してからというもの、あやの話題ばかりになった龍野がもどかしく、ここ二年、ずっと龍野の一番でいるために手を血で汚してきた努力はそれなりに報われていたが、それでも他に名前で呼ぶ女がいることを知ってしまった。

本当の一番になるためには、あやを殺すしかなかった。
どっぷり洗脳されてしまっている桜川は偽の愛の力で強くなり、豪快なドロップキックをぶち込んだ。
ただそれはあやを凌駕したのではなくあやに迷いが生じているからで、龍野もあやが桜川を殺さないように戦っているのに気づいていた。
龍野が信用ならないのは織り込み済みだったあやがあえて殺さずに案内させたのは、桜川にまた会うためだった。
潜入作戦の結果とはいえ一時的に友情を育んだ相手がダーキニーで、惨たらしく友達を殺した姿にかつての自分を重ねていた。
その想いは殊の外強く、桜川に寝返るよう勧誘するほどだった。

かつての自分を無残な死で終わらせないため、友達を守るのは当然と言ったのだから羽黒には受け入れさせると言い切った。
羽黒なら友達を殺させたりはしない。
その言葉は桜川に深く突き刺さり、敵だと思い込んでいるあやが忌々しい目の上のたん瘤ではなくなった。
二年がかりの洗脳がそう簡単に揺らがないと自負している龍野だが、桜川は本当に友達だったはずの一般人二人の最期の顔と言葉を思い出していた。

龍野はその二人も敵だと言ったが、一緒にバスケをして友達だと笑いかけてくれた二人が、今更ながらに敵だとは思えなくなった。
しかし龍野を信用したい気持ちも消えず、ついにハンマーを手放したのだった。

それも桜川の本来の優しさ故だと納得した龍野は、桜川に刷り込んだ殺人鬼を表にして戦わせればいいと考え、発火のキーワードを繰り返し始めた。
感想
サタノファニ158話159話160話でした。
頭グチャはさすがに後味が悪いので、ちょっとほっこりする決着がついて良かったです。
それでもやっぱり、誰かは犠牲になる気がします。
https://www.kuroneko0920.com/archives/76068




































